日本フィルハーモニー交響楽団
ハープ奏者 松井久子さん


ベートーヴェンがのこしたおもしろい言葉・・・

「ハープとピアノが別の楽器であることが
皆にわかる日が早く来ることを望みます」

これはピアノ製作者への手紙に書かれた。

ベートーヴェンはまだ十歳の頃から
ピアノ即興演奏が圧倒的で
音楽愛好家の貴族たちを感動の渦に
巻き込んでいたが、当時のピアノの性能には
大いに不満を持っていた。

1. より広い音域が欲しかった
  (低音・高音ともに)。
2. より強い音が出せるように望んだ。
つまり、強弱のダイナミックな差を
つけた演奏をしたかった。
そして、
3. 歌うような奏法、つまり
なめらかなレガート奏法で演奏したかった。
そのためには
音が長く伸びなくてはならない。

ベートーヴェンが若かったころのピアノは
この条件を満たしていなかった。
ピアノの奏法といえば、
速弾きこそが名人芸だった。
モーツァルトの《トルコ行進曲》などを
思い出していただければ
わかりやすいと思う。

当時のハープは、
現在のグランド・ハープほどの
広い音域はなかったろうし、
指ではじく絃楽器である
ハープには、それほど強い音は望めない。
音が伸びないハープには、
レガート奏法はできない。
音がプツプツ切れてしまうのは
楽器の性能上仕方がないことだった。
#や♭の音も自由には出せなかった。

だからハープはあくまでも伴奏楽器であり
それが主役になることはなかった。
ベートーヴェンはハープのための音楽を
書いていない。
モーツァルトには
《フルートとハープのための協奏曲》が
あるけれど、
ハープ単独で主役にしなかったのは、
モーツァルトも、ハープだけでは
主役には物足りないと思ったのだ。
強弱のダイナミックの幅が狭い
音が伸びない、というのは
音楽を表現する主役としては物足りない
と多くの作曲家が感じていた。
ハープを主役にした音楽は
クラシックの名曲の中にはほとんどないのは
そういう理由がある。

ベートーヴェンにとっては最も得意な
楽器であるピアノも、当時はまだ
「ハープと大差ない」と
ベートーヴェンは感じていたのだ。
少年時代に故郷ボンの宮廷楽団で
オルガンを弾いていたベートーヴェンとしては
オルガンのように音が伸びる楽器を望んだ。
そういうピアノがあれば
なめらかなレガート奏法で
歌うように弾くことができる。

つまりベートーヴェンは
ピアノでオーケストラのような音楽を
表現しようとした。
オーケストラは、音の伸びる楽器が
重なり合って音楽を創っている。
ベートーヴェンのピアノ曲が、しばしば
オーケストラの響きのようだ、と言われるのは
ベートーヴェンは確かにそのような音楽を
めざしたのだ。

このように
ピアノ製作者に様々な要求を出したので、
ベートーヴェンの時代にはピアノの性能が
格段にアップしたのだ。

批判を怖れない真の芸術家
それまでのピアニストはピアノの性能に
合わせて弾いていた。
ベートーヴェンは、自分の音楽に合わせて
楽器の改良を求めた。

真のアーティストとは
それまで誰もがしなかった創造をし、
永遠の〈いのち〉を持つものを生み出す人。

ベートーヴェンのレガート奏法には
保守的な反対派のピアニストからは
「音が濁る」と批判を受けた。
(レガート奏法では前の音が消えないうちに
次の音が出るので確かに音が一瞬濁る)

しかし、批判を怖れずに
危険をはらむ領域に踏み込まないと
永遠の〈いのち〉を持つ
本モノの芸術は生まれない。

ベートーヴェンの時代には
著名なピアニスト兼作曲家が
ほかにもたくさんいたが、その作品は
今ではほんど演奏されることがない。

ベートーヴェンは批判を怖れない
音楽の革命家だったから、
その作品が永遠の〈いのち〉を持った。

有名な《悲愴》ソナタの第2楽章、
《月光》ソナタの第1楽章などを聴くと、
歌うようにピアノを弾きたいという
ベートーヴェンの思いを具体的に
わかっていただけると思う。

ベートーヴェン『悲愴ソナタ』第2楽章

ベートーヴェン『月光ソナタ』全3楽章


『わくわくオーケストラ 楽器物語』
やぎりん(文)/小澤一雄(絵)
 ポトス出版(¥1800+税)


ベートーヴェンが音楽の発展に
絶大な貢献をしたことを、ボクは
『わくわくオーケストラ 楽器物語』に書いた。
これは元々
朝日小学生新聞の人気連載だった。

ベートーヴェンの《第九交響曲》の中には
イスラム教徒とキリスト教徒の融和を願って
書かれた部分がある、という話を
打楽器のところに書いた。

オーケストラの楽器紹介を
ヴァイオリンやフルートからでなく
打楽器から始めるという構成も
ユニークですよ。

絶賛出版のこの本は、まもなく第4刷の
4700部が売り切れる。
プレゼントにもどうぞ。

【大切なオマケの話】
音が伸びないので表現の幅や深さが
足りないとされていたハープは、
コロンブスらによってラテンアメリカに
運ばれて、新天地で
独自の奏法の進化を遂げた。
それはギターのトレモロ奏法をまねて
ハープにもトレモロを採り入れたこと。
それによって
ハープでもメロディーを歌うように
演奏することが可能となった。
ヨーロッパのハープでは未だに
トレモロ奏法はない。
ヨーロッパのハープは指の腹で弾くのに対し
ラテン・ハープ(アルパ)は、
ギターのように爪弾くので
トレモロという発想が生まれたのではないか。
これによってラテン・ハープの表現力は
格段に高まった。


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宮澤賢治『注文の多い料理店』
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やぎりんトリオ・リベルタ
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音響抜群のコンサート専用ホール
京葉線検見川浜駅徒歩7分

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午前11:00開演(1:00終演)
午後2:00開演(4:00終演)
東京オペラシティ3階
近江楽堂(おうみがくどう)
【定員120/臨時定員60】


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笑福亭里光師匠の『芝浜』

12月26日(日)午後1:30/3:30二回公演


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昼の部 午後2:00開演(4時終演)
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昼の部 午後2:00開演(4時終演)
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JR日暮里駅南改札徒歩2分。
京成日暮里駅からもすぐ。
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一般¥4000 /学生¥500
会員¥3000(手紙届く方)

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臨時定員100人/川越駅西口、徒歩5分
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一般¥4000 /学生¥500
会員¥3000(手紙届く方)

★2022年3月6日(日)
午後2:00開演(4時終演)
千葉市美浜文化ホール
音楽ホール(定員150)臨時定員75人
京葉線検見川浜駅徒歩7分。
●公演開催協力券(全指定席)
一般¥4000 学生¥500
会員¥3000(手紙届く方)



大前恵子×木星音楽団 セカンド・アルバム
鳥たちの詩、海の詩

1.くじらの子守歌
小笠原育美・作曲/相馬邦子・編曲
2.海はふるさと【大海啊故郷】
王立平・作詞作曲/やぎりん訳詞
3.浜辺の歌
林古渓・作詞/成田為三・作曲
4.アメイジング・グレイス
英国賛美歌
5.ロッホ・ローモンド
スコットランド民謡/相馬邦子・編曲/やぎりん訳詞
6.ふるさとのナナカマド
スコットランド民謡/相馬邦子・編曲/やぎりん訳詞
7.聖母の御子
カタルーニャ民謡
8.鳥の歌
カタルーニャ民謡/やぎりん訳詞
9.つばめよ
ナルシソ・セラデル・セビージャ作詞作曲/やぎりん訳詞
10.海はふるさと【大海啊故郷】
王立平・作曲(インストゥルメンタル)
2017年8月25日
東京文化会館小ホールでのライヴ録音
11. 童神(わらびがみ)
古謝美佐子・作詞/佐原一哉・作曲
12. コンドルは飛んで行く
ダニエル・アロミーア・ロブレス作曲/やぎりん作詞

歌:大前恵子
演奏:木星音楽団
小野美穂子【箏:十七絃/十八絃】
藤枝貴子【アルパ】
三塚幸彦【尺八】
八木倫明【ケーナとナイ】
ゲスト
金亜軍【揚琴】
古谷真未【チェロ】
★定価¥2600(+税)
★通販価格¥3000(送料¥180込み)
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◎エッセイ『広い河の岸辺』
大変好評で、販売中ですドキドキ


クローバー必然と偶然が時を得て生み出した、
大いなる奇跡!
この歌は今後50年、
100年と歌い継がれて
日本の歴史に残るでしょう。
湯川れい子

本の表紙
ドキドキ やぎりんBOOK『広い河の岸辺』
(主婦と生活社)発売しました!!¥1000+消費税

コンドル合唱譜混声
やぎりん作詞《コンドルは飛んで行く》
やぎりん訳詞《つばめよ》
吉田桂子編曲
合唱譜が出版されました。
女声三部/混声三部の2種類。
それぞれに、易しい二部合唱の楽譜も
収録されています。
¥1300(+税)全音楽譜出版社


合唱譜女声
ドキドキやぎりん監修の合唱譜が発売(全音楽譜出版社)。
小川類・編曲
☆女声三部/二部
★☆混声三部/二部

《広い河の岸辺》(スコットランド民謡)
《思い出のサリーガーデン》(アイルランド民謡)

2曲セット。
定価¥1200(+消費税)


ジャケ写
いちよ・たかこ・やぎりんトリオ♪
+ゲスト・チェロ古谷真未
アルバム『いのちと平和の音源』
¥2800(+税)通販価格¥3000(すべて込み)

収録曲(★歌入り/☆チェロ入り)
1.愛は花、君はその種子(たね)
(A.マックブルーム)[高畑勲 訳詞]★☆
2.黄色い村の門(アイルランド民謡)☆
3.思い出のサリーガーデン
(アイルランド民謡/やぎりん 訳詞)★☆
4.白鳥の停車場(藤平慎太郎)☆
5.ラ・サンドゥンガ
(メキシコ民謡/やぎりん 日本語詞)★
6.君の影になりたい【アルパ・ソロ】
7.ラピュタ・シチリアーナ
(イタリア・ルネサンス〜久石譲) ☆
8.よろこびのうた
(メキシコ民謡/枝元一代ほか 日本語詞)★
9.童神【わらびがみ】
(佐原一哉/古謝美佐子・作詞)★
10. 蕾【つぼみ】(小渕健太郎)【アルパ・ソロ】
11. チョグイ鳥(パラグアイ民謡)
12. 広い河の岸辺
(スコットランド民謡/やぎりん 訳詞)★☆
13. コンドルは飛んで行く(D.A.ロブレス)☆
14. 人生よ、ありがとう
(ビオレータ・パラ/やぎりん 訳詞)★☆
15. 島唄(宮沢和史)★☆


木星CDジャケット
木星音楽団アルバム
Winds & Strings
湯川れい子さん推薦メッセージ
和楽器とラテン楽器による、
実にユニークで魅力的な異文化四重奏団だ。
でも異文化というより、
むしろどこか大昔に
深くつながっていた音と文化だ!
という確信に近い懐かしさであり、
新鮮なアイデンティティの再発見なのだ。
そう、ひょっとしたらこれは、蒙古斑まで遡る、
とんでもなく壮大なロマンかもしれない。

湯川れい子(音楽評論・作詞)
¥2800(+税)通販価格¥3000(すべて込み)

木星音楽団
箏:小野美穂子/アルパ:藤枝貴子
尺八:三塚幸彦/ケーナとナイ:八木倫明
1.木星【ジュピター】
2.北飛行(小野美穂子オリジナル)
3.涙そうそう
4.少年時代
5.アルパ協奏曲《鐘つき鳥》
6.オリーブの首飾り
7.コーヒー・ルンバ
8.芭蕉布
9.引き潮
10. イエスタデイ
11. 明日
12. 江差(三塚幸彦オリジナル)
13. 月の沙漠 幻想
14. 砂山
15. 雪(三塚幸彦オリジナル)


完成した絵本表紙
ドキドキ葉祥明さんの絵本(文:八木倫明)
『ひろいかわのきしべ』(国土社)
発売しました!!


絵本『ひろいかわのきしべ』推薦文の
帯付きは初版のみです。
クミコさんと湯川れい子さんの言葉が
載っています。

ドキドキクミコさん
いま世界にあってほしいと思うものが
この絵本の中にあります。それは
暗い空をてらす、希望の光です。

ドキドキ湯川れい子さん
この歌は、これからの時代に愛され、
その時代を踏み越えて、
未来に継承されていくと信じています。


クミコジャケ写
合唱のスコアもついた
《広い河の岸辺》CD
You Tubeには載っていない合唱バージョンが
このCDには収録されています。
女声合唱団「青い鳥」が素晴らしい演奏をしています。

★台湾に広がる《広い河の岸辺》
http://amba.to/1z1p6NO


★《広い河の岸辺》の本質
『小さな死』からの出発。
http://amba.to/1oBdnE3


★地球人が渡るべき河のこと
http://amba.to/1t0E3O6

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「なにも知らない。なにもできない。
なにもない。
なのに、なにかを求めている。
自分の微力は、よく承知している。
とるに足りない才能についても自覚している。

でも、せっかく生まれて来たのだから
感動したい。共鳴したい。
おなじ心のひとに会いたい。

それがせめて
みじかい生命の軌跡の中で
ぼくらが望むものではないか。

ところであなたは・・・。


★『詩とメルヘン』サンリオ刊
1982年4月号編集後記やなせたかし
◎やなさたかしさんの限りない優しさ
*********************

★音楽、落語、ラジオ、読書。想像力が抗認知症?
http://amba.to/1osUvYd

★エーリッヒ・フロムの愛の論理と音楽