1985/8/26 ムック「まいったかコノヤローッ!!」その④ 覆面マネージャのインタビュー | 時系列でみる! 極悪同盟 ダンプ松本 ファンブログ

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極悪同盟(特にダンプ松本さん)のプロレスを時系列で整理します。思い入れのある雑誌処分のためブログに残して廃棄します。「テーマ別」で時系列で閲覧することができます。妄想で書くこともしばしばですが1年(+α)かけてやる予定です

フジテレビが出版した「女子プロレス まいったかコノヤローッ!!決定版」の続きです。

今回は覆面マネージャの「ザ・ベートーベン」のインタビューを引用します。

 

 

 

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ダンプ松本の人気は極悪パフォーマンス 

 

最近のダンプ松本をたとえるならば、まさに肉体の極悪パフォーマンス。もはや手のつけられない怪物へとその存在を巨大化させてしまったのだ。
そして、このところダンプのリング内外における活躍ぶりは、クラッシュ・ギャルズを凌ぐ勢いだ。 一般マスコミのグラビア・ページを賑やかし、TVのバラエティ番組ではそのキャラクターが大受け。
この夏には、なな...なんと、CMにまで登場しているのだから、 もう大メジャーなのだ。さらに、TVドラマやレコーディングの話もひっきりなし、書きおろしの 行本の依頼も数限りない。

 

一方、張本人のフクメンはどこに!!
なぜ今、ダンプ松本なのだろうか? 時代の異端児であるはずのダンプがマスコミ界を席巻する。 ダンプの活躍(?)は、クラッシュ・ ギャルズ=女子プロレスという図式を破壊してしまったのである。 子分のブル中野やコンドル斉藤 (そうです、斉藤真知子チャンは、 コンドルとなって極悪星にはばたいたのです)にとって、ダンプはまるで、ヤクザの大姉御といった感じ。
 

ところが・・・このダンプに何かが欠けていないか? そうだ、あの "暴力仕掛人"謎の覆面マネージャ ーの姿がない 。2月にWWWA世界タッグ選手権をクラッシュ・ギ ャルズから極悪同盟に強奪させた張本人。4月のリターンマッチに登場し、大混乱のノーコンテストを演じた影のエンタテイナーはどこに!
 

覆面マネージャーはイヤな奴だ!!!
本誌(『女子プロレス・スペシャル・好きだぜコノヤローッ!』)が、 単独インタビューに成功したその矢先に謎の蒸発。5月、大宮におけるクラッシュと極悪同盟のWWWA世界タッグ王座決定戦にも姿を見せず、 ジャパン・グランプリの公式リーグにも現われなかった。 いかにダンプのパワーが、大森ゆかりの剛力パワーを超えようと、 コントロールタワーである覆面マネージャー抜きでは勝てそうで勝てない。 汚職しっぱなしの阿部四郎レフェリーは、すっかりタレント化してしまったし、いまや実力行使の人、覆面マネージャーはなくてはならないお方なのだ。


覆面マネージャーは対戦相手にとって、いつ、どこに現われるかわからぬイヤな奴だ。ところが消えてしまったと思われた覆面マネージャーが、6月25日品川プリンスホテル・アイスアリーナで行われた、ジャパン・グランプリ優勝決定戦のリングに、突如乱入してきたのだった。


ライオネス飛鳥とダンプ松本による決定戦。ダンプは、長与千種と準決勝で30分時間切れの熱闘を繰り広げた直後の出来事だった。 だが、この不法乱入はあまりインパクトがなかった。リーグ戦を通じて、一度も出て来なかった覆面マネージャーの参加は、またまた勝敗を左右するかと思われたが、 覆面マネージャーにはいつもの元気がなかった。リングを遠ざかっていた(レスラーじゃあるまいし!) ためか、動きが重く感じられ、ダ ンプを優勝に導くにはいたらなか ったのだ。
 

一瞬のうちに姿を消すフクメンさん
リングを後にしたダンプと覆面マネジャー率いる極悪同盟・・・加工室に戻ると一瞬のうちに覆面マネジャーの姿は消えていったのだ。ダンプ、ブル、斉藤らが会場から去る時、覆面マネジャーはいなかっ た。控室のどこを捜してもみつからない。ひょっとすると、素顔のまま会場内に潜んでいたのかもしれないのだ。


それ以来、覆面マネージャーはまた闇の中へ去ってしまったのだった。


果たしてこのまま半永久的に姿をくらますのか......。 それとも、 どこかのビックマッチにフラリ潜入するのか?
覆面マネージャーの所在を明らかにし、本心を聞かなくては本誌編集部は困ってしまう。だって覆面マネージャーへのインタビュー企画でページを稼ごうと思っているのだから・・・もう時間がない! 

こうなったら、前回に引き続き、この人に登場願おう。 全日本女子プロレスの広報担当であり、私達のツオーイ味方、 小川宏氏しかいないのだ。
 

そこで登場した小川さんのレポート
「ギューッ、またあの男に会うの ですか。 最近姿を見ないので喜んでいた矢先だったのに・・・私は よく覆面マネージャーに間違えられて、とても迷惑しているんですよ。 いくら体型が似ているからといって、あんなのと一緒にするなんて、 ヒドイ話です。 私は広報担当ですから、覆面マネージャーの居場所を捜すぐらい簡単なことですよ。 おそらく、都内に潜伏していると思います」
というと小川氏は、新宿、吉原など夜の街を捜し始めたのだった。
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小川さん、ついに覆面とソーグー!! 

そして、7月のある日、本誌編 集部に小川氏から連絡がきた。
「い、いましたよお~」 まるで手柄をたてたように、弾む声で小川氏はまくしたてたのだ。

「今、新宿の歌舞伎町にいるん ですけど... 覆面マネージャーが素顔で歩いています!」
と言うなりガチャッと受話器を 置き、小川氏は覆面マネージャーを追い求めた。
 

小川 スミマセーン!
覆面マネージャー (慌てふためき) お、お前は...なぜ、ここにいるんだ!
小川 あなたは覆面マネージャーですね?
覆面マネージャー いや違う。 いきなり声をかけて失礼な奴だな。 

小川 その慌てた顔は、やっぱり 覆面マネージャーに違いない。 

覆面マネージャー しつこい奴だ。 違うと言ったら違うんだ! 

小川 これも仕事ですから。 違うなら、それで結構ですから写真を 一枚撮らして下さい。
覆面マネージャー 見ず知らずの他人に、なぜ写真を撮らせなければならないんだ。(といきなり、小川氏はカメラのシ ヤッターを切ったのだ)
覆面マネージャー 何をするっ! フィルムをよこせ。 (サングラス をかけているものの、かなり動揺 している様子)

小川 ダメです。これは、フォーカスかフライデーに売ります。 それじゃなかったら、エンマに頼んで みることにしましょう。
「これが、謎の覆面マネージャーの正体だ!」

覆面マネージャー わかった。お前もプロレス界に生きる男なら、人の営業妨害をするもんじゃない。マナーを守れ! お前の条件は何なんだ。 ここで取り引きしよう。 

小川 ちょっとインタビューさせ てくれればいいんですよ。 

覆面マネージャー インタビュー か・・・よし、10分間だけなら時間をやる。忙しいんだから早くしろ! 

小川 ハイ、ハイ、わかりました。ところでなぜ、新宿の街にいるん ですか?
覆面マネージャー いまファッション・マッ・・。
小川 えっ、聞きとりにくかったんですが?
覆面マネージャー いやファッション・ショーを見てきたところだ。くだらないことを聞くんじゃない!
小川 この頃、リングに登場しないのは、なぜか理由があるのですか?
覆面マネージャー それはダンプが一人前になってきたからだ。私は長い間、プロレス界に接しているが、これほどの短期間で急成長を遂げたレスラーもまずいないだ ろう。もはや、ミーハーのアイドルでしかないクラッシュ・ギャルズなど問題外だよ。 ダンプが売れっ子になってから、クラッシュの仕事がめっきり減ったというじゃないか。まあ、メッキは、はがれるものだが......。 私は、アベのよ うにいつまでもダンプにしがみついているのとは違うんだ。 

小川 ということは、もう復帰しないんですか? そのほうが、我々はありがたいんだけど。
覆面マネージャー オイ誰が辞めるっていった。お前は、人の言葉を理解する脳ミソもないのか。 

小川 そんなことはありません。 ただ、これ以上あなたが、出てくることは無意味だと言いたいんです。リングは、レスラーが命を賭けている、神聖な場所なんですよ。 そこへ、あなたや阿部四郎みたいのが出てくることは女子プロレスの将来のためにならない。
覆面マネージャー 女子プロレスのためにならないのは、お前らのことだ。お前ら、ちょっと人気が上がってきたものだから、 うかれ過ぎているんじゃないか! それは 極悪同盟以外の選手全員に言えることだけどな。
小川 それは、どういうことですか?
覆面マネージャー クラッシュにしても、ジャガー、デビルにしてもレスラーじゃなくてコメディアンみたいなものだ。あいつらの試合を見てみろ。全然向上心がないじゃないか。敵に塩を送るようだが、クラッシュには、芸能の仕事を今すぐ辞めさせるべきだ。あいつら、プロレスに覇気がない。「女子プロレスの流れを変える」と公言しているが、それなら歌など唄ってチャラチャラするな。 真のレスラーなら、プロレスだけで勝負させるようにしろ。それは、お前らフロントの役目だ。
小川 私もそう思う時があるのですが。 でもダンプだって、CMやドラマに出たりしているじゃないですか。
覆面マネージャー それは金のた めだ。ダンプは好かれようとしてやってるんじゃない。 全て金のためだ。マネー・イズ・ベスト。オッと、もう時間がない。お前と話しているほど暇じゃないんだ。 それと、ちょっと一言いいたい。 私の名前は、ザ・ベートーベンではない! 勝手に名前を付けるな。 よし、ここで提案しよう。 読者に、 私の名前を募集するようにしてくれ。わかったな!
小川 もう少しいいじゃないです か。 ○○○ランドに案内しますから・・。
覆面マネージャー お前は本当に調子のいい奴だな。うるさいから、これ以上つきまとうと命の保証はないぞ!
 

と一方的にまくしたてた覆面マ ネージャーは、夜のネオン街に消えてしまった。サングラス越し に、彼の素顔を間近で見たけれど......やっぱし、覆面を付けているのは、思わずナットク!なんですね。そうですね、読者の皆さん、 今度こそ覆面マネージャーのバケの皮をはがし、完全フォーカスします。私と覆面マネージャーの対決は、 まだまだ続きそう...??
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今見るとロッシーが一人で小川役と覆面マネージャ役を書いているわけですが、なかなか面白い記事です。

ロッシーは1984年代には覆面マネージャをやめてしまったようなので、6/25の品川プリンスホテルで行われたジャパングランプリは偽物でした。偽物はマネージャ役として大胆な行動ができなかったためか、あまり表立った活躍はなかったと思います。

それだけロッシーはプロレスの興行に対するセンスは当時からあったということですかね。

 

この記事でジャガーやデビルまで「きちんとレスリングをしていない」と酷評していますが、これは広報の特権で何を書いてもよい感じだったんでしょうか。この記事を読んだらジャガーあたりが怒りそうです。

 

ちなみに最後に名前を募集していますが、「ザ・ベートーベン」という名前は最後まで決まっていなかったのですね・・。

 

写真を拡大してみます。この写真は6/25の試合のものなのでロッシー小川ではありませんね。背も低いですし。