1985/9/5 雑誌「週刊ゴング」"凶女" ダンプ松本 特集 | 時系列でみる! 極悪同盟 ダンプ松本 ファンブログ

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極悪同盟(特にダンプ松本さん)のプロレスを時系列で整理します。思い入れのある雑誌処分のためブログに残して廃棄します。「テーマ別」で時系列で閲覧することができます。妄想で書くこともしばしばですが1年(+α)かけてやる予定です

1985/9/5 雑誌「週刊ゴング」にダンプ松本が特集されていましたので引用します。

 

 

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不思議な人気を持つ"凶女"の魅力と魔力

 

昔は“普通の女" 今は極悪のドン
ダンプ松本=本名・松本香。 昭和35年11月11日生れ。 埼玉県 熊谷市出身。昭和55年、全日本 女子プロレスに入門するまでは
"普通の女の子”だった。
それが今は......。
現在の身長165センチ、体重100キロ。女子プロ・マットに地獄 絵図を作り上げる"極悪同盟"のドンである。
黒を基調としたリング・コスチュームに、皮ジャンパー、サ ングラスを着けた無気味な衣装 でリングに登場する。右手にはチェーンを持ち、ブンブン振り回し、観客を蹴散らしながらの入場。リングサイドにいる若手レスラーたちを、誰彼かまわず殴りつける。

 

そしてリング上で多くの花束や紙テープに囲まれたクラッシュ・ギャルズめがけて突進だ。 観客が「キャー、キャー」と叫びながら、その恐怖に震える。 一体、なぜ、ダンプ松本は普通の女の子から恐怖の極悪女になってしまったのだろうか。 松本は言う。
 

「私はね、ちょっとくらい可愛い顔してるからってチヤホヤされているクラッシュ・ギャルズが憎いんだよ。プロレスっていうのは格闘技だぜ。顔のよさでやるもんじゃないんだよ。それをわからせるためにもやつらを叩きつぶしてやりたいんだ」 

 

そういう松本が極悪同盟なる悪のチームを結成したのは昨年4月。体重が同じ100キロのクレーン・ユウとタッグ・チームを組んだのが始まりである。長与千種とライオネス飛鳥のクラッシュ・ギャルズの人気が上昇し 始めたころである。
C・ユウとの"100キロ・コンビ"の暴れっぷりの感触が思っていた以上に良く、松本はC・ ユウをベスト・パートナーとして指名するようになったのだ。 黒のコスチュームに統一した松本とC・ユウは人気者のクラッシュ・ギャルズに対抗すべく、"極悪同盟"と名乗るようになった。そしてクラッシュが登場する場面には必ずといっていいほど乱入し、長与と飛鳥をメチャメチャに痛ぶりまくる。

 

やがてクラッシュ・ギャルズ はJ堀、大森組を破り、WWWA認定世界タッグ王座に就くが、 それでも松本はしつこく追いまわし、60年2月25日、大田区体育館において行なわれたタイトルマッチで見事にチャンピオンチームを破り、C・ユウとのコンビで王座を獲得した。
そこでも松本は言った。

 

「たくさんのファンがクラッシュに声援を送っているのは知ってるよ。だけどそれは逆効果だぜ。なぜなら、私たちの体はクラッシュへの声援を聞けば聞くほどに、クラッシュを痛ぶるように動いてしまうんだ。つまりクラッシュのファンは自分たちでクラッシュを窮地に追い込んでいるんだよ」
松本の口から出る言葉は常に恐ろしいものばかり。もはやそこ には"普通の女の子"の面影など、どこにもない。
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腕にコブラのペイントをしたときに撮影されたもの。

 

 

 

 

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なぜ起った 松本ブーム
ダンプ松本の悪党ぶりはハンパじゃなかった。チェーンを持ち出し、木刀を持ち出し、相手を血ダルマにしなければ気が済まないといったもの。 特に昨年12月10日の神奈川・大和車体工業体育館での試合では、 なんとハサミを持ち出して長与千種、ライオネス飛鳥の髪の毛を切るという暴挙に出た。この時のファンは泣き叫ぶ 者まで出たほどだ。これがエス カレートし、8. 28大阪城ホールにおける長与千種との"敗者髪切りマッチ"にまで発展したのである。


また、ベスト・パートナーとして常にタッグを組んでいたクレーン・ユウをも血ダルマにしてしまった。これは「フジテレビ杯争奪ジャパン・グランプリ 公式リーグ戦」4月26日、鹿島大会での出来事だが、公式戦としてC・ユウと対戦した際、それまで"相棒"としか思っていなかったC・ユウが正面から対抗してきたのに腹を立て、凶器のメッタ打ちで血ダルマにしてしまったのだ。これはまさに戦いの地獄絵図だった。 観客は松本の顔を見るたびに恐怖に震えるばかり。
 

それがいつの日か、会場の片隅からだが、松本への声援が飛 ぶようになった。
 

極悪のメイクで CMにも出演!!!
いつものように超満員となった会場で、すべての声援を背に受けてリングに登場するクラッシュ・ギャルズ。そして次は極悪同盟のダンプ松本だ。

これまでの観客は恐怖に震えてばかりだったが、最近は"ダンプ"コ ールが起こるようになったのだ。 "ダンプ"コール・・・半年前の女子プロマットでは信じられない光景だった。だが、今は現実にそれがあるのだ。


若手時代は観客からは無視されて育った松本が、顔の良さだけで人気を得ているクラッシュに反発し、それを自分の手で打ち砕こうと、自ら悪役を選んで立ち上がったド根性が、観衆に認められ始めたのだ。 極悪同盟もブル中野を加えたのを初め、コンドル斎藤も一員となった。外人レスラーも極悪サイドにつき、さらに、現在、 練習中の若手の中にも"極悪同盟"入りを希望している者もいるという。
 

ここでも松本は言う。
 

「私はクラッシュの奴らを叩きつぶしたいだけだよ。人気なんてどうでもいいさ」


だが、中野や斎藤を一人前の 悪党に育てようと努力する松本の人望は買われる一方。ファンがつくばかりではなく、TVのCMにも引っ張り出されるほどになってしまった。
単に、サクセス・ストーリーとして片づけてよいものではない。松本はクラッシュ・ギャル ズの人気をねたみながら、悪の道を選ぶことによって人生の勝負を賭けたのだ。

 

人気を得ることでは成功した。 だが、松本の真の目的は長与千種を倒さなくては達成できないのである。それは8・28大阪城決戦で、長与と対決した後に答えが出されるのだ。
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一般誌では建前よりも本音を話していることが多いダンプですが、プロレス誌では「クラッシュ憎し」を全面に出しています。

"ダンプ"コールが会場で起こるのはテレビ放送ではほとんど見ませんが、中継以外の地方会場ではあったのかもしれませんね。何しろ、タコヤキラーメンのCMでも知名度が上がりましたし、ダンプを見たくて全女の試合を見に行く人も増えたと思います。

若いミーハーファンはクラッシュギャルズですが、それ以外の一般の人はダンプの暴れっぷりを見たくて試合会場に行った人も多かったと思います。

 

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