1984/9/17 雑誌「週刊大衆」 長与千種特集 | 時系列でみる! 極悪同盟 ダンプ松本 ファンブログ

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極悪同盟(特にダンプ松本さん)のプロレスを時系列で整理します。思い入れのある雑誌処分のためブログに残して廃棄します。「テーマ別」で時系列で閲覧することができます。妄想で書くこともしばしばですが1年(+α)かけてやる予定です

ダンプ最大のライバル、長与千種のインタビューです。

この頃から飛鳥よりも人気があったんですかね。女性ファンではないのでその辺りよく分かりませんが・・。

 

 

 

 

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昭和五十一年、ビューティ・ペア、プラック・ペアが誕生、ミミ萩原らと華やかな競宴をマット上に繰りひろげ、ローティーンの女性フアンを多数獲得したのが第二期。
この第二期は男役と女役がいたりの"タカラジェンヌ路線"とも呼ばれたが、現在は激しい力と力のぶつかり合いの"筋肉プロレスの時代"。その第三期黄金時代を支えるのが、昨年八月に結成され、ローティーンギャルからわれら中年男性まで幅広いフアン層をもつクラッシュ・ギャルズだ。
長与千種、十九歳。女子プロレス界の"長州力"

〇 (本誌)これだけ人気が出てくると、ヘンなお客もいるんじゃない?
● (長与) ハハ、いるいる。ファンってのは相撲でもそうなんけど、レスラーの体に触りかがる物なのね。まあ、触るくらいならいいけど、なかにはいきなり殴ってくるやつもいるんですよ。このやろ― ッ、 って殴り返すわけにもいかないじゃない、頭きますよホントに。
○  へんなとこさっとタッチされたり……。
● そうそう。すれちがいざま、胸だとか下半身だとかに、手を伸ばしてくる。それに、リングの上でもプロレスそっちのけでヘンなとこばっかり覗き込んでるオジサンがいるんですよ。
〇そういうのって試合でもその視線を感じるわけ?
●感じますよ。お酒なんか飲んでるオジサンが、「もっと股開けッ!」「股裂きにしろッ!」って赤い顔して叫んでいる。けっこういるんですよねえ、このテの人が。
○う―む、反省反省。|
○ そもそもなんでこの世界に入ることになったの?
● 私の場合、男まさりな性格だったのね、やっばり。中学のときなんか一年下の女のコから"交換日記して下さい"なんていわれたり、バレンタインデーにはチョコレートがどっさり届いたり。女のコにけっこう人気があった。それなのに男のコからは、"おマエは女のくせに"って年下のようになめられたり、しょせんは女のは女なんだ"と見下したような言い方をされる。それがとっても不満で、女だって実力しだいで活躍できなきゃ嘘だって思ってるときに、ビューティ・ペアが出てきたんですね。
強くて格好よくて、輝いていて、私たちにはできない夢をかわりに実現してくれるような存在だった。もうこれだって、あたしもいずれはビューティ・ペアみたくなるんだって思いこんじゃって、それからはもう一途ですよ。固く決心したのは中二のときだけど、なにしろ小学校六年のときから、女子プロに入ったら有利になるだろうと空手を習いはじめたくらいですから、目覚めるのはとても早かった(笑)。以来、一貫してプロレス少女。
○ う―ん、小六とはまた凄い。
● で、親なんかね、大反対。あんなもん八百長だ、そんな汚い世界にかわいいわが子を託せないって、ガンコにいいはるんです。こっちも必死だから、「八百長ならどうして血が出るんだ」とか、「八百長なのに骨が折れるのはおかしいじゃないか」と懸命に大反論。最後はね、非常手段使って、中三の三学期の答案用紙を全部白紙で出しちゃったんです。やっばり、私は格闘技が根っから好きだったんですね。それに女子プロレスなら、おカネが儲かりそうだと思った。
〇おカネねぇ。
●うん。おカネの要素は大きいですよ。正直いって、これだけ肉体を酷使する仕事ですから、おカネが欲しくないといったら嘘になる。アマチュアの格闘技やったって、名前がちょこっと知れ渡るぐらいで終わりでしょ。
○ で、実際に入ってみてどうだった?
● もう嬉しかったのは、せいぜい一、二週間。
〇 練習がきつかったの?
● そうじゃないの、ハードトレーニングなんて、いくらだって耐えられるのよ。苦しくたって「立てッ」といわれれば立ち上がれるし、それぐらいの覚悟と根性はもってるつもり。
〇 というと?
● 人間関係の複雑さ、イヤらしさですね。たとえば練習時間は朝十時からなんだけれど、こっちは早く一人前のレスラーになりたいから九時からきて練習してる。そうすると、「一人だけ格好つけてる」とか「上の人にいいとこ見せようと思ってぬけがけしてる」だとか、陰口たたくのが必ずいるの。だって人と同じことやってたら、強くなれるわけないでしょ。それなのにさぁ……。
○ やめちゃおうかと思った?
● いやそれは思わない、負けるもんかと思って頑張った。
○ スランプは?
● おととし全日本ジュニアを獲って、その三カ月後に防衛戦に敗れたんです。あのときはもう落ち込んだなぁ。文字通りの百日天下。デ、セコンドについてくれたジャガー横田さんに、「もう自信がない。やめたい」って弱音を吐いたら、「何いってんのよ、そういうスランプから脱却したときが、本当に強くなるのよ。踏まれても踏まれてもはい上がってくる雑草のようにならなきゃダメ。あんたここでやめたら、 一生、負け大よ」
そういって励ましてくれた。勝負の世界の厳しさをとこんこんと諭されました。で、翌年一月、タイトル奪還に成功しました。
○ ところで、頼もしき相棒、ライオネス飛鳥選手について。
● 彼女と私は、まったく正反対の性格。彼女は気が強いし、何を考えているのかわからないですね。日常生活でも非常にマメだし。これからもよきライバルでやっていきたいですね。
〇それにしても年間二百数十試合。たいへんだね…。休みの日なんかは何してんの?
● もう生活すべてがプロレスですから、プロレスの雑誌読んだり、男子の試合のビデオを見たり。息抜きのため、原宿にショッピングに行ったりもします。〇原宿のアベックも見たりして同世代としてどう?女子プロは禁酒禁煙、男厳禁の世界だけど(笑)。
● そりゃ淋しいですょ。でも男欲しいよ―っていうのは、まはないですね。だって恋愛はいつでもできるけど、プロレスはいましかできない。
○ お酒飲みにいったりしないの?
● しません。アルコール飲むと気持が悪くなっちゃう。酒、煙草はスポーッマンには天敵です。
○ 男も?
● うん。だってはら、男の人とそうなったら妊娠の可能性があるわけでしょ。それに、体に傷を作りたくないとか、遠征にいっても彼氏のことばっかり考
えたりして、プロレスに身が入らない。いずれは結婚して、平凡な家庭の主婦におさまるつもりですけれど。
○ 結婚するならどんなタイプ?
● 私ね―、太った人が好きなの。なんていうか"ガッチリデブ"の人。柔道の山下選手みたいな筋肉質で、しかも横幅があって……。それに、私より腕力があるっていうのは絶対条件ね。私は空手二段でもあるし。
○ う―ん、怖いなあ。
● でも、タレントでいうと、森本レオさんとか藤竜也さんとか、ソフトに女性を包んでくれそうなタイプも好きなのよ。最低でも十歳は年上でないと、甘
えられない。 
○ なかなか欲が深いんだね。
● でも、子供ができたら、私の現役時代のビデオを見せて、「これがオカアサよ」って教えてやるの。それが最高の教育だと思ってる。
○ ふむ。近い将来の目標は?
● いままで以上に、スピードと体力、厳しい技が求められる時代になると思うから、それに対応してますます"喧嘩プロレス"に磨きをかけることと。
血が噴きだしり、歯がかけたりの試合をバンバンやりたい。格闘技なのに、禁じ手があるなんて、私にいわせればおかしいのよ。殴り合わなきゃ魅力
は半減。
○ あい変わらず過激だね。ところで本当にBFはいないの。
● いませんよ。同居人は犬一匹。 "サラミ"いう名前。遠征に行くときも一緒なの。
○ 寝るときも一緒なら、ボク、そのサラミになりたいな。
● バカ!
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