磐田戦から中5日。休息は充分に取りましたが、これでしばらく休みらしい休みはありません。ここから29日のソシエダ戦まで、地獄の6連戦、いやソシエダ戦から中3日の札幌戦も含めたら7連戦です。
過酷すぎるスケジュールな上、今節の相手は鹿島アントラーズ。なので鹿島からレンタル移籍している染野唯月と林尚輝は出場できません。
まあ林は前節の怪我の影響もあるので休んでほしかったのですが、染野が出られないのは痛い。攻撃も守備も優秀なFWって、なかなか居ませんからねえ。
でも、今節から山田楓喜が戦列に復帰しました。U-23アジア大会での大活躍は心に残りました。今度はヴェルディで頑張ってください。
そして私も7連で試合観戦します。まずは鹿島戦。東京駅からカシマサッカースタジアム行きの長距離バスが出ているので、朝早くから乗り込みました。
隣の席は鹿島サポ、しかも女性(美人)だったので無駄に緊張しました。自由席はこういうのがあるから困る、いや少し嬉しかったけど(笑)。
およそ2時間半も掛かりましたが、カシマサッカースタジアムに到着しました。ヴェルディサポとして来るのは初めてですが、実は2012年に訪れています。当時、ヴェルディからジュビロ磐田に移籍した小林祐希を見に、夏コミ2日目の帰りに疲れた体で行きました。今思えば無茶な事をしたなあ。
バスを降りてスタジアムまで歩くと、ジーコの銅像と鹿島のレジェンド選手達の足跡に迎えられました。こういうのを見ると、チームの垣根を越えて感動します。
鹿島アントラーズというチームにはガチというか、お堅いイメージがあるけど、子ども達を蔑ろにはしてません。広場には沢山の遊具が出ていました。
スタジアムに入場しました。
今回はゴール裏ではなく、バックスタンドから観戦しました。ちょっと高かったけど、見晴らしは素晴らしい。やはりサッカー専用スタジアムは良い……。
鹿島のスタグルはとても評判が良く、特にモツ煮は多くの店で提供されており、どれも美味しいとの事。私も食べましたが、確かに美味い、美味すぎる。
モツ煮は当然ですが、ハム焼(1本目は普通の、2本目はローズポークのハム)やアンコウの唐揚げ、クレープも美味いとは完璧じゃないか。そりゃあアウェイ席への密輸も絶えませんわ。
スタグルを食べ歩いていると、成田市施政70周年の記念イベントが行われていました。マスコット目当てで見てたら、何とジーコ氏が登場!
この日はラモス瑠偉さんとトークイベントを行うとは聞いてたけど、まさかこんな所で、しかもこんな間近で見れるとは。完全なサプライズで、鹿島サポも驚いてました。
カシマスタジアムの周りは殆どが森ですが、実は海が近く、スタジアムから灯台が見えます。
鹿島のメインマスコットの「しかお」とは会えなかったけど、奥さんの「しかこ」と息子のアントンには会えました。味スタに来て、リヴェルンと仲良くなってほしい。
アウェイゴール裏を埋めたヴェルディサポの皆さん。
その声はスタジアムに響き渡っており、私の後ろの席にいた鹿島サポは「鹿島より声出てる。ヴェルディのホームみたいだ」と驚いていました。誇らしい。
何の鹿島サポも負けてはいない。16年ぶりに戦うヴェルディへの愛が篭ったブーイング、ちゃんと聞こえてましたよ。3枚のビッグフラッグも素晴らしかったです。
試合前の特別映像。鹿島はヴェルディ戦と磐田戦、そして川崎戦をクラシコとして扱い、盛り上げようとしています。
長年のライバルである磐田と川崎はともかく、ヴェルディは…と思ったけど、鹿島はJリーグ初代王者の座をヴェルディに奪われた事、今でも根に持ってるそうです。もう歴史の1ページになった事なのに、まだ拘るのか。いや、それでこそ鹿島アントラーズでもある。
この試合はNHKで中継されており、新たな東京ヴェルディをアピールするには絶好のチャンス。それは鹿島も同じだと思ってたらしく、入場時から気合が入っていました。
VARをチェックする主審。バックスタンドからは、こういう珍しい写真も撮れます。
では試合の感想を。
空はどんよりと曇り、風強し。嫌な感じの天気が影響したのか、前半はヴェルディが押されまくります。
この日の鹿島は強い。強すぎた。フィジカルもテクニックもヴェルディの選手を圧倒的に上回っており、セカンドボールを拾いまくって分厚い攻撃を仕掛ける。今まで戦ったチームで1番強くて、まるで大人と子どもの試合を見ているようでした。
そんな強すぎる鹿島に5分にPKを与え、8分にこちらの陣地に切り込まれて失点。あっさりと2失点。序盤から大きなハンデを背負ってしまいました。
ヴェルディは山田裕翔と山見大登、綱島悠斗が今期初先発。若手の成長に懸けたんだろうけど、3人は鹿島の選手のハードなプレイに殆ど対応できなかった。うーん、厳しい。
それでも後半から気を取り直して反撃しようとしたけど、またまた開始早々に失点。CKから植田直通に見事なヘディングを叩き込まれてしまいました。
3点も取られた。しかも鹿島相手に。彼らは「鹿島る」と言われる程、試合の締め方が上手い。そんな相手から点を取れるのか? むしろ更に失点するだろう。城福監督もイエロー貰って、泣きっ面に蜂ですよ。
絶望が私の心を支配する一方、現実は変わり始めました。遂に怪我から復帰した谷口栄斗に続いて、齋藤功佑とチアゴ・アウベスが投入されます。
この3人が凄かった! 谷口は怪我明けとは思えない程に飛ぶわ走るわ、斎藤は要所要所でチームを引き締め、チアゴは鹿島の選手に勝るとも劣らないテクニックで敵陣に切り込む。見てて爽快でした。
選手交代後はヴェルディのペースになります。鹿島は交代して入った選手がイマイチで、選手層の薄さが露になりました。3連勝して3位にまで上がったのに意外だ。
そして69分、斎藤がミドルシュート決めて1点返しました。今期初得点おめ。
勢いに乗ったヴェルディは、81分に木村勇大が3試合連続で決めた! これで今期6点目、2桁ゴール狙えますね。
後半ATに入ると鹿島も反撃しますが、マテウスがようやく神セーブを披露して防ぐ。するとAT3分、FKが鹿島のゴール前に飛び込むと木村が詰めてシュートしたけど、ちょっと不発気味。でもボールはコロコロと転がっていき、これを見木友哉が押してゴールネットを揺らした! ヴェルディ、またもや後半ATで試合を動かして、3点差を追い付きました。これぞヴェルディ劇場。
試合はそのまま終了。ヴェルディ、今期最多失点での惨敗になると思いきや、終盤で追い付いて勝ち点1ゲット。しかも強豪・鹿島を相手に。凄い。
試合後の鹿島サポは大ブーイング。気持ちは分かる。うちもF東にやられましたからねえ……。
ちなみに鹿島が3点差をホームで追い付かれたのは、チーム史上初だそうです。やはりこの2チームの戦いは歴史を動かすんですね。
勝利に等しい引き分けに持ち込んだヴェルディ。諦めずに戦った選手達の頑張りも、城福監督の采配も、そして選手達を後押ししたゴール裏のヴェルディサポも素晴らしかった。
これでヴェルディは10戦負け無し。引き分けが多いけど、J1では29年振りの偉業だそうです。凄いね。
しかし、すぐに次の試合が始まります。次は水曜日、味スタで相手はガンバ大阪。またもや強敵ですが、今のヴェルディなら無様な負けはしないでしょう。選手達を信じて応援します。頑張れ、東京ヴェルディ!
さらばカシマサッカースタジアム。来年も来ます。
帰りのバス内は私以外、全員鹿島サポで暗い雰囲気に包まれてました。息苦しくなったけど、最高にハッピーな気分でした(笑)。
あとWEリーグは、浦和が優勝しました。強い。ベレーザも弱くはないけど、肝心な試合で勝てなかったのが響きました。来シーズンこそは!