第3回プリンセス駅伝感想②(パナソニック) | ☆TVの国からキラキラ☆

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10/22に開催された プリンセス駅伝2017 の感想のつづき(ホリユウカ情報多めですww)
 
 
 
2位: パナソニック (2:20:35)
 
十分に優勝が狙えると思いながらもまだ半信半疑なところもあったのだが、
思ってたよりも充実したレース内容で最後の最後まで優勝争いをし、見事に2位に食い込んだ。
 
まず1区の 森田香織 さんがしっかりと流れを作ってくれたのが大きい。
昨年の日本選手権1500m3位を皮切りに5000mでも世陸参加標準を切る等し、
一気に日本有数のスピードランナーに成長した香織さん。
今年はそこに安定感も加わり、この日も実に落ち着いたレース運び。
ラスト500mくらいからの森智香子さんのラストスパートにいち早く反応し、
唯一引き離されずに区間賞から2秒差の区間2位での襷渡しに成功した。
 
そして2区の高卒ルーキー 渡邊菜々美 さんが実にいい仕事をした。
記録会でも好時計をバンバン連発していたのでここでもそこそこの結果は見込んでいたが、
まさか昨年まで日本選手権5000mを4連覇していた尾西美咲さんを抜き去るような
走りまでは恐れ多くて思い描いてなかった。
1文字違いの渡辺直美さんとは真逆とお言える細く小さい身体ながら、
実に勇ましく強風の中を駆け抜けていく姿には時代の新しい風をも感じた。
見事区間賞の快走で、トップで3区へと襷をつないだ。
 
3区はついにエース区間を任されるまでに成長した 堀優花 さん。
私が愛して止まないかわいいかわいいポリさんだが、今年は本当に飛躍の年となった。
日本選手権の晴れ舞台に立ってくれただけでも嬉しかったのに、その大舞台で
10000m5位に入賞し31分台ランナーへの仲間入りを果たすという快挙。
世界選手権への出場こそ残念ながら逃したものの、アジア選手権の10000mで銀メダルを獲得した。
豊川高1年時には都大路で自分がラストで抜かれて2位という屈辱を味わい、
2年で全国優勝メンバーに名を連ねたもののそこからは故障で長い間暗黒のトンネルの中をさまよった。
思えば2年前のこのプリンセス駅伝で、私は初めて堀さんにお会いした。
期待された高卒ルーキーの年だが故障で練習することもままならず、失意の日々にあった彼女。
終始うつむいたまま笑顔もなく、黙々と先輩たちのサポートに奔走していた。
そんな彼女も昨年のプリンセス駅伝では2区を笑顔で駆け抜け区間2位の快走を見せた。
声を掛けると、「あざます!」と八重歯をニョキっとのぞかせ笑顔で返す彼女。
そうか。これが本当にホリユウカなのか。
その後はクイーンズでも区間2位、福岡クロカン2位等、すっかりトップランナーの仲間入り。
だが今度は、いつもラストでわずかに負けるという贅沢な悩みも抱えるようになった。
そして迎えた今回。
先頭で襷を受け取り軽快に飛び出したが、すぐに積水の松﨑璃子さんがピタリと着けてくる嫌な展開。
風除けにだけ利用されてラストでまたちょっとだけ抜かれるのでは?という嫌な予感もよぎったのだが、
そんな杞憂をよそに堀さんは松﨑さんを振り払うとみるみる差を広げていくではないか。
そうか。ホリユウカにはこんな引き出しもあったのか。
結果、トップをキープしただけでなく2位まで30秒の貯金を作って4区へとつないだ。
その結果がなんと、区間賞!
エース区間で頂点に立ったホリユウカがただただ誇らしく、
そんな彼女をずっと追いかけてきた自分までもが少し誇らしく思えてきた。
堀さんおめでとう!ありがとう!
 
4区の高卒ルーキー、川路芽生さんも、堂々としたいい走りだった。
織機のアン・カリンジさんに抜かれて先頭こそ譲ってしまったが、そこはみんな織り込み済み。
区間7位とはいえ日本人2位の立派な走りでチーム順位も2位を余裕で守った。
 
そして5区が森田twinsの妹、 森田詩織 さん。
抜群の安定感、安心感を有しパナの守り神のような存在となった詩織さん。
この日は先頭を行く織機の沼田さんを慌てずじっくりと追いかけ、
一旦はかなり離されたようにも見えたのだがしっかり自分のペースを刻み続け
終盤でついに沼田さんを捕らえると先頭をキープしたままアンカーへとつなぐ見事な走り。
ここ2年ほどは香織さんの快進撃と堀さんの台頭に対する焦燥感もあったと思うのだが、
今年はホクレンDCあたりから調子を上げしっかりとこの長い距離にも対応してきた。
詩織さんの安定感とこの柔軟性があるからこそ、香織さんも堀さんも安心して成績を伸ばした。
サッカーでいうとツートップを自在に操る司令塔のような詩織さんこそが、パナの強みだ。
 
アンカー6区は今季からチームのキャプテンに就任した 内藤早紀子 さん。
詩織さん同様の安定感で、過去2年のプリンセス駅伝でも4区で区間1ケタを続けてきた。
しかし今年大きく若返ったチームのキャプテンを任されながらも、
何か突き抜けたパフォーマンスを残せないまま停滞しつつある状況に危機感もあったのではないだろうか。
パナ恒例の長期にわたるアルバカーキの合宿で、かなり走り込んだのだろう。
この日の内藤さんは熟練されたボクサーのように精悍な顔つきになり、肝が据わっていた。
そこには若いチームを自分なりにまとめてきた自負と、直前の記録会で
超久々の5000m自己ベストを更新した自信とがあるように見えた。
織機の林田さんにピタリと着けられ、いつスパートかけられるか怯えながらも淡々と逃げた。
ラスト1kmほどで抜かれてあとはズルズル後退かとも思われたがここからも粘り、
最後の最後まで優勝の望みを潰えさせなかった。
最終的には、7秒差をつけられての2位でのゴール。
しかし区間新で駆けた相手にも負けず劣らず粘った走りの素晴らしさは、みんなわかってる。
 
過去2年のプリンセス駅伝は、外国人選手を擁するチームが早い段階で
セーフティーリードを築きそれなりの着差で完勝してきた。
今回は過去2年の女王チームよりも厚い戦力プラス外国人をも有した織機が相手だったのに、
日本人の若手メンバー(最年長の内藤さんでもまだ23歳)だけのパナがここまでやれた。
これは本当に価値のある2位なので、少しも恥じることなく胸を張って欲しい。
そしてクイーンズではさらなる飛躍を期待したい。