できるだけ簡潔に頑張ります![]()
(文中敬称略にて失礼します)
優勝 : ルートインホテルズ
異例の暑さの中、波乱の混戦を制したのはまさかのルートイン。
区間賞ゼロというのも異例だったが、全員がそつなく区間1ケタ順位でまとめた総合力の勝利といえる。
ましてやエース格の大西の欠場までありながら、本当にチーム一丸でよく頑張った。
学生時代にその名を轟かせたような選手がいるわけでもなく、
2区を走った市田、3区を走った堀尾は他チームから移籍してきたのだが
前に所属したチームで大エースだったわけでもない。
地道な育成で平均値を上げてきたこういうチームが優勝するというのは、
ある意味で実業団スポーツの理想形であるとも言える。
素晴らしい優勝だ。
そしてもう1つ。
4区を走ったパウリン・カムル選手は、実業団選手全体でただ一人
今回で12回目を迎えたプリンセス駅伝の12回すべてに出場している。
今回も年齢を感じさせぬ区間6位の力走。
彼女の偉業を何よりも褒め称えたい。
2位 : ダイハツ
3区終了の時点で2位に1分差以上つかていたのでもう完勝かと思われたが、
5区でルートインに逆転され6区に再度猛追したもののわずか7秒届かなかった。
しかしチームのツートップである2区の西出(区間賞)と3区の加世田(区間2位)は遺憾なく実力を発揮しており、
さらには今季一気に成長した村尾が1区で3位に好走したのはクイーンズに向けて好材料。
中学生のときから都道府県駅伝で優勝メンバーに名を連ねる等の活躍をしてきた村尾が
苦難の時期を経てまた輝いてきたのは感慨深いものがある。
3位 : 豊田自動織機
チームの2本柱ともいえる3区の逸見、5区の磯部がそれぞれ区間3位、区間2位に好走し、
優勝も見えそうな位置にまで持ってきたのは立派。
クイーンズでは田中希実もメンバーに加わる予定らしい。
何区を任せるのかも含めて楽しみしかない。
4位 : 岩谷産業
正直なところ岩谷は優勝候補筆頭だと思っていたのでちょっともの足りなさも感じたのだが、
5区のエース川村が絶好調でないながらも貫禄の区間賞だったのはさすが。
あと、2区を走ったルーキーの長谷川はそもそも中距離専門の選手なのだが、
中距離のトラックの走り方のまま区間2位の速さで押し切ったのは驚いた。
クイーンズでも4区の秘密兵器として機能するのではないだろうか。
5位 : パナソニック
序盤から予想どおりやや苦戦していたのだが、4区のジャネットからエンジンが点火されると
5区の中村も粘り強く順位を上げ、アンカーの大エース齋藤が圧巻の区間新での区間賞で締めた。
しかし最終順位だけ見ればうまくまとめたように思えるものの、チームとしての春先からの課題かと思われる
若手の突き上げが今回も見られないメンバー構成だったのは残念。
本来なら復調途上の渡邊やアジア大会疲れの齋藤が安心して予選会を休めるくらいに
若手が成長していないといけないチームだと思う。
6位 : ニトリ
昨年17位で涙を飲んだニトリだが、今年は倍返しどころではないハイパージャンプアップ!
序盤より先頭から1分差前後あたりをキープしつつ予選通過圏の16位からのリードは着実に広げ、
4区のジャネットは2位にまで順位を上げ予選通過どころか優勝さえ手に届く位置につけた。
5区、6区は予想より上の順位で襷が回ってきて焦りもあっただろうが、
きちんと自分の走りは見失わずいい仕事ができていたのではないだろうか。
クイーンズでも序盤から攻めたレースを展開してまた驚かせてほしい。
7位 : TOTO
今年は大型補強も敢行して背水の陣だったとは思うが、一度も予選通過圏外に落とすことなくレースを進め
アンカーのルーキー宮原が区間新(区間2位)の爆走で7位にまで順位を上げてフィニッシュした。
センコーから揃って移籍してきた3区の下田平(区間12位)、5区の竹山(区間9位)ともども
プレッシャーはあっただろうが両者とも期待どおりの活躍を見せてくれた。
クイーンズでもちょっと区間編成をイジればさらなる驚きの結果が期待できるかもしれない。
8位 : ノーリツ
すっかり戦力が整い、ほぼずっと1ケタ順位を譲ることなく危なげなく予選通過。
岩谷産業のように関西の大学に眠っていた素材をひたすら磨く方針が着実に実を結び、
ここ2年ほどでみるみる戦力のボトムアップに成功しているのは注目すべきところ。
清水が日本選手権出場レベルに成長したことで、他の選手たちの向上意欲も増したのだろう。
1区の福永、5区の小林がどちらも区間4位に好走しているのは本当に素晴らしい。
9位 : デンソー
ベテランと若手の融合がうまく進み、2年ぶりのクイーンズ切符をゲット。
2年前はまだ強化途上ながらも勢いでギリギリの予選通過だった印象だが、
今回は1区・松谷の区間賞に始まり、3区で少し怪しくなった流れも4区のニョカビが取り戻し、
5区のベテラン池内が盤石の走り(区間7位)で予選通過を確固たるものとした。
出戻りのベテラン松田をはじめクイーンズで隠し玉として登場しそうな選手もまだ控えており、
クイーンズで思わぬ上位に食い込みそうな可能性は感じる。
10位 : DaiichiLifeグループ
ともに高卒ルーキーの福山→河村で1区→2区をつなぐという思い切ったオーダーだったが、これが大成功。
2区終了時に3位に浮上する活躍で、チームにいい流れを持ち込んだ。
もうちょっと上の順位でゴールできていた印象もあるが、今季大エースに成長した中後を欠きながらこの結果は十分。
クイーンズでは赤の名門から生まれ変わった青の時代を強烈にアピールしてくれそうだ。
11位 : スターツ
3区の大エース伊澤が少し計算外だった印象(区間16位)だが、全体的には危なげなく余裕を持っての予選通過。
ユニクロから移籍加入の柳谷が久しぶりの駅伝でまずまずの結果を残したのは大きく、
この柳谷のさらなる上積みと伊澤の復調があればクイーンズ8にも手が届くかもしれない。
12位 : シスメックス
1区のベテラン石井が区間2位で好発進したことから考えると、少し課題の残る駅伝だったかもしれない。
しかし3区の中地が長距離砲としてすっかり安定してきたことで、今後の新プランも立てやすいだろう。
13位 : キヤノン
移籍2年目の大ベテラン𠮷川が3区で圧巻の区間賞(12人抜き)の走り!
ほぼそれだけで久しぶりのクイーンズ行きを決めたわけだが、緊急補強された5区の清田が
しっかりと自分の仕事をまっとうしてくれたことも大きい。
昨年も3区𠮷川の快走で一時は予選通過圏内に上がりながら最終的には20位と惨敗していただけに、
今回の清田の堅実な走り(区間10位)には本当に助けられた。
14位 : ユニバーサルエンターテインメント
3区のベテラン筒井(区間8位)、5区の北川(区間11位)の両輪がなんとか流れを崩さず運んでくれたのがすべて。
アンカーの吉田が最後フラフラになっていたのは焦ったが、なんとか無事にゴールしてくれて助かった。
15位 : 東京メトロ
大黒柱の3区・上杉が完全に暑さにやられた印象で区間23位に沈んだときは、もう完全に万事休したかと思われた。
しかしそこからの巻き返しが素晴らしく、5区の森田が襷をもらった時点では予選通過圏内から
1分以上あったビハインドをキッチリと逆転して16位に浮上。
そしてアンカー6区の伊東も区間4位の快走で順位を1つ上げてゴールした。
一瞬チーム名は「東洋メトロ」やったっけ??と思わせるくらいに東洋大OGの2人が大活躍。
16位 : 京セラ
1区の尾方が区間5位で好発進したものの、なんだか安心できないレース運びが続いた。
4区アグネスの区間新(区間賞)の爆走でなんとか盛り返し、あとは貯金をちょうど使い果たしたような薄氷のゴールだった。
やはり今季の新人がゼロでその後も補強がなかったことで、選手層の薄さが顕著に表れたように思う。
17位 : 日 立
1区のキャプテン鈴木樺連が区間26位と厳しいスタートで、早くも予選通過圏から1分以上のビハインド。
しかしそこからの懸命な追い上げは見事で、16位からタイムは開いたもののあと一歩の順位までよく上げたものだ。
昨年3区でブレーキになってしまった花野、今季大不振で引退寸前まで追い込まれていた鈴木千晴、
今季チームでいちばんレース数をこなし奮闘してきた矢内、みんなそれぞれの思いが胸に響くいい走りを見せてくれた。
ありきたりではあるが、来年にはつながるレースができたのは収穫だろう。
18位 : クラフティア
長距離砲のベテラン唐沢が欠場という時点で、かなり厳しい戦いになるだろうとは思われたが…。
しかし大黒柱の5区・逸木が一時的だったとはいえ予選通過に希望の見える位置に上がってくれたのはさすが。
とはいえ、本来ならチームの危機に救いの手を差し伸べてくれてもよさそうな人が社内に1人思い浮かぶのだけど…。
エントリーさえされてなかったから、駅伝に協力してあげる意思が最初から毛頭ないのだろう。仕方ない。
19位 : ワコール
名門復活に向けての意気込みは感じられたのだが、惜しくも数歩及ばず…。
個人的は若井の2区起用はちょっともったいないような気もしたが…。
20位 : ベアーズ
メンバーみんな相当走り込んだのだろうなとすぐわかるくらい引き締まった表情で、好感の持てるチーム。
3区の坂口でリードを奪い、あとは粘りに粘って・・・というレース運びは実行できていたようには思う。
長距離砲がもう一枚育てば一気に安定して強いチームになっていくだろう。
21位 : 十八親和銀行
正直今年はかなりチャンスだと思っていたが、今季覚醒の感のあった平岡の欠場が響いたか。
一度も予選通過圏内に浮上できないままの敗戦は意外だった。
22位 : センコー
二枚看板といってもいい下田平と竹山が揃ってTOTOに移籍し、その穴が埋まらなかった印象。
1区の不破が区間7位と奮闘していたので、もうちょっとなんとかなってほしかった。
しかし3区の丹羽がギリギリ予選通過圏内でつないでいたのは立派。
23位 : 愛知電機
2年ぶりの出場。大健闘だろう。
区間20位以内も1人もいないが、区間最下位レベルまで落ち込む選手も1人もいなかった。
平均的な強化は進んでいるのでこのまま頑張ってほしい。
24位 : コモディイイダ
記録だけ見れば勝負になっていないが、各々持てる力は出せていると思う。
長い距離の区間で区間中位くらいに粘れる確たる日本人エースが1人欲しい。
25位 : 愛媛銀行
昨年クイーンズに駒を進めたチームとしては負けすぎの印象もあるが、冷静に考えれば力どおりの印象もある。
個人的には、高卒ルーキーの松岡は前半の区間で見てみたかった気も・・・。
26位 : ダイソー
1区が完全に暑さにやられ、途中で歩きながらもなんとか襷だけはつないだ。
本当につなげただけが救いのレースとなってしまったが、本来は選手層も厚く力のあるチームのはず。
くじけず前を向いて立て直していってほしい。
27位 : 埼玉医科大学G
たまたま結果には結びつかなかったが、何か可能性を感じられるオーダーは組めたのではないだろうか。
5区の古賀が順位を上げて6区の小沢がその順位を守っただけでも大きな進歩。
28位 : 新日本住設G
昨年、一昨年とも4区の外国人を除けば全員区間最下位で一度も最下位から浮上できぬまま終わっていたのだが、
今年は外国人が抜けながらも4区まで最下位回避でレースを進められたのは立派。
移籍組や再起組を増やせる余裕があるならまだまだ上昇は可能だろう。
DNF(1区途中棄権) : 肥後銀行
まともにレースできていればルートインと同じようなレース展開で優勝できていたように思われるだけに、
いきなりの1区でのアクシデントが残念でならない。
ともかく、1区での途中棄権という衝撃的な経験が二度目となってしまった塚本のメンタルケアを手厚くお願いしたい。
DNF(5区途中棄権) : 鹿児島銀行
1区の前田が区間13位と好発進して、2区のルーキー手島もギリギリ予選通過圏の16位でつないだのは本当に大きな収穫。
なにしろ、チームとして予選通過圏内に浮上したこと自体が5年ぶりのことだった。
それだけに最後までつないで笑顔でゴールしてほしかったのだが・・・。
【 総 評 】
今回はとにもかくにも10月中旬にしては異例の暑さの中での消耗レースとなり、選手たちには本当に気の毒だった。
2チームが途中棄権となり、その他にもフラフラになりながらギリギリで襷をつないだようなシーンが多数見受けられた。
そんな過酷な状況の中、最後まで力を振り絞って戦い抜いた選手たちには心から敬意を表する。
なにしろ優勝タイムの2時間18分48秒は、前年の優勝タイムより3分近く遅れている。
前年の優勝タイムが空前絶後の大会記録だったとはいえ、実は前年の6位のチームの方が
今回の優勝タイムより速いタイムでゴールしているのだ。
3区で区間賞の𠮷川(キヤノン)は昨年も3区を走り区間2位だったが、その区間2位の走破タイムより
今回の区間賞タイムの方が33秒劣る。
一方、今回も襷をつなぎきったチームの中では最下位に終わった新日本住設Gが
前年の総合タイムより2秒縮めてくれたのはささやかな希望の光だったようにも思える。




