天使の卵 村山由佳 | ほんのうみ

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19歳の画家志望の予備校生、歩太と8歳年上の精神科医、春妃。二人は春もまだ浅いラッシュアワーの電車の中で、その"恋"に出会った。止まらない、もう誰にも止められない、この激しく貫く純愛。




村上龍の解説に「とても凡庸」とかいてありましたが、まさにありふれた平凡なはなし

村山由佳の小説感想文はこれでみっつめですが、どれも類似した読後感です


「ありふれた、ふつうのはなしだけど、古典的パターンでも嫌な気持ちにならない不思議なほん」


永遠。の感想でもふれましたが、気取ってないんですよね。

きどってかきそうな世界観なのに、まっすぐで、でも荒削りなわけでもなくきちんと構成バランスも良くて。

登場人物の会話も、ウソ臭くない程度に、まっすぐで、はっとさせられる言葉が多くて。


わたしが個人的にさらっとしたほんとか、綺麗な恋愛小説を好まないため声を大にして好きですといえませんが、そういうのがすきなひとや、少女時代に読んでみると良い作品だとおもいます


残念なのは、ふたりが結ばれる時から先がよめてしまい、ここまで見事に裏切られず終わるとあっけないなぁって
もうすこし、緻密な設定にできるところがあったんじゃないかなぁ

タイトルが凝りのない少女漫画みたいだし、そのわりに作品のなかで印象的な効果を発揮してないし

これがアクセサリーじゃなくて、もっと違うものだったらおもしろいかなぁとか



精神病より、犯罪者とか・・

事故より、裏切りとか・・・

ああ、この発想がピュアな恋愛小説向けじゃないわね!




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天使の卵といえば、イースターエッグ!

イースターエッグがだいすきなんです