昨夕,いわゆる "炊き出し" に多くの非正規雇用者が並んだとの報道があった。これまでで最多,とも表現していた。(NHK)
非正規が増えるのは解雇規制,働き方改革の賜物だ。換言するなら企業にとって,正規雇用をしない方向にインセンティヴがはたらくため,超使える人材とあまり役に立たない人材に二極化されているのだ。つまり中間がない。こんなことが起こり得ることは解雇規制強化の当時から多くの方が警鐘を鳴らしていたことだ。
皮肉なもので,解雇ができることが担保されていれば企業は雇用に対して積極的に乗り出す。そこに働き方改革という規制まで持ち込まれたのだから,ただでなくとも不都合な人材を抱えていた企業は生産性向上の望めない正規雇用人員を放逐することすらできなくなった。バカな制度だ。
単純に,正規雇用の椅子取りゲームだ。椅子が空くまで次を待たねばならない。いやもしかしたら,社会保険料上昇などを鑑みて椅子それ自体を減らすかもしれないね。市場経済に政府が介入するとこういう歪みが生じるものなのだ。
こうしてみると,日本は社会主義国家だ。海外からもそう見られることはしばしばある。
生産性なんてものを制度や規制で上昇させようとするから雇用調整が生じ,非正規が減らないわけだ。国策企業じゃあるまいし,最低賃金や労働時間まで管理され,解雇には採用側にペナルティを課すとなれば企業側は正規雇用拡大に二の足を踏むことぐらいわかりそうなものだが。
そもそも政治家が,昭和の高度成長期を眺めてきたシニア世代の集まりだ。その時代ズレした感覚で法制を整備しようというのであれば,現状との乖離が生じるのは当然で,いつまでも企業がカネを無尽に保有していると信じて労働や賃金を騙っているのだろうと思うとゾッとする。閣僚のお歴々は若見えしようともいずれお爺ちゃん,お婆ちゃんであってもおかしくない年代の方々だ。
そこにきて官僚主導の宏池会から首相とくれば,不況下の民間企業は夢も希望もない。近い将来,中堅どころが法規制によってバタバタと消えてゆくだろう。それくらい,いまのわが国には問題がある。
どうだろうか,衆参議員の立候補は50歳までと年齢制限を設けては。20代,30代の首相が国の舵取りをしても良いのではないだろうか。