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音型(おんけい)が彫る

私の名は、
雨垂れ石を穿つ音型

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勝手気ままなブログです

𢢫(たまつばき)— 心に咲く、舞台だけの椿

「𢢫」は「ことぶき」「たまつばき」とも読み、

歌舞伎や浄瑠璃のために生まれた舞台専用の字。

 

普段の生活ではまず出会わない、

文字そのものが劇の装置のような一字です。

 

字面に「椿」と「たま」が合わさった響きが既に美しく、

想像を掻き立てられます。

 

調べると「睦月連理𢢫」は、

遊郭の花魁と博打打ちの無理心中を描く筋。

  • 「睦月」=1月、寒の季節に咲く椿。
  • 「連理」=深く結ばれたふたり。
  • 「たまつばき」=命を賭した美しさ。

舞台の上でしか咲けない、

儚く強い花の物語です。

彫作中の覚書

補刀しているはずの箇所に印刀が入らず、

見えている線と違うところに刃が走る瞬間がありました。

 

心で描く物語と手先の動きがずれる感覚——たぶん刃が少し鈍っていたのだと思いますが、

そのズレ自体がこの字の持つ「劇のずれ」や「運命の狂い」を映しているようで、

逆にらしく感じられました。


・作品情報

生成AIさんにイメージを作ってもらいました。


・・・うん・・・( *´艸`)

 

 


 

 

 

「腺」— セン、すじ。体内で体液を分泌する器官を表す字です。

僕の解釈(ざっくり)

  • 汗腺: 人より多そう
  • 乳腺: あるけど使う予定なし
  • 甲状腺: どこにあるんだろう…
  • 扁桃腺: たまに腫れるやつ
  • 唾腺: 🤤
  • リンパ腺: 流れがいいと健康そう
  • 涙腺: 年を取ると蛇口になるらしい
  • 前立腺: 人より弱そう

体のあちこちで黙々と働く“腺”たちを想うと、なんだか愛おしい気持ちになります。日々の分泌活動、ありがとう。

制作メモ

  • 右側の字形を「泉」と見るか「白+水」と見るかで迷いました。
  • 由来を辿ると“泉”寄りに感じられたので、「いずみ方式」で彫刻。
  • 「腺=内なる泉」と捉えると、少しロマンがある表現になりました。


・作品情報

生成AIさんにイメージを作ってもらいました。


理科の模型とかで出てきそうです・・・( *´艸`)

 

 


 

 

 

「俤」は、

人偏に「弟」をあてた字。

 

読みは「おもかげ」。


なぜ弟なのかと考えると、

兄に似ているから――という見立てもあるでしょう。

 

けれど「妹」は「兄妹」と言う語にあっても、

字面からはどこか置いてけぼりにされているように感じられます。

 

僕はふと思いました。

 

もしかすると、

残されたやわらかな面影は、

妹の方にこそ宿っているのかもしれない、と。

 

彫っている最中、

昔の誰かの顔がふっと浮かびました。

 

印面のくぼみに目を落としていると、

あの頃の笑い声が聞こえてくるような気がしたのです。

 

ああ、これが「おもかげ」なのか――そんな実感が胸に広がりました。

 

試しに枠を深く彫ろうと印刀を立てると、

思ったほど深まるかわりに、

縁がゆっくりと広がっていきました。

 

人の記憶も、

たぶん同じなのだと思います。

 

深めようとすればするほど、

いつのまにか広がり、

別の景色を連れてくる。


・作品情報

生成AIさんイメージを作ってもらいました。


おもかげというかおもいでっぽいっすね・・・( *´艸`)

 

 


 

 

 

「畑」は「火」と「田」で成り立つ字。

 

焼畑などの営みから生まれた言葉と考えると、

古くからの土地との関わりが透けて見えます。

 

僕は以前、

借りた土地で畑をやっていました。

 

収穫を待つ喜びの直前、

隣の人に作物を全部引っこ抜かれてしまい、

そのショックで一度やめてしまったことがあります。

 

それでも畑を続けたいという気持ちは消えず、

いつかまた土に向き合いたいとずっと思っています。

 

今回の印面は角を少し丸めて、

畑の「やわらかさ」を枠に込めました。

 

大地の丸み、

命の丸み、

人と人のつながりの丸み——

そんなものが畑の中にある気がします。

 

露地栽培もプランターもそれぞれ良さがありますが、

やはり地球の土にはかなわない。

改めて、

地球ってすごいなと感じました。

ありがとう、

地球さん。

 

・作品情報

生成AIさんにイメージを作ってもらいました。


なんかいろいろ盛り込みすぎたのかな・・・( *´艸`)

 

 


 

 

 

歌舞伎の題にしか名を残していない字ですが、

確かな「布の気配」を感じさせる一字です。

 

糸が重なり風をはらみ、

汗を逃がす。

昔の人が「𥿠」と呼んだものの理(ことわり)は、

現代の登山服や作業着にも通じています。

 

着ることは、

肌と布のあいだに「間(ま)」をつくること。

そこを風が通り抜ける。

 

今回、

僕はその「通り抜ける風」を石の上に刻みたくて彫りました。

制作メモ

  • 意図: 糸偏を単なる部品扱いにせず、一本の線に「織り」の感触を宿らせるように刀を入れた。
  • 手触りの発見: 布はやわらかく見えて意外と強く、石もまた同じ。どちらも真っ直ぐ触れようとすると、すぐにこちらの呼吸や力加減を見抜くように反応する。

布の「間」を感じさせる彫りを目指して、

静かな風が抜けるような印面に仕上げました。


・作品情報

生成AIさんにイメージを作ってもらいました。


なんかちょっと中華風にみえますね。
生成AIさんには日本と中国って一緒に見えるのかしら・・・( *´艸`)

 

 


 

 

 

意味は「やさしい」。


「優しい」よりも、

言葉にそっと花を添えるような響きがあって、

個人的には「誮しい」のほうがしっくりきます。

 

彫りながら気づいたこととして、

この字は両義的な面を持つようです。

辞書を引くと「諠誮(けんか)」にも使われていて、

“やさしさ”と“にぎやかさ”が紙一重であることを示しているのかもしれません。

 

そのせいか、

石の上で枠に収めようとすると何となく抵抗されるような感覚がありました。

結局は彫り切ったけれど、ぎゅっと抑えつけた感じにはしたくなくて。

 

やはり「花」は花であるべきだと改めて思います。

華という大げささではなく、

花そのもの。

咲いて、

散って、

また咲く——

言葉も同じように、

軽やかに繰り返されてほしい。

 

今回の「誮」にはそんな循環するやさしさを込めて刻みました。


・作品情報

生成AIさんにイメージを作ってもらいました。


やさしさを表現できるなんて!なんて素敵なんだ・・・( *´艸`)

 

 


 

 

 

今回の一文字は「𩛰」。

読みは「あさる」。

食べ物を探し求める様子を表す字で、

食いしん坊の心にぴったりの一字です。

僕の解釈

  • 冷蔵庫を開ける → 𩛰る
  • 深夜にお菓子棚を探す → 𩛰る
  • 食べ放題で皿に盛りまくる → これも𩛰る

現代の生活にこそ合う字なのに、

もっと広まってほしいなと思います。

制作メモ

彫りながら

「この字はお腹が空いてるときに生まれたに違いない」

と感じました。

配置はやや縦長になりましたが、

冷蔵庫を開けたときの食材が積み上がったタワーのようにも見えます。

仕上がりを眺めると少し虫っぽさもありますが、

それもまた「食いしん坊」の愛嬌だと割り切っています。

 

🍙 これであなたの「𩛰る」日常が少し楽しくなりますように。


・作品情報

生成AIさんにイメージを作ってもらいました。


想像通りです・・・( *´艸`)

 

 


 

 

 

今回の一文字は「辻」。

十字路や交差点、

道端を表す字です。

僕の解釈

「辻」と聞いてまず思い浮かぶのは――やはり辻斬り。

物騒だけど歴史用語としては知られています。

次に「四辻」、

そして最後に思い出すのは……辻さん。

あの頃の辻さんは、

本当に綺麗だったなぁ。

制作メモ

最初は布字して彫ったものの、

見事に失敗。

印面をリセットして再チャレンジしました。

そこで「布字自体が合わないのでは?」と思い、

下書きなしで直接彫ってみたら、

意外と形になりました。

まだ完全に納得はしていませんが、

これも辻の巡り合わせということで落ち着かせています。


・作品情報

生成AIさんにイメージを作ってもらいました。


そうだよねぇ、いまはそうだよね・・・( *´艸`)

 

 


 

 

 

今回の一文字は「𨊂」。

忍者文字で「し」を表すらしい一字です。

前回彫った「み」の続きのような流れで制作しました。

僕の解釈

「み」と「し」は日常会話で頻出する音。

もし忍者がそれらを暗号にしてしまったら、

「しみ」や「みし」などの語が丸ごと秘密言語になってしまい、

普段の会話が半分くらい秘密結社の用語になりそうで想像するとおかしくなります🤣

制作メモ

彫りながら「これは原作(元ネタ)を読まないと分からない世界だな…」と感じました。

篆刻で表現するには元ネタの背景が深すぎるという矛盾もありますが、

今回は篆刻から入るスタイルで彫り切りました。


・作品情報

生成AIさんにイメージを作ってもらいました。


かっこいい・・・( *´艸`)

 

 


 

 

 

■ 言葉のエピソード


「魞(えり)」は本来、

魚を捕る仕掛けを指す国字です。

でも僕にとっては、

中学時代に好きだった「えりさん」の字。

説明はそれだけで十分です。

 

■ 僕の解釈


魚が仕掛けにすっと入るように、

僕の心も自然と「えり」に吸い寄せられていきました。

告白なんてとてもできず、

授業中にノートの端に「魞」と書いては

ひとりでニヤニヤしていた記憶だけが残っています。

琵琶湖の定置網漁の規模を知ったときには、

当時の気持ちの大きさを改めて実感しました。

 

■ 制作時のこと


魚偏の形がどこか鳥っぽく見えて、

「もしフラれたら鳥みたいに飛んで逃げたい」とか、

くだらない想像をしていました。

そんな淡い恥ずかしい感情をそのまま石に刻んだのがこの「魞」です。
当時の自分に見せたら

「やめろ、黒歴史を刻印するな」

と叱られそうですが、

それも含めて良い思い出です。


・作品情報

生成AIさんにイメージを作ってもらいました。


その漁おもろすぎる・・・( *´艸`)