對意二字熟語百顆印の六十二顆目は「長短」です。
## 長短の意味
長いことと短いこと。また、長さ。
長所と短所。
「長短倂せ持つ」
餘ることと足りないこと。
「長短相補う」
「長短」という言葉は、物理的な長さだけでなく、長所と短所、餘剩と不足など、様々な對比を表します。完璧なものなどなく、すべてのものが長短を倂せ持っている。そう考えると、少し氣が樂になりますね。
## 制作について
今回も朱白文で彫りました。
・字體:小篆風
・朱白文:長は白文、短は朱文
・サイズ:10mm角
・擊邊:ちょっとだけ入れました
・印刀:刀匠印刀三號
・印材:靑田石
・印影:
今回の制作は、正直なところ、思い通りにはいきませんでした。
線が安定せず、ガタガタとした印象の朱文になってしまいました。理想としていた滑らかな曲線には程遠い仕上がりです。
思い通りにいかない時もあります。でも、それが今の自分の實力。受け入れて、次に進みます。
完璧を求めすぎず、今できることを精一盃やる。それが大切なのだと思います。
この受け入れ方。これもまた「長短」の一つの姿かもしれません。
自分の短所を認める。でも、それに囚われすぎない。今の自分にできることを精一盃やる。そして、次へ進む。
百顆印プロジェクトを續けているからこそ、一つ一つの作品の出來不出來に一喜一憂せず、長い目で見ることができるのかもしれません。
## 帶に短し襷に長し
帶に短し襷に長し、とはよく言ったもので、中途半端なんでしょうね。長さが。
この慣用句、よく耳にしますが、實際の長さを知っている人は少ないのではないでしょうか。
帶は約4メートル、襷の長さは約2メートル。3メートルぐらいの長さの紐って感じですかね。
帶として使うには短すぎる。襷として使うには長すぎる。ちょうど3メートルぐらいの紐は、どちらの用途にも中途半端。
でも、實際に體驗したことがないと、この「中途半端さ」がピンと來ません。
いま帶を使う衣類を持ってないので、長さの閒隔が確認してみないとわからないですよね。襷も然り。使う機會が無い。
現代の日常生活では、着物を着る機會はほとんどありません。襷をかける機會も稀です。
つまり、「帶に短し襷に長し」という言葉は知っていても、その實感は失われているのです。
使ってみたい場合は、着物を着るしか無いのでしょうね。
言葉の意味を本當に理解するためには、體驗が必要なのかもしれません。
こういう偶然の接點が、新しい體驗につながるかもしれません。母親が着物のリメイク敎室に通っているので、着物についていろいろ聞けるかもしれない。帶の長さも、實際に測ってみれば實感できる。
## 箸にも棒にも引っかからない
箸にも棒にも引っかからないも長さ關係かなと思ったけど、ちょっと違うっぽい。
「箸にも棒にも引っかからない」という慣用句。これも長短に關係しているのかと思いきや、少し違うようです。
小さい物も大きい物も扱い辛いという意味らしい。
箸のように小さな道具でも、棒のように大きな道具でも、どちらでも扱えない。つまり、全く役に立たないという意味です。
長さの問題というより、有用性の問題ですね。
箸はまだまだ使うことになるだろうけど、そのうち箸を使うための講座とかできそうです。
今後、箸の使い方を知らない世代が出てくるかもしれません。フォークとスプーンが主流になれば、箸は特殊技能になる可能性もあります。
「箸の持ち方講座」「正しい箸の使い方レッスン」なんて、いずれ當たり前になるのかもしれませんね。
棒という道具。登山用のストック(トレッキングポール)ぐらいしか思い浮かびません。でも、それは杖と同じようなもの。
長さに關する慣用句を調べていると、意外と身近な道具の長さに對する感覺が失われていることに氣づきます。
そして、どうも「長短」に關する慣用句は、否定的な意味のものが多い氣がします。「帶に短し襷に長し」も「箸にも棒にも引っかからない」も、あまり良い意味ではありません。
現代生活では、着物の帶も襷も使わない。箸の使い方も怪しくなってきている。棒なんて日常で使うことはほとんどない。
でも、言葉だけは殘っている。そのギャップが面白いですね。
言葉は文化の化石です。かつての生活樣式を、言葉の中に留めている。
「帶に短し襷に長し」という言葉を使う時、私たちは無意識のうちに、着物を日常的に着ていた時代の感覺を引き繼いでいるのです。
## 長短倂せ持つ
「長短倂せ持つ」
すべてのものには、長所もあれば短所もある。完璧なものなど存在しない。
今回の作品も、思い通りにはいきませんでした。朱文がガタガタになってしまった。これは明らかな短所です。
でも、白文の方はそれなりに彫れた氣がします。そして、何より、一つ作品を完成させることができました。これは長所です。
人も同じです。誰にでも長所と短所があります。完璧な人間などいません。
大事なのは、短所を無くそうと必死になることではなく、長所を活かしながら、短所とも上手く付き合っていくことなのかもしれません。
## 長短相補う
「長短相補う」
互いの長所と短所を補い合う。これは、人閒關係の理想形ですね。
一人では完璧になれなくても、複數の人が集まれば、互いの短所を補い合える。
百顆印プロジェクトも、ある意味で「長短相補う」の連續です。
今回うまくいかなかった朱文も、次回はもっとうまく彫れるかもしれない。今回うまくいった白文の技術を、次の作品に活かせるかもしれない。
一つ一つの作品が、互いに補い合いながら、全體として成長していく。
## 進捗狀況
對意二字熟語百顆印プロジェクト
現在 62/100 進行中
62顆完成。殘り38顆です。
思い通りにいかない作品もあります。でも、それも含めて、プロジェクトの一部です。
完璧な作品ばかりを並べることが目的ではなく、100顆を彫り切ることが目的です。
一つ一つの作品には長短があります。でも、100顆全體で見れば、互いに補い合って、一つの大きな作品になる。
そう信じて、次の作品へと進みます。
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今回の作品、いかがでしたでしょうか。
次回もお樂しみに。


