こんにちは
イヌイ薬局の乾マリコです。
先日、ルティナスの処方箋を受付したので
おさらいしたいと思います。
はじめに:ルティナスとは?
体外受精(IVF)や顕微授精(ICSI)などの不妊治療に
取り組んでいる方なら、
「ルティナス」という薬の名前を耳にしたことがあるかもしれません。
ルティナスは、黄体ホルモン(プロゲステロン)を補充するために
使用される膣用坐薬です。
移植後の着床をサポートし、妊娠を維持するために
とても大切な役割を果たします。
なぜ黄体ホルモンの補充が必要なの?
自然妊娠では、排卵後に黄体がプロゲステロンを分泌し、
子宮内膜を着床しやすい状態に保ちます。
しかし、体外受精では排卵誘発や採卵の影響で
体内のホルモンバランスが崩れやすく、
黄体ホルモンが十分に分泌されないことがあります。
そこで、外から補充する必要があるのです。
ルティナスの特徴
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剤形:膣坐薬(1日2~3回使用)
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成分:プロゲステロン100mg
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使用期間:胚移植の前後から、妊娠判定まで
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妊娠継続となった場合は10週前後まで継続使用することもあります。
使用方法とコツ
ルティナスは膣の中に挿入する薬剤です。
体温で溶けてホルモンが吸収されます。
以下のような使い方が一般的です。
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1日2~3回、等間隔に挿入
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使いやすくするためにアプリケーターを使用
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トイレの後や入浴後、清潔な手で扱う
▶ コツ:薬が溶け出して下着を汚すこともあるため、
おりものシートを使用すると安心です。
時々、オリモノシートが不十分な場合は
生理用ナプキンで・・
副作用はある?
多くの人が問題なく使用していますが、
以下のような副作用が出ることもあります。
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おりものの増加
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膣のかゆみ・違和感
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軽い下腹部痛や張り
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眠気やむくみ(全身性の副作用は比較的少ない)
※強い不快感や異常を感じた場合は、医師に相談しましょう。
ルティナスは妊娠を「支える」薬
ルティナスは妊娠の成立を直接的に「起こす」薬ではなく、
着床を支えて妊娠を維持するサポートをする薬です。
だからこそ、決められたスケジュールで
しっかり使うことがとても大切です。
さいごに:治療の一つひとつに意味がある
不妊治療中は、注射や内服、膣坐薬など多くの薬が処方され、
心も体も負担が大きいですよね。
でも、それぞれの薬にはしっかりとした意味があります。
ルティナスも、未来の命を守るための大切な一歩。
疑問や不安があれば、主治医に相談しながら前向きに
進んでいきましょう。
