こころの病と栄養 | 精神科医:みえしん院長

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おはようございます(こんにちは)。三重心身クリニックの臼井卓士ですニコニコ
三重心身クリニックではこころの病やメンタルヘルス不調に対し、お薬の処方をしたり、カウンセリングでの治療も行っていますが、分子
整合栄養医学という学問に基づいた、栄養素による治療も行っております。
こころの問題は=脳の問題と言えます。脳が活発に動けるような栄養状態ですと、メンタルヘルス不調は起こりにくいですし、万一なって
も回復が早いです。分子整合栄養医学による治療では、栄養素を整え脳の機能に関係する脳内神経伝達物質を整えることを目指しています
仕事に打ち込み社会に貢献する、人との会話にときめく、美しい夜空を美しいと感じる、ぐっすり眠れる、朝の目覚めがすっきりしている
・・・これらは脳が安定して働いているときに得られるものです。脳がエネルギーを作ったり、神経信号を作るためには、必要な栄養素を十分供給することが重要なのです。よく「気持ちの持ちよう」「精神力」などと片づけられますが、「気持ちの持ちよう」も結局は脳の電気化学活動の結果であり、それを作り出すのは栄養素なのです。
私が分子整合栄養医学の実践を御指導いただいたのは新宿溝口クリニックの溝口徹先生です。溝口先生は研修会で、彼が分子整合栄養医学
のパイオニアであるカナダのエイブラム・ホッファー博士の診察を見学した時のエピソードを語ってくれました。ホッファー博士は、すべての患者さんに「あなたは、今まで何を食べてきましたか?」と質問するそうです。そして溝口先生は、
「脳の活動に栄養がこれほど大切なのに、日本の心療内科や精神科で栄養のことを気に留める医師が少ないのは悲しいことです・・・」
とおっしゃっていました。このブログをお読みの読者の中にも、心療内科にかかっている方がいらっしゃるでしょう。また他の健康上の問題で内科や婦
人科などで治療を受けられておられる方もいらっしゃるでしょう。日本の医療機関では栄養のことについての認識はまだまだ十分ではないのが現状でしょう。
でも実はもっと厄介な問題もあります。それは栄養に関する誤った・偏った情報の氾濫です。「お肉=悪」、「ご飯がヘルシー」、「野菜
だけダイエット」、「朝バナナ」、「GABA入りのチョコレートでリラックス」・・・・一番驚いたのは「砂糖で脳のエネルギー補給」・・・健康に関する領域は特に困っている方にとっては切実な場合も多く、みなさま「藁をもすがる思い」で情報を収集されています。お気持ちはわかるのですが、健康に関することは大切なことです。今こそ正しい情報を選択するための知識が必要です。
これまでのブログにも書いてきましたが、実は脳は想像以上に栄養素を消費します。ストレスが多いとなおさらです。その上、間違った知
識による食事やダイエットなどにより脳に十分栄養素が供給されないと、脳の機能に変調をきたすことがあります。
長くなるので今日はこのあたりで失礼いたします。
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