ナイアシン | 精神科医:みえしん院長

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土曜日は診察の後、三重県こころの健康センター時代の懐かしい方々と再会する機会を持ちました。地域住民の方々のために日々奮闘されている方たちです。今は私とは役割は違いますが、いろいろお話しながら懐かしさとともに元気もいただきました。
昨日は、琵琶湖に行ったついでに滋賀県の古墳を見に行きました。下の久保田山古墳は滋賀県でも最大級の円墳です。


臼井卓士のブログ

隣の天乞山古墳から見たのが下の写真です。


臼井卓士のブログ

さて分子整合栄養医学のテーマに入ります。

当院の分子整合栄養医学外来では、脳をはじめとする身体の栄養状態を精密な血液検査により評価し、不足している栄養素を評価し、それを補給することで精神疾患をはじめとする疾患を改善していく事を目的にしています。


今回はナイアシン(かつてはビタミンB3と呼ばれていました)についてです。ナイアシンは分子整合栄養医学の創始者のエイブラム・ホッファー博士(残念ながら今年亡くなられました)がよく用い、精神疾患の治療に確かな成果を上げたことを多数の論文にも報告されている栄養素です。当院も精神疾患の患者様がよくいらっしゃるので、処方することの多い栄養素です。
ナイアシンに関しては重要なのでこれまでも何度も触れてきました。ナイアシンは、ニコチン酸とニコチン酸アミドの総称であり、いずれもビタミンB群に分類されます。ナイアシンは、体内で種々の酵素反応の補酵素として働きます。アデニリル化などを介して、補酵素であるニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)を生成し、リン酸化されたものがニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(NADP+)です。
さて、当院ではナイアシンを処方する方が多いです。それは精神を安定させたり、睡眠に重要なセロトニンやメラトニンという神経伝達物質の生成にナイアシンが欠かせないからです。またナイアシンなどは脂質異常の是正にも有効です。

さて、何度も書いていますが、当院ではビタミンB群を複合体として処方することが多いですが、それはビタミンB群は協働して作用するからです。分子整合栄養医学外来で、ビタミンB6不足を指摘された方が多いと思いますが、複合体を処方しているのはそういう理由からです(黄色いカプセルの「NB comp」)。ビタミンB群は複合体として働くのでB6だけでは十分ではありません。うつのような精神症状があったり、脂質異常症などがあるとナイアシンは必須ですし、状態に応じて葉酸やビタミンB12などが重要になることもあります。