ハイフェッツ賛!というブログになりそうです。
ユーチューブで彼の独奏によるブルッフの協奏曲(1番)を見つけました。
感動しました。
バックはサージェント卿指揮のロンドン新交響楽団(1962年)。
第一楽章のテンポは少し速め?とも聞こえましたが、フレージングはロマチックでむしろ嫋(たお)やかです。
超絶技巧できこえたハイフェッツですが、緩徐的な部分ではたっぷりの歌いっぷりです。
音色はあの硬質な光沢そのままに、繊細な本当に繊細な表情を見せるのです。
第3楽章は彼の真骨頂ですが、フレージングはきっぱりとした切れ味。
バックのオケも同じ感性を共有しています。
ハイフェッツといえば、この曲。
「ツィゴイネルワイゼン」
幾多の演奏中で聞き分けることができるくらいに親しんだ逸品。
当初聴いたときは違和感ありの演奏だった、メンデルスゾーンの協奏曲。
大学時代のある先輩はむしろこの演奏がスタンダードで、オイストラフあたりを聴かせると「なるっくて我慢できない」などとのたまっていました。音楽と哲学と倫理(道徳?美学?)が混然となっていた方でしたのでなんとも論評しかねましたが、まあ感性の違いは如何ともしがたいので黙っていました。今では、私もこの演奏を良さを味わうことができます。(件の先輩は冒頭しか聴いていないのですが、それで決めつける人でした。)
私がハイフェッツの「ロマンティカー」ぶりを見直した(聴き直した)のは、実はバッハでした。
この動画はまさに得難い宝石です。
彼の魅力は、テクニックでも音色でもありません。
それは、(強弱も含めた)フレージングです。
ドラマティカーであると同時にロマンティカーであり、アーティストであると同時にアルティザンでもある。
ハイフェッツは私にとってひとつの理想型です。もちろん、絶対型ではありません。もう一方で、オイストラフという理想型があります。しかし、彼は圧倒的な力で迫ってきます。
当分、聞き続けることになるかなあ。
