年明けから体調を崩し、あげくに入院という体たらくでブログを見ることさえできないでいましたが、退院してようやく気力も戻ってきました。
昨年のことで旧聞に属しますが、上野の西洋美術館で「キュビズム革命」展をみました。
いまさら展覧会について書くのも何ですが、簡単な感想をつぶやきます。
ブラックの「ヴァイオリンのある静物」
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キュビスムといえば、ピカソが最初のように言われることが多いです。
しかし、実はブラックの描いた風景についた批評家のキューブ(立方体)という表現から来た呼び名です。
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カーン・ヴァイラーの批評を書き写してみました。
Chez Kahn Weiler, 28, rue Vignon. ---
M. Braque est un jeune homme fort audacieux. L’exemple déroutant de Picasso et de Derain l’a enhardi. Peut-être aussi le style de Cézanne et les ressouvenirs de l’art statique des Ezyptiens l’obsèdent-ils outre mesure. Il construit des bonshommes métalliques et déformés et qui sont d’une simplification terribles. Il méprise la forme, réduit tout, sites et figures et maisons, á des schémas géométrique á des cubes. Ne le raillons point, puisqu’il est de bonne foi. Et attendons.
・・・彼(ブラック)はピカソとドランを手本にして、セザンヌとエジプト美術の記憶から、敷地も人物も家もすべてを幾何学的な図や立方体に還元する。・・・
とりあえずポイントはこうかな。
フランス語は、私まったくダメなんです。
ブラックは風景をキューブで描きました。
キュビスム絵画には所謂「静物画」も多いです。
静物画(Still Life)は古来、花や果物や狩りの獲物といった「生きている(生きていた)」ものが主題でした。
命は儚いといった気分なのでしょう。
しかし、キュビストの「静物画」(と呼んでいいのかどうか)は無機物が多いようです。
テーブルとか瓶とか。
そのなかで楽器もけっこう描かれています。
楽器って古来、機能美の代表でした。
キュビストが好んだのもわかる気がします。