忘れてました。
行かなきゃ!
というわけで、やってきました。
六本木のサントリー美術館。
今回の「目玉」は、海北友雪の『徒然草絵巻』(全20巻)。
サントリー美術館に新しく所蔵品として加えられました。
今回はそのお披露目という感じです。
三大古典随筆と呼ばれる『枕草子』、『方丈記』、『徒然草』ですが、『枕草子』はどうも清少納言の自慢話が鼻について好きになれませんでした。『方丈記』は文体は見事で当時の大災害(天災・人災)のレポートとしても素晴らしいですが、分量が短い(六章37段)です。『徒然草』の方が、やはり読みごたえがありますね。
吉田(卜部)兼好さん(1283?~1352?)は、神官の卜部(うらべ)氏の出身。「吉田」という呼び名は、京都の吉田神社にちなむものだそです。生前、また死後も、二条為世門下の「歌人」として知られた存在だったのですが、『徒然草』の認知度は低かったようです。会場にあった解説によれば、連歌家の間で少々読まれてはいましたが、広く読まれるようになるのは江戸時代くらいからだそうです。もちろん識字率の低い時代ですから、身分の高い人たちが中心なのですが、写本や一部印刷の冊子だけでなく、豪華な絵巻、絵付本(奈良本)、画帖なども作られるようになりました。
展示は、『徒然草』の書誌・写本から始まります。
室町期の正徹の写本など最古のものも紹介されています。
「注釈書」の類も展示されていました。
初めて見ましたが、兼好の「家集」も。
でも、やはり中心は「徒然絵」と呼ばれる段ごとのエピソードに付与された美しい絵です。
兼好法師って、こんな人?
画家のイメージでは、そうなんでしょう。

こんなのも。

『徒然草』の現在最も普及している版は、章や段に数字をつけて並べたものです。
序段と243段、長短合わせて244の部分に分かれています。
友雪の絵巻は絵も文字も美しいです。
下は、序段の文章とその「徒然絵」

私が昔読んで気に入ったのが「第117段」
この絵では内容が分かりにくいですね。
「友とするにわろきもの、七つあり。・・・」
身分が高いとか、うそつきとか、欲が深いとか・・・
もっと面白いのは「よき友、三つ、あり。」ってところです。
「一つには、物呉るる友。二つには、医師(くすし)。三つには、知恵ある友。」
なんて合理的なんでしょうか。
↓
「第166段」
「人間の営み合へる業を見るに、春の日に雪仏を作りて、その為に金銀・珠玉の飾りを営み、堂を建てんとするに似たり。」
お堂ができるころには、雪の仏は解けてしまいます。人の命も次第に「溶けて」なくなっていくのに、人はあくせくしています。
↓

最終段(第243段)は兼好法師の幼いころのエピソードです。
父親から「仏は仏の教えによって人がなったものだ」と聞いた八歳の幼い兼好さんはさらに訊きました。
「最初の仏を教えた仏はどこから来たの?」
「うーん、天から降ったか、地から湧いたか・・・」
↓

「法師」であるはずの兼好ですが、その独特の<距離感>が面白いです。
世間からはもちろん、仏そのものからも距離を置いた醒めた感覚を持っていたのでは?
会場で原本を買ってしまいました。
漫画版は以前から読んでました。
けっこう忠実ですよ。


下は私の好きな「琥珀セット」(800円)

われ徒然なれども・・・
雨にあたふたするようでは、悟りからは無限に遠いですね。
でも、兼好さんだって、本当は結構「生臭かった」のでは?
人間関係の知恵とか。
- 徒然草 (ちくま学芸文庫)/筑摩書房

- ¥1,620
- Amazon.co.jp
- 徒然草 (まんがで読破)/イースト・プレス

- ¥596
- Amazon.co.jp
- 徒然草 (新明解古典シリーズ (10))/三省堂

- ¥810
- Amazon.co.jp




