読み歩き、食べ歩き、一人歩き(200) 根津美術館の「かきつはた」 | DrOgriのブログ

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南青山にある根津美術館でKORIN展を見ました。尾形光琳(1658~1716)の企画展です。


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今日が最終日なので、チケットを買ってから館内で30分弱列びました。展示品は25点と少なめでした。結局、列んだ時間半分位で見終わってしまいました。ただ、通常の展示も面白いですし、庭園も良かったです。

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光琳は、言わずと知れた江戸初期の巨匠です。
現代から見れば色数も少なく、造形は様式化されています。
しかし、花草図はたいへん繊細ですし、風景は頗る雄大です。
蒔絵や掛け軸も展示してあり、光琳のデザイナーとしての力量も見ることができます。

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今回の「目玉」は、ニューヨークのメトロポリタン美術館所蔵の光琳作屏風絵『八橋(やつはし)図』です。根津美術館所蔵の『燕子花(かきつばた)図』と密接な関係があるそうで、この2つを並べて展示することが今回の主な目的のようです。

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『燕子花図』(国宝)は、六曲ー双(6面の屏風が2つ)の屏風絵で、『伊勢物語』の「ハ橋」をテーマにしたものです。
在原業平は、「かきつはた」を句の頭に置いた歌で、見事に切ない旅情を詠みました。

からころも きつつなれにし つましあれば
はるばるきぬる たびをしぞおもふ

燕子花の図とは別に、少し間をおいて八橋の図も光琳は描いていたそうで、それが今回の『八橋図』(同じく六曲ー双)です。
2つは同じ題材に寄せて描かれた一組なのです。

花の形は細かく掻き込まれ、花弁などの構造がはっきりとわかります。
その反面、ハ橋の表現は墨で大まかに描かれているだけですが、右上から左下へと画面をほぼ二分するダイナミックな構図が強い印象を与えます。

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もう一つ興味深かったのは、酒井抱一の『光琳百図』のモノクロ版画と、それに対応する光琳の絵画とが並べて展示されていることです。
酒井自身の筆になる模写(?)もありました。

根津美術館は、表参道駅から多少距離がありますが、10分以内には着くでしょう。外壁とエントランスは竹林を模していて、一見して料亭風の落ち着いた空気を感じさせます。

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庭園のあちこちには中国儒家と仏教に所縁のある石像があり、木々などには敢えて手を加えず、庵も枯れた味わいに佇んでいます。



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燕子花も池に咲いていました。盛りとはいえませんが、光琳の絵を思うのには十分な本数が咲いていました。

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決して大きな施設ではありませんが、旧き日本の知的世界がそこにあります。
私の好きな美術館のひとつです。

根津美術館HP




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