悲劇のオペラは、やたら女性を死なせます。
病死では、『ラ・ボエーム』(プッチーニ)のミミと『椿姫』(ヴェルディ)のヴィオレッタが双璧でしょう。
しかも、純愛のうちに死んでいくのです。
貧しいお針子のミミは恋人の詩人ロドルフォのもとに帰ってきますが、すぐに病死してしまいます。
恋人アルフレートの父親から懇願されて身を引いたヴィオレッタも、死の床で恋人に再会します。
マリア・カラスは、悲劇のヒロンを数多く歌っています。
「私の名はミミ」
数ある女性アリアのなかで一番好きなひとつです。
「ああ、そはかの人か。花から花へ」
マリア・カラス(1923-1977)は、ニューヨークで生まれたギリシア系移民の子です。
ギリシアで学び、デビューしました。
ドイツ語のオペラはほとんど歌わず、イタリアオペラのレパートリーで一世を風靡しました。
彼女の名声は、美声よりもむしろ演技力の賜物でした。
ギリシアの海運王との交際や容姿の美しさを維持するための驚異的なダイエットも話題になりました。
しかし、無理がたたったのか声の衰えは早く、1974年の日本への演奏旅行を最後に公演生活から引退します。
53歳で死去し、遺骨は故郷のエーゲ海に帰りました。
ところで、オペラ歌手って、演技力もかなり必要ですね。
病死するヒロインなどでは、弱々しい感じを出しながらも美声を聞かせなければならないのですから。
子どものころ、よく思ったものです。
あの女の人は肺病で死ぬはずなのに、なんて太ってるんだろう。
失礼な話ですね。
何ぶん、子どもだったもので。
カラスが無理なダイエットに走ったのも、もしかしたらそうしたことを気にしたのかも。
オペラでも、リアリティは大切です。
『蝶々夫人』、「ある晴れた日に」
映像は違う映画からですけど、恐ろしいくらいぴったり合ってます。
歌声はカラスです。
歌手も、容姿は大切なんですね。
学者・教師でよかったのかも・・・。
でも、この頃の世間では、どうかな・・・。
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