返還前とはいえ、中国語圏に行くのは初めてでした。
楽しみにしていたことのひとつは、中国の民族楽器に触れることでした。
九龍半島のネイザン・ロードから外れ、観光客はめったに来ないであろう奥に「トム・リー・ピアノ」はありました。1階のTraditional Instrumentのコーナーに目当ての楽器はありました。
それは、「二胡」(er hu)です。胡弓とも呼ばれていますが、中国の伝統楽器のそれは2本しか弦がありません。DとAの弦のうち、Aの弦を弓の木と毛ではさんだ形でスタンバイします。

最も素朴な擦弦楽器です。ヴァイオリンより5度音域が低いのかな?
May I try it?
Yes, please.
...How?
などというやりとりがあって、実際に弾いてみました。コントラバスのジャーマンボウのように弓を持つのですが、手首の返しが難しい。いや、何より、左手が難しい! 「指板」がない! 竿と箱の間に弦が張ってあるだけ。押さえすぎると音高が変わってしまう。
二胡(胡弓)の伝統曲は美しい曲が多いですね。
『草原情歌』一番初めに聴いた曲で、今でも一番好きな曲です。
素朴だけど、深い味わいの『二泉映月』。
中国の「クラシック」の名曲『梁山伯与祝英台』(The Butterfly Lovers)
ヴァイオリン協奏曲です。
このヴァイオリン協奏曲は、ある悲恋物語が背景にあります。
両家の娘チュク・イントイ(祝英台)と苦学生リャオ・サンパク(梁山伯)のかなわぬ恋。
ついには二人は蝶に姿を変え、永遠の愛の世界へと去ってしまいます。
胡弓のテイストを生かした美しい曲です。
ポルタメントをどのくらい聴かせるかがこの曲のポイントかな。
結局、二胡はろくに弾けるようにもならず、押入れの奥で眠ったままになっています。
旅が終わる前日、マカオでチェルネンコ氏が亡くなったという記事を読みました。赤い字で印刷された漢字だらけの新聞でしたが、十分に内容はわかりました。葬儀委員長はゴルバチョフ氏。
その頃はさすがにソ連が崩壊するなどとは思いもよりませんでしたが、何か大きな変化がありそうな兆しは伺われました。
懐かしい思い出です。
陳鋼/何占豪:ヴァイオリン協奏曲「梁山伯と祝英台」 (西崎崇子/上海音楽院)/西崎崇子

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二胡の画像(ウィキペディアより)
