草食系の私も、たまには肉食系になりたいな。
このごろ、鷗外の『舞姫』も、こんな表紙で売ってます。
高校時代、教科書で読んだ『舞姫』。当時の私にはショッキングな内容でした。エリスに同情し、オータに怒りました。後で読み直したときには、悲恋の部分よりは当時の国家エリートの醜さが印象に残りました。
人間関係のあるところには組織が生じます。組織のあるところには必ず政治や権力があります。それは当然ですが、権力や政治はいくつかに分化するものです。
たとえば、派閥政治と宮廷政治とは少々違うようです。前者は上半身の政治、後者は下半身の政治です。権力を維持したいとか権力に近づきたいとか思う人は、様々な手段を探ります。操りやすい人を自分の周りに集めるのが最もわかりやすい手段でしょう。
結婚によって人を操るのが、宮廷政治です。マリア・テレジアなどはその名手でした。「汝らは戦争せよ、我らは結婚する」。マリー・アントワネットとルイ16世との結婚が好例です。戦争よりは確かにましですね。
親族関係だけでなく、日本の場合は「仲人」などという慣習があります。結婚や親族関係を操ることは、現代でも権力への接近手段として有力です。
でも私は、こうした意味での宮廷政治が大嫌いでした。平和は平和でしょうが、陰湿です。そこでは「善意」と「計算」との見分けがつきにくいのです。
企業、役所、大学、宗教団体に至るまで、あらゆるところにこうした宮廷政治は存在します。コネ採用、実績なき出世、理由不明の登用と抜擢。『銀河英雄伝説』の天才ラインハルトも、姉と皇帝との関係がなければ初めのチャンスは得られなかったでしょうね。だれかを贔屓すれば、だれかがはじかれるのです。
もちろん、貴族や大学教授ではない庶民の間でも、結婚は「綺麗事」ではないでしょう。愛だけでは語れないものが複雑に存在するでしょう。私のような過度のRomantismusは愚かでガキっぽいように映るでしょうね。
でも、私は、これからも「孤独な夢想家」"ein einsamer Romantiker"であり続けるでしょう。
「もはや愛しもせねば、迷いもせぬ者は、埋葬してもらうがいい。」
(『ゲーテ格言集』、高橋健二(編訳)、新潮文庫、203頁)
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