まだあった! 懐かしい。 ジャズ喫茶「はり猫」はビルの4階でなおも健在でした。
何年ぶりだろうか。20年? いや多分30年近くご無沙汰している。 でも、店内に入ったとたん、記憶が蘇ってきました。かけるディスクはレコードからCDになったかもしれないけど、ディスプレイはたぶん昔のままでしょう。
いつもスピーカーに向かって左側の一番前に座っていました。一人がけの椅子と小さな金属製の黒いテーブル。かかっているのは、たいていフリー・ジャズ。ここでチック・コリアとハーヴィー・ハンコックを知りました。「マッド・ハッター」なんて聴いたなあ。
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Return to Forever
読んでた本は、トルストイの小説『クロイツェル・ソナタ』。
クロイツェル・ソナタはベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ9番の通称ですが、恋愛に真面目だった作曲者が読んだら激怒しそうな内容です。
不倫をした妻を殺してしまった男の話ですが、当時としてはかなり生々しく「性」の問題に踏み込んでいます。長距離列車で乗り合わせた「わたし」がこの男から話を聴くという形でストーリーが進みます。
あらすじを書くと長くなりますので、感想だけ。当時の青年貴族の心象は、現在の先進国の市民のそれと通じるところがあります。それは、自己の分裂ということです。性と愛、感情と理性、社会(道徳)と個人(欲望)、これらが幾重にも分裂しせめぎ合ってこの私自身を苦しめます。特に、夫婦生活での「性」と「愛」の分裂がこの話では問題になっています。
人生経験の乏しい私にコメントは難しいですが、「心」と「体」の分裂は若いときから経験してきました。心からの愛を求めるほどにそうした分裂は激しくなるのではないでしょうか。男も女もどれだけ「本音」を語れるか、また「本音」で付き合えるかが問われているのかもしれません。
恋に恋しているだけではいけません。いや、若者の話ではなく、私がです(^-^;)]。
はり猫の店内は広いけど暗い。空調は小さなエアコンと扇風機。デートには不向きですが、隠れ家には最適です。
かかっていたCDは、これ。
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八王子市旭町8-2 宮崎ビル4F