いい年して女々しいやつとお思いでしょうが、私はオペレッタが好きです。
ウィンナ・オペレッタといえば、一番人気はたぶんフランツ・レハールの「メリー・ウィドウ」でしょう。
Merry Widow(Die lustige Witwe)とは、美しい未亡人ハンナのこと。東欧の小国ポンテペドロの外交官ダニロとハンナは心の底ではひかれあっています。でも、そこは中年の男女のこと、互いに意地を張って、心のうちをさらけだしません。それだけでなく、両人には別の複雑な事情が。莫大な遺産を相続しているハンナが外国人と再婚するのを断じて阻止せよという命令がダニロに下ります。ハンナには誰とも結婚して欲しくない。でも、それは外交官としてなのか、それとも一人の男としてなのか。
ハンナは、ダニロが告白してくれるのを待っています。恋心と故郷への思いを込めて、ハンナは森の妖精ヴィリヤの歌を歌います。
強情な2人ですが、次第に心は通い始めます。
↓ セリフはわからなくとも、雰囲気は感じ取れます。
唇は沈黙してもヴァイオリンが囁きます。「愛している」と。ワルツのステップがこう言ってます。「愛している」と。両の手がはっきりと言ってますよ。「愛している」と。
大勢の求婚者が詰めかけますが、ハンナは見向きもしません。みんな財産目当てだから。ダニロはそれでもまだ意地を張っています。
ハンナは公衆の前で夫の遺言を発表します。「私が再婚したら、私は夫からの財産をすべて失うのです。」これを聞いて、求婚者たちは手のひらをかえしたように求婚を取り消します。しかし、ダニロは逆でした。「ああ、それなら、僕は君を愛している。」「やっと言ってくれたのね、ダニロ。」遺言は続きがありました。「ただし、その財産はすべて新しい夫のものになる。」ダニロが夫なら、財産の国外流出は防げます。しかし、まあ、女というのは御しがたい! めでたしめでたし。
↓次々と現れては消える美しい旋律。
人生はまるで一曲のワルツです。楽しいことも悲しいことも、それは一瞬のこと。くるくる回っているうちに歳をとってしまいます。でも、見ているよりも踊ったほうが幸福になれそう。あなたもそう思いませんか?