忘れられない患者さん6優しさがにじみ出たご夫婦 | 中島旻保の大人の絵日記

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医療者でありながら一方では、政治経済のことになると言いたい事が沢山あるそんな中島旻保のコラムとも言える絵日記

 私にとって忘れられない患者さんがいる。東京・三鷹台に住んでおられた鈴木正志・  ひとみご夫婦である。ご主人が新宿で不動産業を営んでおられ、奥様は主婦業の傍ら奉仕活動をしておられた。
 
 開業当初より通院しておられた患者さんの紹介でお見えになった。最初は奥様が通われ、しばらくしてご主人、娘さんが体の不調で診察にこられた。ひとみさんはもともと虚弱体質であるため貧血や関節痛が出て、体が思うように動かずお勝手仕事が出来ないということであった。体の基盤である骨盤の調整を行い、全体的なバランスを取ることに専念し、内分泌系の働きを高め、代謝機能を活発にしていった。
 
その結果、自律神経がスムーズに働き、肩こりや腰の症状がなくなり、元気になられた。その様子を見ておられた、ご主人が「私も体が硬いし、肩痛、背部痛があるので診てもらおう」と来院された。最後には娘さんまでの通院され、まさに鈴木さん一家のファミリードクターになった。 
 
これがご縁で、新宿に新たに本院を開設する時に、鈴木さんが経営されていた「(有)三栄不動産」に大変お世話になり助かった。どこにご縁があるか分からない。今はご主人は他界されたが、奥様は鎌倉で過ごされていると風の便りでお聞きしている。新宿のクリニックの沿革を見るたびに、鈴木さんご夫婦のことが懐かしく思い出される。

Dr.中島の思い出日記(16)