治療が楽しいです! 改善が実感できますし、毎日スッキリです。 | みのり先生の診察室

みのり先生の診察室

5万人以上の「オシリ」を診察してきた
肛門科専門医の女医がつづる
お尻で悩める人へのメッセージ

溜まりに溜まっている患者さんアンケート。

 

やっと2023年分に突入しています。

 

カルテを見ながら記事を書くのでなかなかすき間時間で執筆ができず、週に1回が限界かなあせる

 

患者さんたちが楽しみにしておられるので頑張って更新していきますね筋肉

 

今日ご紹介する患者さんは30代女性。

 

長年のオシリのかゆみに悩み遠方から受診されました。

 

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肛門のかゆみ治療用QRコード画像

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この患者さんは東京から来られました。

 

数年前から肛門のかゆみが始まり地元で受診され治療も受けておられました。

 

ところが改善せず。

 

毎日かゆくてかゆみで目が覚めるほど。

 

 

診察をすると肛門周囲の皮膚が真っ白になり炎症で皮膚が腫れていました。

 

予想通り肛門の中は便まみれ。

 

便通は1〜2日に1回。

 

コロコロかちかちの便がパンパンに溜まっていますうんち

 

摘便したいくらいあせる

 

こんなに溜まっているのに全く便意なし。

 

相当、肛門の感覚が鈍っています。

 

コロコロかちかちの便は昨日の出し残し。

 

一晩寝かせて熟成させた便は古く硬くなります。

 

坐剤を入れて出して来てもらいました。

 

ところが診察するとまだ便がありますうんち

 

今度は粘土状の便を触れました。

 

先ほど触ったカチカチコロコロの便は出たようです。

 

次は浣腸です。

 

もう一度トイレへ。

 

排泄後、もう一度診察。

 

次は空っぽになっていました。

 

こうして何度でも坐剤や浣腸をして便出しをしています。

 

時間がかかることもありますが、その都度、何度も診察をします。

 

肛門の便を出さずして治療はあり得ないので、時間がかかっても全部出し切って空っぽにしてから帰って頂きますので、初めて受診される際は時間に余裕を持って来て下さいね。

 

摘便になると便出しに3〜4時間かかることもありますのであせる

 

あとの予定は入れずに受診して下さい。

 

 

この患者さんは坐剤1回、浣腸1回でキレイに出し切ることができました。

 

かゆみの原因は便です。

 

だから肛門の便を出さずに何を塗ってもかゆみは消えません。

 

ステロイドを塗ると一時的に炎症が抑えられるので、かゆみも軽減し治ったような気になるのですが、肛門に便を挟んだままだと必ず再発します。

 

だって根本治療をしてないんだから。

 

 

掻いたり洗ったりして湿疹が形成されると、坐剤を使って毎日便をちゃんと出し切っていても、湿疹からはかゆみ物質が出るので、湿疹そのもののかゆみは消えません。

 

だから湿疹を治すステロイド治療が必要になります。

 

ステロイドというと副作用を気にされる方がおられますが、正しく使えば副作用は出ません。

 

皆さん、間違った使い方をされているのです。

 

ちょこちょこ塗ってダラダラ続けている。

 

かゆい時だけ塗ってかゆみがなくなったら塗るのをやめる。

 

そしてまた痒くなったら塗るの繰り返し。

 

それを延々とやっている。

 

そうすると最初は3日くらいでおさまっていたかゆみが、1週間塗らないとおさまらなくなり、2週間になり、3週間になり、最終的に塗っている間はかゆみがおさまって調子がいいけれど、やめた途端にかゆいからずっと塗っておこうになる。

 

そうやってステロイドに依存していく。

 

ずっと塗っていたらステロイドの副作用が出てくる。

 

 

だからステロイドはそんな使い方をしてはいけないのです。

 

塗る時は徹底的にきっちり炎症がおさまるまで塗って、やめる時は体を慣らしながら徐々にやめていく。

 

そうすればリバウンドも起こさずステロイドをやめられます。

 

原著論文も書きました↓

 

 

診療所のホームページにも詳しく解説しています↓

 

 

学会のホームページにも私の記事が掲載されています↓

 

 

↑こちらには症例写真付きでかゆみを引き起こす疾患について解説をしています。

 

皮膚癌だったという悲しいケースもありますので是非ご覧下さい。

 

 

この患者さんは皮疹がひどくて経過が長かったためステロイド外用剤漸減療法をやりました。

 

初診のあとはだいたい2〜3週間後に受診してもらっています。

 

そして炎症がおさまり、かゆみが消失していればステロイド治療を終了し保湿剤(診療所では手造り軟膏Sザルベ)に切り替えます。

 

Sザルベについてはこちら↓

 

 

 

ステロイドで炎症がおさまった皮膚は、まだバリアー機能が元に戻っていません。

 

だからここで保湿をすることが必要なんです。

 

Sザルベを1ヶ月塗ってもらって次の受診は1ヶ月後。

 

 

多くの患者さんが2回目の通院で治療が終了するのですが、肛門そう痒症の患者さんだけは3回目の通院で治療が終了します。

 

この患者さんも予定通り3回目の通院で治療が終了しました。

 

年に1回のオシリ検診にも来られています。

 

 

痛いのもつらいけれどかゆみもつらいもの。

 

とても喜ばれました。

 

治療が楽しいです!
 

改善が実感できますし、毎日スッキリです。

 

この言葉どおり、かゆみが無くなると生活が変わります。
 

改善が実感できるから治療が楽しくなる。

 

 

当然、便を出し切っているからこそステロイド治療が奏功するわけで、便を出さずしてかゆみの治療はあり得ません。

 

 

またかゆみが治っても便秘は治っていません。

 

通院が終わっても排便管理は患者さんの生活の中で続けて頂く必要があります。

 

この患者さんはちゃんと自己管理ができているので再発なし。

 

 

虫歯が治っても歯磨きをやめないように、治療が終わっても坐剤は続けて下さいねウインク

 

 

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