「レセプト病名」はすぐに分かります【審査委員のホンネ】 | みのり先生の診察室

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「レセプト病名」はすぐに分かります【審査委員のホンネ】
 

主治医ではなく職員が付けたと思われる矛盾した疑い病名

 

 

今回の問題

 

明らかに主治医ではなく、医療機関の事務方が付けたと思われる病名のレセプトがある

 

 

  私の一番嫌いなパターン


 比較的大きな病院の審査をしていると、複数の医療機関から医学的には不適切な同じ疑い病名がやたらと多いレセプトに出合うことがあります。私の一番嫌いなパターンです。

 「甲状腺機能異常の疑い」。

 

こんな病名は明らかにおかしい、それこそ“異常”です。

 

甲状腺機能亢進症と低下症では症状は全く違いますので、明らかに担当職員が付けたと思われるレセプト病名でしょう。

 

FT3、FT4、TSHを検査しているけれど、主治医がカルテに症状や病名を記載していないせいで後付けするために、亢進症なのか低下症なのか分からないための苦肉の策と思われます。

 

「血液凝固異常の疑い」も“異常””な病名と言えるでしょう。

 

血液凝固異常なんて多岐にわたります。

 

ある程度、絞り込んだ病名が必要です。

 

 

  医学的に明らかにおかしい疑い病名

 


 「細菌感染症の疑い」、「ウイルス感染症の疑い」と書かれた病名も、審査委員として“疑い”ます。

 

これは不適切病名と言えます。

 

通常はどの臓器でのことなのか、例えば「肺炎の疑い」、「菌血症の疑い」、「髄膜炎の疑い」などの病名を付けるのが適切でしょう。

 

さらに「急性上気道炎の疑い」も目を“疑い”ました。

 

診察すればすぐ確定する疾患であり、レセプトに疑い病名のまま提出するのは、明らかに不自然と言えます。

 

CRPを通すためでしょうか。

 また、以前の病名を確認していないためか数年前に確定している「肝硬変」病名を残したまま、新しく「肝硬変の疑い」病名を付けているのも見かけます。

 

当月の検査を通すためのレセプト病名と思われます。

 

 

  初診で20以上の疑い病名と2つの確定診断


 初診で、なんと20以上の疑い病名と2つの確定診断というレセプトもありました。

 

やった検査の項目の数だけ疑い病名を付けているのです。

 

急性疾患、慢性疾患がごちゃ混ぜのこともあるなど、明らかに相反する疑い病名もあります。

 カルテの記載内容を確認するだけでは、主治医の頭の中まで分かりません。

 

こうしたケースで責められるべきは、担当職員ではなく主治医だと思います。

 

そう指摘されても「忙しくて病名を付ける暇がない。職員が査定されない病名を付けるべきだ」と開き直って言う医師もいます。

 

病名は、医師が付けるのが原則です。

 

診療は、医療機関に診療報酬が入金されて完結です。

 

医療機関の管理者は、問題の多いレセプトを提出させている医師に対しては、しっかりと指導すべきです。

 

 

今回のポイント

 

問題の責任は、レセプトに後付けで病名を記載する病院職員ではなく、そもそもちゃんと病名を記載しない医師にある。医療機関の管理者は、問題記載の多い医師をしっかり指導すべき

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医療従事者以外の方には何のことか分からない記事かもしれません。

 

そういう私も保険診療をしていないので詳しいわけではないのですが、勤務医時代は当然、保険診療の施設で働いていましたから、毎月、レセプトのチェックで事務の人たちが徹夜で作業していたのを見ていましたし、私の診療分のレセを回されて自分でカルテをチェックする作業をしていました。

 

大変でしたねあせる

 

これをやらないと国から診療報酬分のお金が入ってこないんです。

 

 

保険診療はこの病気にはこの薬、この検査という風にルールが決められています。

 

だから自分が出した薬や検査が、保険病名に則ったものであるかどうかは非常に重要です。

 

ルール違反だと認められると、残りの7割の売上げが国から下りないんです。

 

そうなると「持ち出し」と言って医療機関が残りの7割を負担する、つまり損をすることになってしまいます。

 

だからみんな必死で残りの7割の売上げを国から支給してもらうためにレセプトをチェックして「保険病名」を付けるのです。

 

 

この薬の保険病名は・・・と調べて事務員さんが保険病名を記載することは普通に行われていることでした。

 

今は電子カルテになったので変わっているかもしれません。

 

開業医の先生方は自分でされるケースも多いと聞きましたが、患者数が多いと医療事務の資格を持ったスタッフに手伝ってもらわないと大変だと思います。

 

ここに「不正」が入ることも悲しいことにあるでしょう。

 

肛門科でも点数の高い手術で、「全ての手術を」請求しているクリニックもありますからニヤニヤ

 

バレなければ大丈夫なんでしょうかね。

 

診療科が違えば不正を見抜くことは難しいという点もあるでしょう。

 

 

とにかく保険診療は診療報酬点数を稼いでなんぼ。

 

点数を稼ぐためには薄利多売で大勢の患者さんを1分診療で診るか、診療報酬の高い手術をたくさんやるか、ずっとリピートさせて通院させるか・・・とにかく数、点数なんです。

 

だからまじめに良心的に診療をやっていると儲からない。

 

だって一人一人の患者さんを丁寧に診察していたら1分じゃ無理だから。

 

一人医師のクリニックで1日100人以上診察となると3分診療でも難しい。

 

 

いらん検査して

いらん手術して

何度も通わせて・・・

 

悪いこと

いっぱいせんと

肛門科だけでは儲からんのよ

 

 

と開業した知り合いの先生が言ってましたが、本当にその通り。

 

ちゃんと治して通院を終わらせることが治療のゴールなのに、そうすると儲からないシステム。

 

肛門科だけでも「マルメ」にしたらいいのにね。

 

亡くなった隅越幸男先生がおっしゃっていたこと。

 

この痔を治すのに〇〇点

 

手術して治そうと

保存的に治そうと

点数は同じ

 

何度通院させようと

治るまで〇〇点

 

そうすれば不要な手術や通院は減るよね。

 

 

過剰診断・過剰治療・過剰手術に溢れています。

 

患者さんたちが賢くなって知識を付けないと、本当にいらん治療されるから気を付けて下さいね。
 

 

 

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