痔だと思っていたのが肌荒れだと言われてビックリしました | みのり先生の診察室

みのり先生の診察室

5万人以上の「オシリ」を診察してきた
肛門科専門医の女医がつづる
お尻で悩める人へのメッセージ

先日、あまりにも衝撃的なことがあったので、記事にして投稿したこの話↓

 

 

この患者さんが2回目の通院で先日受診され、こんなアンケートを残して下さったのでご紹介。

 

60代女性、地元の肛門科で手術とジオン注射を勧められ、遠方からセカンドオピニオンで来られました。

 

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この患者さんのように「自分は痔だ」と思い込んでいる人は多いのではないでしょうか。

 

そんな患者さんを大勢診てきましたから。

 

患者さんが痔と表現しているものが、診察すると痔ではないということもたくさんありました。

 

肛門の診察を受けたことがないのに「自分は痔だ」と思い込んでいる人も多いです。

 

痔の診断は自分では難しいです。

 

肛門の中まで見ることは出来ませんからね。

 

 

ところがこの患者さんは地元の肛門専門病院で診察を受け内痔核と診断され、手術とジオン注射を勧められていました。

 

内痔核は文字通り肛門の内側に出来るイボ痔(痔核)のことです。

 

大きくなると外に飛び出してきますが、この患者さんは脱出症状も何もなく、ただ肛門が痛い、拭いたら紙に血が付くという症状で困っていました。

 

医学的には脱出しない痔核は手術適応ではありません。

 

排便してもイボ痔が中から飛び出さないのであれば手術は不要です。

 

だからイボ痔(痔核)であったとしても、手術をするのは過剰診断、過剰手術ということになります。

 

 

でもこの患者さんの肛門を診察しましたがイボ痔(痔核)はありませんでした。

 

正常なふくらみはあります。

 

それが排便後に腫れる人がいるので、排便してもらって、そのあともう一度肛門の診察をしたのですが、何も出てこない、腫れない。

 

一体何に困ってるの?

 

とお聞きしても脱出症状はありません。

 

痛い

血が出る

 

とのこと。

 

 

どこが痛いのか触って確認したところ、肛門の中ではなく、外側の皮膚でした。

 

そりゃあそうでしょう・・・

 

もう肛門周囲の皮膚がただれて真っ赤っかでしたから汗

 

皮膚が割れて、そこからジワッと出血がありました。

 

 

便が柔らかい日が続き、肛門が痛くて、また痔が悪化したのだと思い受診しました。

 

痔ではないのに痔だと思い込んでおられましたが、痔はありませんでした。

 

 

いつも便をしたあと、残っている感じがしていました。

 

1日3〜5回ほどで回数は多いと思います。

 

診察をすると肛門の中が便まみれ・・・あせる

 

これじゃあスッキリしないし、紙に何度も便が付いてくる。

 

1日3〜5回も便が出るのは残っている証拠。


残った便があとからチョロチョロでてきているだけ。

 

便が柔らかい原因はサプリにあったようで、マグネシウムと消化酵素を飲むのをやめなさいと言われました。

 

便通に良かれと思って飲んでいる酸化マグネシウムやサプリメントのせいで、軟便や頻便(何度も便が出る)になっている人も多いです。

 

酸化マグネシウムは「やわらかい便を作る薬」です。

 

決して「便を出す薬」ではありません。

 

これから作られる便をやわらかくすることはできますが、既に出来上がって出口まで降りてきている便や、ましてや出し残した出残り便には効きません。

 

便秘は出口で起きているのに、腸に効くモノを摂取して、かえって便通をおかしくしている人が多いです。

 

その結果、肛門にトラブルが生じる。

 

 

皮膚が荒れた原因は毎日つけていた尿漏れパッドのせいかもしれません。

 

ナプキンのせいで外陰部や肛門周囲の皮膚が荒れている人も大勢います。

 

できるだけ化学物質を含まないナプキンを使いましょう。

 

診療所ではナチュラムーンナトラケアなどのナプキンをオススメしています。

 

ネットで検索すると出てくると思います。

 

 

最初、坐薬を入れると残り便がたくさん出ましたが、だんだん坐薬を入れたあとの便が少なくなりました。

 

 

出残り便秘が治ってくると、坐薬を入れて出てくる残便が減ってきます。

 

そして最終的には坐薬を入れても何も出てこなくなったら出残り便秘が治ったと判断し、坐薬は便が残った時だけ使ってもらいます。

 

そうなるまでどれくらいかかるかは患者さんによります。

 

便を残して生きてきた年数だけ坐薬治療にかかるので、長年便を溜めて生きてきた人は数年から数十年かかるかもしれませんね。

 

 

便をしたあとティッシュに便がつかなくなりました。

 

 

 

スッキリ排泄できていれば拭いた紙に便は付きません。

 

どんなに痔が出てても、便がやわらかくても関係ありません。

 

拭いた紙は排泄のバロメーター。

 

必ずチェックして下さいね。

 

 

糞詰まりの経験があり、いつも便をしたあと、残っている気がしていたので、私は出口便秘だったと思います。

 

そのままにしていたら痔ができていたと思います。

 

 

糞詰まりの経験があるということは出口の便秘がある証拠。

 

早く気付けて良かったですね。

 

痔という病気は肛門に便を溜めて生きてきた人がなる病気なので、このまま長年ずーっと便を溜め続けると痔が発生したと思います。

 

 

逆に言うと、ちゃんと便を出してさえいれば痔にならないとも言える。

 

だから

 

本当は

痔になる前に来てほしい

 

教えてあげたい

正しい排泄

 

 

正しく排泄すれば痔という病気は無くなると思っています。

 

 

肛門科が「痔になったら行く所」ではなく「痔にならないために一度行ってみる所」になるといいな。

 

広めたい。

肛門予防医療。

 

病気の人を治療する医療も大切だけど、病気にならないように予防する医療も価値があると思うのです。

 

 

肛門科医という小さな小さな存在ですが、肛門科から始まる予防医療を夢見て頑張ります。

 

 

 

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