一般男性が美容目的で女性ホルモン剤を服用した顛末 | みのり先生の診察室

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医師サイトに掲載されていた小堀 善友(こぼり よしとも)
プライベートケアクリニック東京 東京院院長の記事をご紹介。

 

ちょっと怖いな・・・と思ったので是非お読み下さい。

 

分かりやすいように一部抜粋してお届けします↓↓

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一般男性が美容目的で女性ホルモン服用の顛末
 

ネットで購入した未承認薬を自己判断で使っていた症例


男性が「きれいになりたい」「薄毛を治療し美しい髪の毛を手に入れたい」という気持ちが強過ぎて、インターネットの薬剤輸入サイトで女性ホルモン製剤を購入。

 

医師の診察なしに自己判断で使ってしまった男性が、その後どうなったか?


左精巣の痛み、精巣が2×1cmほどに萎縮


36歳男性、既婚者で、挙児希望がありました。

 

主訴は、左精巣の痛みということで受診されました。

診察したところ、精巣は2×1cmほどに萎縮していました。

 

超音波検査では、前立腺も委縮していることが分かりました。

 

よくよく話を聞くと、男性型脱毛症(AGA)の治療目的で女性ホルモン製剤であるエチニルエストラジオール(商品名Etinila)と、抗アンドロゲン製剤であるシプロテロン(同Siteron)4カ月間服用していました。

 

これらは薬剤を輸入するサイトで個人として購入したとのこと。

 

確かにきれいな髪の毛だったと思いますが、ホルモン製剤の影響だったのでしょうか?

いずれも日本では承認されていない、聞いたことがない薬剤。

 

男性は勃起はできており、射精感はあるものの精液が出なくなったため、精液増量と性欲増強をうたっているスペマンというサプリメントも追加で服用していました。


精巣の痛みの原因は精巣の急激な委縮によるものか


 初診時に男性ホルモンの採血検査を行ったところ、黄体形成ホルモン(LH)値は0.3mIU/mL、卵胞刺激ホルモン(FSH)値は0.3mIU/mL、テストステロン値は0.07ng/mLと、中枢性性腺機能低下症を呈し去勢状態となっていました。

 これでは当然、精巣や前立腺は萎縮するでしょうし、精液も出なくなるはずです。

 

精巣の痛みの原因は、おそらく精巣が急激に委縮した影響があると思われ、対症療法としてロキソニンを投与、ホルモン製剤の服用を中止し、ホルモンが自然軽快することを待つこととしました。

 半年後の再診時には、男性は無事に射精ができるようになっていました。

 

ホルモン値を再検査したところ、LHが7.9mIU/mL、FSHが20.5 mIU/mL、テストステロンが7.00ng/mLと、ゴナドトロピン高値がやや気になったものの、テストステロン値は正常化が見られました。

 精液検査を行ったところ、精液量2.4mL、精子濃度70万個/mL、運動率42%と、ごくごくわずかな精子濃度でしたが、運動精子を確認することができました。

 その後、3カ月ごとに精液検査を行ったところ、徐々に改善を認めました。

 

ホルモン製剤中止1年6カ月後の精液検査では、精液量1.8mL、精子濃度8,000万個/mL、運動率80%と完全に正常化し、自然妊娠が期待できるまで改善しました。

 ちなみに、ホルモン製剤を中止後、男性の頭髪が薄くなったといった変化は特に見られませんでした。



解説!3つの未承認ホルモン製剤とサプリメント


 今回、男性が自己判断で服用していた未承認のホルモン製剤とサプリメントについて解説します。

Etinila:エチニルエストラジオールを成分とする女性ホルモン製剤

女性が更年期障害の際に用いる女性ホルモン製剤です。

主な副作用は、吐き気や嘔吐、食欲不振、乳房が張る・痛む、肝機能の異常、勃起障害など。

ちなみに、エストラジオールを含むエストラムスチン製剤は、前立腺がんの治療にも用いられています。

男性が服用することにより、男性ホルモンの分泌抑制皮膚や毛髪の女性化、にきび(痤瘡)の改善、体臭の変化、頭髪脱毛の改善、体毛が薄くなる、筋肉量の減少、体形の女性化、乳房発達といった作用を呈します。

 

性同一性障害であるmale to female(MTF:心の性は女性、身体の性は男性)の人が服用することもあるそうです。



Siteron:ステロイド性抗アンドロゲン薬

脱毛予防目的やMTFの人に用いられるそうです。

副作用は男性の場合は、性的欲望の減退、性交不能、射精量の減少、精子数の減少、女性化乳房などで、女性では排卵機能障害、乳房の張り、乳汁漏出などがあり、男女共通の副作用として、息切れ、体毛の減少と頭髪の増加、頭髪の色が薄くなる、骨粗鬆症などがあります。

国内で使用されている同様の作用を有する薬剤として、クロルマジノン(商品名プロスタール)があります。しかし同薬は前立腺肥大症や前立腺がんの治療薬で、決して脱毛予防目的で用いられることはありません。



スペマン(サプリメント)

 インターネットで検索すると、精子の増量および性欲増強といった効果が期待できるサプリメントとのこと。

 

インドの伝統医術アーユルヴェーダに基づき、天然由来のハーブを多く配合しているのだそう。

 

スペマンの有効性と安全性のエビデンスはどこにあるのでしょうか?

 

怪し過ぎます。



懸念される4つの問題点


 私が懸念したのは、これらのホルモン製剤とサプリメントを自己判断で購入し、勝手に使用していたことです。

 

繰り返しになりますが、EtinilaとSiteronについては国内で承認されていません。

 

前述した副作用以外にも静脈血栓症重篤な肝障害があります。

 

こんな薬剤がネットで簡単に個人が購入できるなんて怖過ぎます。

 今やインターネットの薬剤輸入サイトでは、さまざまな薬が購入できます。

 

AGAや勃起障害(ED)の治療薬なんてかわいい方で、抗菌薬や抗HIV薬が購入できるサイトもあるのです。

 

医師の診察がないまま、勝手に薬を乱用できるような現状は本当に困りものだと思います。



 この男性に関しては、懸念される点が4点あります。

①医師の診察なく、個人の判断でホルモン製剤を購入し使用した

②そもそも国内で承認された薬剤ではない

③精巣の萎縮や乏精子症など、重篤な副作用が出現した

④場合によっては、血栓症などの生命に関わる副作用のリスクがある

 女性ホルモン製剤を中止後に精巣機能が回復し、無事に精子が出るようになったので良かったのですが、男性が完全に改善するまで1年半以上も時間がかかってしまいました。

 

私自身、インターネットでの薬剤販売にも問題があると感じた1例でした。

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最近、患者さんのサプリメントをチェックしていて海外のものをネットで購入しているケースが増えてきていて、中身を確かめるとヨウ素や鉄が入っていて過剰症になっている患者さんも診ているだけに本当に怖いなぁと感じました。

 

サプリならまだしも、薬剤も手に入るのですね。

 

しかも日本では承認されていないものまで。

 

 

AGA治療が広く男性に認知されるようになり、専門のクリニックも乱立している状況を考えると、もしかしてクリニックではなく個人で購入してコッソリ服用している男性も多いのかもしれません。

 

知らず知らずのうちに精巣が萎縮して不妊になるようなことも起きている可能性もあるでしょう。

 

また血栓症や肝障害など重篤な副作用もあります。

 

くれぐれも気を付けて下さいね。

 

 

 

 

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