溜まりに溜まっている患者さんアンケート。
あとちょっとで2022年分が終わります。
患者さんから「週に1記事でもいいから肛門のことを書いて」とお願いされ、それもそうだ、だってこのブログは元々は肛門ブログだったのに・・・と当たり前の事に気付きました
患者さんから要望の多いアンケート掲載。
電子カルテを確認しながらでなければ書けないので、毎週は無理かもしれませんが、できるだけご紹介していきますね。
今日ご紹介する患者さんは60代女性。
便秘と便漏れ症状に悩み遠方から受診されました。
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この患者さんは骨盤臓器脱の手術をされていました。
その後、腹圧をかけてはいけないということで通院されているクリニックからは緩下剤(酸化マグネシウム系のマグミット)を出されていました。
たまに歩いている時にポロッと小さな便が出ることで困っておられました。
私のブログを読んできっと出残り便だと思って、かかっている先生に相談しても賛同は得られず、マグミットを出されて終わりでした。
排便は毎日はありませんが1日おきくらいに出ています。
出産歴はなし。
飲酒もしません。
診察をすると痔も何もないキレイな肛門でした。
ただ、しまりがちょっとゆるい。
骨盤臓器脱の患者さんは皆さんだいたいゆるいです。
そして摘便しようかなというくらい肛門に便が詰まっておりました
粘土状の便がたんまり溜まっています。
今日は排便した来たのに・・・です。
排便後とは思えないオシリでした。
こんなに便が溜まっているのに全く便意なし。
相当、肛門の感覚が鈍っています。(鈍感便秘ですね)
長年、出口に便を溜めて生きてこられたのでしょう。
そこに便があるのが当たり前になってしまっています。
坐薬だけでは自力で全部出せず、結局、摘便してから坐薬を入れて全部出し切ってもらいました。
このように肛門の感覚が鈍り、常に直腸・肛門に便があると、肛門のしまりはゆるくなっていきます。
体は便を感知し、排出しようとする排便反射が起こりますから。
排便反射によって内肛門括約筋がゆるみ、肛門が開き、便が出る。
この一連の反射は自律神経によって支配されているため、人間が意識してコントロールできません。
つまり、出口に便が挟まっていると内肛門括約筋は緩みっぱなしということ。
だから長年、肛門に便を挟んで生きてきた人は肛門のしまりがちょっとゆるくなってしまっている人が多い。
便を出して肛門を空っぽにすることで、しまりが良くなってくることも多いのであきらめる必要はありません。
しまりがゆるい人には肛門をしめる体操も指導しています。
・毎日坐薬を入れて完全に排泄し、常に肛門を空に保つこと
・肛門をしめる体操を1日3回やること
この2点をやってもらいました。
そして2週間後・・・
なんと、便漏れの症状は無くなっていました。
そして肛門のしまりも良くなっているではありませんか
こういうことは数多く経験しています。
だからしまりがゆるいからってあきらめない。
しまりがゆるくても肛門が空っぽであれば、漏れる便がないわけだから便漏れの症状は起こりません。
漏れる便をなくせばいいわけです。
この患者さんは2回目の通院で治療が終了しました。
でも出口の便秘は治っていません。
坐薬は日々の生活の中で続ける必要があります。
便が分からない
便意がない
のであれば、坐薬を使って便を出してOK
そんなことしてたら、坐薬を入れないと便が出なくなったりしませんか
坐薬が癖になるんじゃ
と、よく患者さんから言われるのですが、よーく考えてみて。
癖になっているのは坐薬じゃなくて肛門に便を溜めること。
その溜めグセ、残しグセが治れば座薬は必要ありません。
いつまでかかるのかは何年間、肛門に便を溜めて生きてきたかによります。
便を溜めて生きてきた年数だけ坐薬は必要だと考えて下さい。
そもそも坐薬は薬ではありません。
炭酸ガスを固めただけの発泡剤。
下剤も何も薬物は入っていません。
だから依存性も習慣性もありません。
肛門の感覚が元に戻ったら、便が降りてきたら分かる、便意が来る、便が出せるようになります。
この3つについて1冊目の本で解説しています。
つまり
・便が分かる
・便意が来る
・便を排出できる
この3つが揃わないと排便は起こりません。
そもそも肛門は便の通り道。
便が通過していく所であって便を溜めておく場所ではありません。
いつも空っぽ。
そこに便は無いんです。
そんなところに便を溜めて生きてきたから肛門にトラブルが起こった。
だから治療の第一歩は正しい排泄から。
便を出さずして治療なし。
だから坐薬は失われた肛門の感覚を取り戻すためのリハビリのようなもの。
ちゃんと自分の力で排泄できるようになったら必要ありません。
それがいつ訪れるのかは患者さんによります。
ちゃんと出せるまで続けて下さいね。
歯磨きだって毎日するでしょう
虫歯が治ったからって歯磨きをやめないはずです。
そういう意味では坐薬って肛門の歯磨きみたいなもの。
毎日の習慣にして下さい
患者さんのリクエストで復活させた
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