疑惑の論文?! | みのり先生の診察室

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肛門科専門医の女医がつづる
お尻で悩める人へのメッセージ

Xで話題になっていた福島先生がLast autherになっている論文。

 

査読済みで既にネット上でも公開されています。

 

この論文の内容について「mRNAワクチンは有効という"ゴミ論文"」と批判をされていました。

 

 

 

私はXを見てないので全く知らず、患者さんのご家族からのメールで知りました。

 

まずは論文を読みました↓

 

https://www.cureus.com/articles/313843-behavioral-and-health-outcomes-of-mrna-covid-19-vaccination-a-case-control-study-in-japanese-small-and-medium-sized-enterprises#!/

 

 

皆さんも自動翻訳を使って読んでみてください。

 

該当箇所が「切り抜き」による早合点であることが分かります。

 

Nin先生がとても分かりやすく、この論文について解説をして下さっているのでシェアします↓

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「えっ!福島先生が!まさか!」

と思った方はまずは落ち着きましょう。

私も一瞬思いましたよ(笑)

 

ではどうするか?
 

答えは簡単です。

論文を読めばそこに答えがあります。

答えは単純明快でした。

 

福島先生はいつも通りで、興味深い論文でした。

 

ちなみに福島先生はFirst authorではなくLast authorです。

 

論文の著者ではなく監督責任者といった立場ですね。

皆さんも読めばわかりますよと言いたいところですが、医学論文を批判的かつ客観的に読むにはトレーニングと経験が必要だと思います。

そこで簡単に論文の説明をします。

 

細かいところが気になるなら論文で確認してください。

 

翻訳機能を使えば内容の細かい解釈はともかく、誤訳や印象操作の有無を確認する事は出来ます。

 

長くなるので暇な人だけどうぞ。

 

論文の中身を簡潔にまとめると

 

「コロナワクチンを打てば打つほどコロナに罹患しやすくなるというデータが出た。この結論は色々なバイアスが有るかもしれないので、明確な因果関係を確立し、より決定的な洞察を提供するためには、洗練された設計による今後の縦断的研究が不可欠です。」

 

となると思います。

 

 

私が言うとしたら

 

「ほら、コロナワクチンのやばい結果が出ているぞ、厚労省は全てのデータを公開して縦断的な評価をさせろ、馬鹿野郎!」

 

です。

 

 

福島先生も同じような気持ちでしょう。

 

しかし、論文には作法がありますので、作法を守らないと査読を通過しません。

 

いわゆる査読者への忖度も必要になります。

 

その部分は福島先生を叩きたい人にとって好都合なのだと思います。

 

私もあえて書くならその部分の記載には「なんだかなあ?」と思いますが、「これ書かないと査読を通らないのだろうな~」と考えています。

 

私は福島先生を支持していて好意的に解釈するきらいがありますが、別に信者ではないのでこの論文の中身で意見が合わないところもあります。

 

論文ってそんなもんですよ。

さて、本題ですが、ルパン小僧さんは論文内で「ワクチン接種プログラムは全体的に成功している」と書いていますが、これは間違いです。

 

イントロ部分で「ファイザーモデルナの論文を引用して効果が有るという論文があり、それをもとに接種事業が行われ接種が勧められた」という歴史的背景を述べているだけで、論文内で「ワクチン打って良かった」と書かれているような印象を与える印象操作です。

次に

 

{「ワクチン接種は重要なツール」と言い、論文全体を通してワクチンを肯定 しかも、マスクやソーシャルディスタンスも肯定。 そして、今後の対策強化を推奨。}

 

と書いていますがこれも印象操作ですね。

 

この部分はディスカッションの一部を切り取っています。

 

確かに「ワクチン接種は公衆衛生上の重要なツール」として触れていますが、あくまで理論上ワクチンが安全かつ効果が有る場合の話です。

 

今回のmRNAはその2点が怪しい訳で著者が示したデータはまさにこの逆な訳です。

 

著者の意見と真逆の意見を取り上げることで考察に深みを持たせるという手法は論文を書く上でよく使われます。

 

マスクやソーシャルディスタンスに関しても引用文献に書いてある主張を引用しているだけですが、確かにこの部分は私も同意しかねます。

 

おそらく、この部分は頭の悪い公衆衛生の専門家(査読者)への忖度部分なのでしょう。

 

少なくともここが筆者の言いたいところではないです。

 

そう解釈する理由は結論にはマスクやソーシャルディスタンスの事は行動様式と言う言葉としてしか触れていないからです。

 

(この辺の著者の真意をくみ取ることに関しては多くの論文を読まないと理解しがたいと思われます。よって、字面だけ拾うと悪意は抜きにして誤解や曲解が生まれやすい部分だとは思います。)

 



{「公衆衛生上のメッセージは、ワクチン接種が重要なツール」 これらの要因を理解することは、公衆衛生戦略と予防接種プログラムを緊急に強化するために重要です}

 


これもディスカッションの一部の切り抜きですね。

 

正しい情報が公衆衛生戦略には必要であるという文脈の一部を切り抜いています。(論文読めば解るだろというところです。)

 



{「ワクチン接種プログラムの全体的な成功にもかかわらず…」}

 

ワクチン接種事業は国や製薬会社の意図通り成功した訳です。

 

デマ太郎などに騙され、私を含めた多くの国民は接種をした訳ですから成功でしょうよ、だけど結果は悲惨だったよねと言う文脈の切り取り、印象操作です。

 



{「ワクチン接種を受けた個人は、感染の影響を受けにくく…」}

 

ワクチン接種者はワクチンを接種したから自分は感染しにくいと思って行動することがリスクになって感染しやすくなるよと言う話の切りとり、印象操作です。

 



{「mRNAワクチンは効果的でしたが、特に新興変異体に対する保護効果は時間の経過とともに低下する可能性があります」}

 

 

 

初期は高齢者ではmRNAワクチンの効果が有ったとする話はデータ上間違いとは言えない。

 

しかし、私はそのベネフィット以上にその後の健康被害が有ったわけで戦略として失敗だったと考えています。

 

論文もmRNAワクチンがコロナの感染対策として有効だったと言っている訳ではありません。

 

切り抜き、印象操作です。

 

私の結論)

 

この論文は暗にワクチン接種事業が間違っていたことを批判しています。

 

しかし、明確にそう書くと査読を通らない、または批判されて論文撤回しないといけなくなることを回避するために慎重に書かれています。

 

故に様々な誤解を招きやすいのかもしれませんね。

 

私の最終結果としては「福島先生は流石だな」で終わりです。
 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

是非とも論文を読んで頂きたい↓↓

 

https://www.cureus.com/articles/313843-behavioral-and-health-outcomes-of-mrna-covid-19-vaccination-a-case-control-study-in-japanese-small-and-medium-sized-enterprises#!/

 

 

難しくて読めないよ・・・という人は「結論」の部分だけでもいいです。

 

その論文が言いたいことが「結論」だから。

 

なんと書いてありますか?

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

結論


この研究では、パンデミック期間中にワクチン接種を受けた人々の間で報告されたCOVID-19感染の発生率がより高く、ワクチン接種回数が増えるにつれて増加していることが観察されました。

 

この逆説的な発見は、抗体依存性増強(ADE)や原初抗原罪などの免疫応答メカニズム、行動の変化、曝露リスクなど、さまざまな要因によって影響を受けている可能性があります。

 

これらの要因を理解することは、公衆衛生戦略とワクチン接種プログラムを緊急に強化するために不可欠です。

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

要するに

 

ワクチン打った人の方がコロナに感染してるぞ!

 

ということが言いたかったわけです。

 

最後の下線の部分も切り抜かれると「ワクチン接種を勧めているじゃないか!」と言われかねない部分かもしれません。

 

「緊急に強化する」ということと「ワクチン接種を進める」こととは同義ではありません。

 

なぜ接種者のほうが感染しているのか?

 

その要因を理解することが不可欠だ

 

その要因を考慮してワクチン接種プログラムを考え直せ

 

と私は受け取りました。

 

 

そして切り取りされた問題の部分は「導入」にありました。

 

「導入」です。

 

「結論」ではありません。

 

小説でも解説本でも論文でも「導入」はその著者が「言いたいこと」ではなく、「一般的にはこうですよ」という「一般論」を書くことが多いです。

 

ちなみに私の2冊の本もそうです。

 

なぜわざわざ一般論を書くのか?

 

それは自分の主張がその一般論と違う、既成の概念を覆すものだからです。

 

自分の主張を強調するために一般論を持ち出すほうが広く読者に共感を得られ、そのまま読み進めてもらえる。

 

私はその一般論を分かった上でこの本を書いているという著者の主張です。

 

 

本は著者が自由に書けますが論文は違います。

 

査読者がOKを出さないと通りません。

 

過激なタイトルと言葉で言いたいことを書いてしまうと、出だしで読んでもらえません。

 

最後まで読んでもらう工夫が必要です。

 

私も何本か肛門関連の論文を書きましたが、査読でたくさんの修正が返ってきました。

 

そこで自分の趣旨と違う場合は「従えない」となり、論文は出せなくなります。

 

どこまで妥協するかとの戦いです。

 

私もある程度妥協して論文を通しました。

 

通らなければ誰にも読んでもらえないからです。

 

 

そういった著者と査読者との幾度にも渡る攻防を経て論文が発表されていることを知って下さい。

 

どれだけの時間と労力がかかっているのかは、論文を書いた者にしか分からないでしょう。

 

(依頼論文は楽チンでした。「先生、書いて下さい」とお願いされて書くので好きに書かせてもらいました。)

 

 

その問題の導入部分を一部抜粋します↓

 

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導入


2019年後半に発生した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックは、世界の健康と経済に甚大な影響を及ぼしています。

 

広範囲にわたるワクチン接種の取り組みにもかかわらず、パンデミックは定期的に再発し続けており、第10波のような大きな波では感染率が上昇しています。

 

ワクチン接種キャンペーンは、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)の拡散を抑制し、COVID-19の重症度を軽減する上で極めて重要な役割を果たしてきました[1,2]。

 

ファイザー・ビオンテックとモデルナが開発したメッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンは、症状のある感染、入院、死亡を防ぐ高い有効性を実証しています [3,4]。

ワクチン接種プログラムは全体的に成功しているものの、特に懸念される新たな変異株の出現に伴い、ワクチン接種を完了した個人におけるブレイクスルー感染が報告されている[5,6]。

 

これらの事象は、免疫力の低下や行動の変化など、ワクチン接種後の感染リスクに影響を与える要因についての疑問を提起した[7,8 ] 。

 

さらに、ワクチン接種が個人の予防行動に与える影響は研究対象となっており、ワクチン接種を受けた個人はリスクが低いと認識し、結果として非医薬的介入(NPI)の遵守を減らす可能性があることを示唆する研究もある[9]。

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

下線の部分が切り取られ福島先生のことを「ダブルスタンダード」「典型的偽善者」「コントロールドオポジション」と揶揄していますが、是非とも丁寧に論文を全部、隅から隅まで読んで頂きたい。

 

 

どう読めばこういう結論に行き着くのか、私には全く理解できませんでした。

 

下線の部分には末尾に番号がふってあるでしょう?

 

それは引用論文があるんです。

 

その論文を引用して、その論文の中に書いてあったことを記載しているから注釈が入る。

 

つまり注釈が入るところは著者の主張ではありません。

 

今まで主張されてきた「一般論」を引用して紹介しているだけに過ぎないのです。

 

 

導入部分だけ切り取って、さも著者の主張であるかのような印象操作は悪質です。

 

 

福島雅典先生は地道に医師相手にワクチンの危険性についてアカデミックな講演を積み重ねてこられています。

 

様々な学会、保険医協会などで医師向けの講演をされており、少しずつ現場の先生方の認識が変わってきました。

 

これは表に出ない活動です。

 

ネットでもテレビでも採りあげられません。

 

そういう活動をされている医師が他にもたくさんいます。

 

人から見えるところでしか活動をされていない人も増えてきましたので、そちらばかりに目が行きがちですが、人からみえない所でどれだけ汗をかけるかが大事だと私は思っています。

 

だからそういう草の根活動をしている人にこそスポットライトを当てたい。

 

自分も出しゃばって表に出ないように気を付けようと襟を正しています。

 

自分の分をわきまえ、自分の能力を過大評価せず、自分の立場を忘れず、反ワクチン活動をしていかねばなりません。

 

福島雅典先生はダブルスタンダードでも偽善者でもコントロールドオポジションでもありません。

 

本当に素晴らしい先生です。

 

直に関わったことがない人には分からないでしょう。

 

 

どんなに腹が立っても、憤りを感じても、自分が直接知らない人のことを悪く言うのは人としてどうなのかと思いました。

 

 

亡くなった患者さんのご遺族からのメールでしたのでブログで記事にしました。

 

聡明な方ですら誤解されていたので、この波紋は大きいと思います。

 

ネット情報にしろ、新聞やテレビなどの大手メディアの情報にしろ、自分の頭でよく考え、鵜呑みにしないリテラシーが必要ですね。

 

そのためにできることは一つ。

 

一次情報に当たる

 

ということ。

 

 

自分で会いに行って話をする

 

自分で情報を見る

 

それに尽きます。

 

 

皆さんも情報に踊らされないように注意してくださいね。

 

 

ちょっとした騒動になったのでわざわざ記事にしました。

 

分かって頂けると幸いです。

 

 

 

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