昔は紹介状がなくても大きな総合病院や大学病院を自由に受診できたけれど、今は紹介状がないと受診できないところが増えてきました。
だから何か困った症状があったら、まずは開業医にかかるしかないという状況です。
今やコンビニの数よりも多いと言われているクリニック。
その看板を見ても何が専門か分からない。
私が小さい頃は「小児科医院」というのがありましたし、「内科」とは明らかに違いました。
ところが今は小児科医院というのをほとんど見かけなくなりましたね。
クリニックの看板には「内科・小児科・皮膚科・放射線科・リハビリテーション科」など、いくつもの診療科が書いてある。
診療科の数だけ先生がいるのかと思ったら医師は一人。
つまり一人で看板に書いている全ての科を診るというスタイル。
一体何が専門?
というよりも
何科の先生?
と思うことがしばしば。
例えば大阪府で肛門科と検索すると5千件以上ヒットします。
つまり「肛門科」を掲げている施設が5千軒以上あるということ。
肛門を専門にしている私からすれば「この先生、肛門科の先生じゃないやん」というケースばかり。
うちの患者さんたちは「看板に偽りあり」と憤慨されていましたが、なぜこのような「患者さんにとって分かりにくい看板」になるのか?
それは日本が自由標榜制だからです。
つまり医師免許さえあれば誰でも肛門科の看板を掲げられるんです。
審査も専門医の資格の有無も、何もありません
こちらの記事も是非お読み頂きたい↓
離島や過疎地で、この地域にクリニックが1軒しかない・・・という状況なら、オールマイティーに様々な疾患を診なければなりませんが、都会でクリニックがひしめき合っている状況の中、このような看板です。
何も自分が専門外の科を無理して、リスクを冒して、患者さんに迷惑をかけながら診るよりも、専門の先生に紹介する方が絶対にいいに決まってる。
それをせず、あえて専門外の疾患も診るのはなぜか
それは売上げのためです。
一つの科を掲げると、その科の患者さんしか来ません。
でもたくさんの科を掲げると、色々な科の患者さんが来ます。
数を診ないと経営できませんから、こうして間口を大きくして、いろんな患者さんを受け入れる。
そうやって保険診療点数を稼いでいる開業医が多いでしょう。
そんなことに疑問を感じるのは私だけかと思ったら、医師サイトにこんな書き込みがありました。
一部抜粋してシェアします。
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診れないのに 標榜しすぎでしょ
地方の総合病院に勤務している23年目の医師です。
昔から近医についてずっと思っていることがあります。
標榜してる診療科が多すぎます。
内科/小児科とか泌尿器科/皮膚科とか。
厚生省が診療科の標榜を多数であっても認めているからだと思いますが、開業医の先生方は患者を集めるためには仕方ないかもしれませんが、患者さんは標榜科を信じて受診します。
専門でないのになんとなく診断して薬だすのは勘弁してほしいです。
これは田舎だけなのかな?
都会だと減ってるのかな?
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医療機関が標榜する科の数には制限はない(法令上の根拠や罰則はない)ものの、厚生労働省通知では、「当該医療機関に勤務する医師一人に対して主たる診療科名を原則2つ以内とし、診療科名の広告に当たっては、主たる診療科名を大きく表示するなど、他の診療科名と区別して表記することが望ましいものとする。」とされています。
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内科・小児科 や 泌尿器科・皮膚科 などは 良いのでは???
自分のクリニックは 小児科だけですが 内科・小児科 や 泌尿器科・皮膚科など2つぐらいの標榜なら 良いのでは??? とも思っています。
当院の近隣では 内科・外科・小児科・皮膚科・泌尿器科など5科以上標榜したクリニックがありますので それに比べたら・・・
標榜するのは 自由なので 何科をいくつ標榜しても良いのですが
標榜しているのに(小児科標榜しているのくせに)
いざとなったら 私の専門では無いので 小児科へ受診してください! と
総合病院に紹介もせずに 患者を投げ出すのだけは 勘弁してほしい。。。
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麻酔科を、内科 &/or 外科・整形外科の次位に標榜しているクリニックを散見します。
アレらは、麻酔科標榜医資格者が開設しているか、常勤医にいらっしゃるか、でしょうね。
何せ、国家資格の一つですからね。
ただし、仲間の麻酔科医の一人曰く、「麻酔科標榜医資格取った後、全然麻酔していない先生もいる。ペインすら出来るか、怪しいわよ!」とのこと。
まあ、ナートすら?な輩が**外科と標榜するよりはマシか?
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都会は逆の傾向ですね。
ファミレスよろしくなんでも診れます的なクリニックよりも
専門性に特化した方が患者に選ばれる傾向がありますから。
田舎はまだまだ昭和的風潮の名残があるんでしょうね。
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昔と違って専門医制度ができて、診療所で一人の医師で多くの科を標榜する時代ではなくなってきました。
私は整形外科しか標榜していません。
怒られるかもしれませんが、外科出身のなんちゃって整形外科を標榜されている先生が小児の肘の外傷を見逃されたりすることがあります。
また、軟部腫瘍で様子を見て、1年程で神経鞘腫が大きくなってきたり、腱鞘巨細胞種が大きくなった患者さんを経験しています。
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専門医を持っている「科」のみ標榜できるようにすれば良いだけでは。
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専門医でもない近所の内科医が、HPでは
「肝胆膵領域」について、
「専門的に」みますって
宣伝してるんですが、
先日、当院の内科(肝胆膵専門外来)に紹介があり、
「一度専門医のご意見をお伺いしたい」
って記載されていて、
専門的に見れてないじゃん。。。ってなっているのをみて、誇大広告だと思いました。
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よくありますね。こんな診療所、、、、
特に整形外科の標榜なんて、腐るほどありますね、、、、
そのくせ、その診療所、X線画像に骨傷を見つけようものなら、「これは大変!! すぐに整形外科に行ってくれ!!」なんて、、、、
お前の所、看板に整形外科ってかいてあるだろ!!
患者に申し訳なくないのか!!
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1000人程度の島を一人で担当する離島診療所医師は 全科 です。
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これを是正するための専門医制度なのだが、機構自体がグダグダでただの天下り機関になってしまって大変残念です。
今の若い医師は何の意味もない専門医を取るために、機構の指定した病院とカリキュラムを強制されてますね。
結果、内科外科不足を招くというお粗末。
はじめから医師会を倒す気概がないなら、機構なんぞ作る必要もなかったものを。
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>①それはみているのではない。適当にみているでしょう。内科が小児科をしっかり見るのは不可能。
よく見てください。
「①内科は小児科も標榜するが、逆は少ない」
小児科が内科を標榜するケースの事を指摘されています。
私自身も内科のDrが小児科を適切に診る事は、不可能とは言わないですが、かなり困難だと考えます。
1次救急で診た小児の親に相談された場合の返答として、「内科・小児科」というクリニックであれば、内科と小児科を別々の先生が診ていらっしゃるケースでなければ、個人的にはお勧めしない。逆に「小児科・内科」と標榜されているなら、検討してもよろしいのではないでしょうか。と答えています。
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専門外の医師が、門外漢の医師が「肛門科」を標榜することが横行しているように、「小児科」や「整形外科」でも同じような事があるんですね。
「骨折診れないなら整形外科を標榜するな」
と憤慨していた整形外科の先生もおられましたし、
「水虫と湿疹の区別がつけられないなら皮膚科を標榜するな」
「漫然とステロイドを出して皮疹の観察をしない内科医師は皮膚科の看板を下げろ」
と皮膚科医時代に上司が言ってましたねぇ・・・。
看板の問題は肛門科に限った話ではありません。
結局、「専門外の領域に手を出してでも売上げをあげたい」という下心に他ならない。
医療は普通の商売とは違いますが、開業コンサル達は医師にビジネスマーケティングを教える。医療をビジネス化する。
医業と企業の一番の違いは
企業は顧客を増やすことで利益をあげるけれど、
医業は顧客を減らすことを目標にしなければならないという点。
これが決定的に違う。
なぜなら病気が治ったら患者が減るからです。
病気が治る=通院が終わる
ということなので、日々、通ってくる患者さんは減るわけです。
そういう構造の医療に一般のビジネスを持ち込むから「おかしな」ことが起こる。
増患
違うでしょ
病気の人を減らすことが医療の使命じゃないんですか
つまり究極、医療は「人の不幸がメシの種」。
病気の人が居なくなったら
困っている人が少なくなったら
食いぶちが減る、無くなる。
だから儲からないんです。
まじめに良心的にやっていたら。
儲かるように診療しないと本当に儲かりません。
まじめに良心的にやっている医者のほうが貧乏なんですよ。
先日、まじめに良心的に医療をやっている先生のクリニックが倒産しました
コロナ禍で受診抑制が起こり、ワクチン接種にも手を出さず、患者さんのことを大切にしている先生でした。
一方、PCR検査をやりまくり、コロナワクチンを月に千人近く接種したクリニックは1ヶ月の売上げがワクチンだけで月に1千万円を超え、ビルを建て替えたり、車を買い換えたりしています。
悲しいけれどそれが現実です
だから、、、まじめに、患者さんのために医療をやりたいと思って開業すると大変な目に遭います。
うちは自由診療だから生き残って来れました。
手術を1件もしなくても経営していけるような価格体系にしているので、売上げのために手術をする必要もありません。
治療とは患者さんが自分の生活の中で行うもの
痔にならないよう予防のために行ってみる肛門科
を目指してきたので、これからも予防医療と健康に力を入れていきたいと思っています。
そうすることが「病気を減らす」ことに繋がると信じて。
患者さんのリクエストで復活させた
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