医師サイトを見ていたらこんなニュースが・・・
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適切な診察せず患者死亡 神奈川県立病院入院
神奈川県立精神医療センター(横浜市)は2日、2023年に入院していた40代男性が向精神薬の副作用で重い便秘症状だったのに適切な診察や検査を受けさせず、イレウス(腸閉塞(へいそく))により死亡したと発表した。
医療過誤と判断し、今年5月に遺族へ謝罪。
外部の専門家を加えた調査委員会で詳しい経緯を調べる。
センターによると、男性は精神疾患のため22年春に入院。
23年5月31日、看護師が男性が嘔吐(おうと)した跡を病室で確認したが、医師に報告せず、診察や検査といった対応を取らなかった。
約3時間後に男性は心肺停止状態で発見され、間もなく亡くなった。
死亡前の数日間も排便が少ない状態が続いていたが、腹部の聴診などをしなかった。
当初、センターは医療事故には該当しないと判断していたが、センターを運営する県立病院機構が再検証を求め、23年11月に過失があったと判断を改めた。
田口寿子(たぐち・ひさこ)所長は記者会見で「便通管理の対応が十分でなく、恥ずかしく残念に思っている」と述べた。
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Yahoo! Newsにもありました↓
精神科の病院での腸閉塞の死亡。
精神科の薬で便秘になることが多いので、多くの患者さんが下剤を出されて服用されています。
この患者さんの下剤の服用歴が記載されていないので分かりませんが、多くのケースで処方されているので、もしかして下剤を服用されていたかもしれませんね。
そしてポイントは「死亡前の数日間も排便が少ない状態が続いていた」という点。
毎日少量の便は出ていた。
ではなぜ腸閉塞になったのか
便秘で人が死ぬことがあるということを私はこの本に書きました↓
お持ちの方は是非この本の44ページから読んで下さい。
腸は便を作って運ぶところ
肛門は出来上がった便を出すところ
そのどちらで便が停滞しているのか
そこを見極めて治療しなければ便秘は解消されません。
なぜなら口から入る食べ物や乳酸菌や食物線維、下剤は出口の肛門には効かないからです。
これから作られる便には効きますが、既に出来上がって出口付近までおりてきている便や、出し残した「出残り便」には効きません。
便秘は出口で起きているのに腸に効くモノを飲んだって解決しないのです。
そこを分からずに闇雲に便秘治療をしても的外れな治療になるどころか、出残り便が古くなって大きな便塊となり、奥から下剤がよーく効いた軟便・下痢便が押し寄せてきて、便塊の隙間を通り抜けて便が出てくるという現象を引き起こします。
便栓塞(いわゆる「糞詰まり」)の話は2冊目のこの本
52ページと39ページに書いてあります。
イラストが分かりやすいので是非見て下さい。
今回の亡くなった患者さんが下剤を服用されていたとしても、糞詰まりは起こります。
下剤は出口には効きませんから。
「死亡前の数日間も排便が少ない状態が続いていた」と記載がありますが、毎日排便があったけれど便の量が少なかったのか、排便の回数が少なくなり毎日出なくなっていたのか、どちらなのかは記事中からは読み取れません。
いずれにしても便秘による腸閉塞で亡くなった。
腸が閉塞したのだから腸が悪いと思われる方が多いと思いますが、出口に硬い便がパンパンに詰まってしまい、腸まで便が溜まるようになってしまったという状況も十分に考えられます。
臨床現場でも便秘といえば下剤の処方だから、何か対処したとしても下剤を飲ませる、飲んでいる下剤の量を増やすということになったでしょう。
実際多くの臨床現場でそのような対応がなされています。
誰も出口の肛門には意識を向けてくれません。
便秘は出口で起きているかもしれないのに、肛門に便があるかどうか、詰まってないかどうか、直腸診で確認されることは少ないです。
まずは下剤を出す前に直腸診をして出口の便を確認してほしい。
そこに便があるなら、まずは出口を空っぽにするべきなのです。
出口が詰まっているのに奥の腸から便を送り出しても便秘は解消されませんから。
医師向けの雑誌社から依頼を受けて若手の医師向けにベッドサイドですぐに使える便秘の教科書を書いて欲しいと言われ執筆したのがこの本です↓
電子書籍です。
一般の方も購入できるので是非読んでほしい。
こんなメッセージも書きました↓
一部抜粋↓
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「便秘治療=下剤の処方」だけではない 便秘治療革命とも言える斬新な内容!
便秘患者に遭遇したとき多くの医師が下剤を処方しようとするだろう。しかしそこで立ち止まって考えてみて欲しい。「その下剤は本当に必要なのか?」と。なぜなら筆者は必要のない下剤を飲んだせいで苦しんでいる患者を大勢診てきたからだ。
下剤は「これから作られる便」には効くが、「すでにでき上がって出口(直腸・肛門)まで下りてきている便」には効かない。問題は出口(直腸・肛門)で起こっているのに、お腹(腸)に効く下剤を処方しても問題は解決しない。出口の便秘に下剤は効かない。
このコンテンツは便がどこで停滞しているのかを見極めた上で処方を組み立てていく、そんな誰も教えてくれなかった便秘の捉え方を解説した今までにない便秘治療の指南書である。
便秘治療は患者の症状・愁訴をなくすことがゴール。決して下剤を処方することが治療ではない。若手医師には「便秘患者に下剤を出す前にこれを読め!」と言いたい。
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便秘で死ぬことがあるなんて知らなかった・・・と衝撃を受けた人もおられるでしょう。
たかが便秘
されど便秘
そしてどこで便秘をしているのかを見極めて治療をしないと、こういった悲劇が起きることがある。
出口の便秘について医療従事者に知ってもらおうと講演活動をしてきました。
これからも頑張って広めて行きたいと思います。
患者さんのリクエストで復活させた
化粧品と発酵素するりの記事は
コチラ
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