24年ぶりに来院された患者さんを診察したら・・・ | みのり先生の診察室

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肛門科専門医の女医がつづる
お尻で悩める人へのメッセージ

先日24年ぶり患者さんが来られました。

 

24年前に脱肛で手術を受けられた患者さんでした。

 

カルテをみると立派な脱肛でした。

 

手術で痔核を切除して、何もなくなった肛門はスッキリきれいにキラキラ

 

それから肛門には何事もなく快適に過ごしておられたそうです。

 

ところが・・・

 

10年前からかゆみ腫れガーン

 

良くなったり悪くなったりの繰り返し。

 

そこで久しぶりにうちの診療所のホームページを観られたそうです。

 

24年前は「大阪肛門病院」でしたが平成19年に「大阪肛門科診療所」に名称変更、組織変更しています。

 

だから「あれ?病院なくなったのかな??と思われる昔の患者さんもおられます滝汗


 

なくなってませんので〜。

 

だから(旧 大阪肛門病院)と記載してるんです。

 

今年でちょうど創立111年なんですよ。

 

 

ホームページを見てウォシュレットを使うのをやめたところ・・・

 

肛門の腫れがひいてへこんだそうです。

 

患者さんが「腫れ」と表現していたものは「皮膚のたるみ」「皮膚のシワ」でした。

 

ウォシュレットで洗い過ぎて皮膚が荒れると、肛門がボコボコになるのはよくあることです。

 

そしてあんなに悩んでいたかゆみも改善。

 

 

調子よくなったし受診キャンセルしようかな・・・

 

と思われたそうですが、

 

せっかく予約取ったし、次予約するとなるとまた3か月後になるから・・・

 

ということで来院されました。

 

 

そうなんです。

今、初診の予約は3か月待ちなんです汗

 

「今、調子悪いから診て欲しい」と思ってもすぐに受診できない状況で大変申し訳ないです汗

 

 

一度痔を治して卒業された患者さんを「出戻り患者さん」と呼んでいますが、20年以上前に治療した人が多いです。

 

その理由は単純です。

 

便通の治療をしていなかったからです。

 

 

患者さんの昔の紙カルテを見ながら気付きました。

 

この頃はまだ出残り便秘について私たちが全く認識していなかったのだと。

 

 

この頃は他の肛門科と同じく標準治療をしていました。

 

手術件数も多かったです。

 

「ここの手術は痛くない」

 

という評判で遠方からも多くの患者さんが手術を受けに来られていました。

 

 

出口の便秘治療が始まったのは2001年頃からです。

 

師匠の増田芳夫先生が大阪肛門病院に赴任されてからです。

 

そこで私たちは衝撃的な事実を目にすることになりました。

 

 

肛門や直腸に溜まっている便を出せ

 

という治療。

 

 

初めて浣腸を使ったときの衝撃は今でも忘れられません。

 

 

肛門の便を出さずして痔の治療なし

 

それが増田先生から教わったことでした。

 

 

以来、浣腸から坐剤に変更して10年以上が経ちましたが、この時に増田先生に出会ってなかったら今の治療はありませんし、保険診療の肛門科と同じことをしていたら病院は淘汰されて潰れていたと思います。

 

そんな話を患者さんにしました。

 

なるほど・・・と納得。

 

 

毎日排便があってとても快便なのに、どうして自分が痔になったのか不思議だったそうです。

 

体質や家系、遺伝だと思いがち。

 

でも理由は簡単。

 

出口に便を溜めているから。

 

 

手術で痔を治しても、また肛門に便を溜めて生きたら肛門にトラブルが起こる。

 

そのトラブルが前回はイボ痔(痔核・脱肛)だったけれど、今回はかゆみとして発症しただけ。

 

 

診察したら肛門の中が便まみれでした。

 

今日はドッサリ出てスッキリしているのに!?

 

と患者さんはビックリされていましたが、便が残っているのに残便感すらない、結構な量が溜まっているのに便意もない、かなり肛門の感覚が鈍っている証拠。

 

坐剤と浣腸を使って便を出し切ってもらいました。

 

 

肛門は便の通り道。

 

便が通過していく所であって便を溜めておく場所ではありません。

 

 

いつも空っぽ。

そこに便はないんです。

 

 

そんな通り道に便を溜めたから痔になった。

 

 

それを説明すると多くの患者さんが腑に落ちたと言われます。

 

 

手術で痔は治りますが

手術しても便秘は治りません。

 

 

だから出口の便秘を続けるとまた痔になってしまう。

 

 

そんな便通だから痔になったのだ

 

ということを肝に銘じて、痔が治ったあとも排便の管理だけは続ける必要があった。

 

出口の便秘治療をしていない時期に治療を受けられた患者さんの多くに痔の再発があると思われます。

 

痔になった時に別のクリニックに行く人もいるでしょう。

 

 

そこでまた痔の治療と称して手術や注射療法、薬を使っても根本治療になりません。

 

 

痔は間違った排泄の結果生み出されたもの。

 

だからその間違いを正さなければ結果として痔が生まれる。

 

何度でも。

繰り返す。

 

 

だから痔の根本治療は痔の原因となった便通を治すこと。

 

 

今では手術をせずに便通治療が主体となっています。

 

24年前と方針が随分変わったことを患者さんを通して改めて自覚しました。

 

治療は変遷していきます。

 

私たちの方針も変わっていきます。

 

 

だけど根底にある理念が変わらないから111年続いているのだと確信しています。

 

 

理念や精神を次の世代にきっちりと伝えて行くことで次の100年があるのでしょうか。

 

後進は着実に育っています。

 

ちゃんと引き継ぎます。

 

でも私、90歳まで現役で仕事するつもりなので(80代で現役バリバリのドクターを数名間近で見ています)最後までお付き合い頂けると嬉しいですおねがい

 

診療所のセラピードッグ「ラブ」あしあと

ラブの存在にもビックリされていた患者さんびっくり

手術の時もラブが付き添いますしっぽフリフリ

 

 

 

 

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