生きるためのエネルギー源となるATP（アデノシン三リン酸）を作るのに必要な物質コエンザイムQ10。
これがないとせっかくミトコンドリアでTCAサイクルを回してもエネルギーとして利用できません。
例えて言うなら、発電所で一生懸命燃料を燃やして電力を作ったのに、それを取り出して送電できず、建物に電気が送られない状況。
TCAサイクルを回すのも大事だけど、せっかく回ってるのに、作ったものを取り出せないとエネルギー不足になってしまいます。
最近、コエンザイムQ10を出すことが増えてきました。
私自身がこれを飲んで元気になったからです。
毎日飲み続けると1週間で血中濃度が一定になるというデータがあります。
でも飲み続けなければ血中濃度は下がってしまう。
だから飲み忘れないようキッチリ飲んでいます。
血中濃度を下げないように。
吸収が良いように必ず食後に飲むのも大切。
このコエンザイムQ10の原材料の中にカラメル色素があります。
サプリに詳しい患者さんから「カラメル色素は発ガン性があるが大丈夫なのか？」というお問い合わせを数件いただきました。
診察室でもお答えしたのですが、ブログでも解説したいと思います。
カラメル色素はカプセルに色を付けるために使われている添加物。
サプリを美味しそうに見せる効果もありますが、コエンザイムQ10にカラメル色素が使われている理由は紫外線をブロックするため。
コエンザイムQ10は紫外線で破壊されてしまうのです。
だからカプセルに着色して紫外線をブロックしている。
どうしても必要な添加物なんですよ。
カラメル色素には
カラメルⅠ
カラメルⅡ
カラメルⅢ
カラメルⅣ
の4種類あります。
カラメル色素はデンプンや糖類を加熱処理して作られます。
カラメル色素Ⅰは単に砂糖を煮詰めただけなので無害。
ところがカラメル色素Ⅱ〜Ⅳは製造コストを抑えるため加熱処理する過程で以下のような添加物を加えています。
添加物を加えて加熱処理する方がダンゼン安く作れる。
カラメルⅡ：糖類に亜硫酸を加えて加熱
カラメルⅢ：糖類にアンモニア化合物を加えて加熱
カラメルⅣ：糖類に亜硫酸とアンモニウム化合物を加えて加熱
アンモニア化合物はマウスやラットにおいてリンパ球減少症や免疫機能低下を引き起こしています。
また加熱処理する過程で副産物として４−メチルイミダゾールという化学物質が作られる。
これらは発ガン性があるため、カラメル色素Ⅱ〜Ⅳを使用しているサプリメントは要注意。
ただ単に「カラメル色素」としか記載していなければⅠ〜Ⅳのうちどれか分からない。
メーカーに問い合わせるしかない。
診療所で処方しているコエンザイムQ10の中に入っているカラメル色素はカラメルⅠ。
製造コストは高く付くけれど安全性を大事にしたいというメーカーの姿勢が伺える。
色々な医療機関専用サプリメントがあるけれど、品質はメーカーによってまちまちで、だからこそ厳しい目で選んでいます。
仕入れてみて初めて中身が分かることも多く、試飲して効果を感じなかったり具合が悪くなるものは却下してきました。
私がサプリを選ぶときに大切にしているポイントは順に
①安全性
②有効性
③価格
です。
なるべくコスパが良いものを選んでいますが、安全性には変えられません。
というわけでコエンザイムQ10に入っているカラメル色素はカラメルⅠなので無害です。
カラメル色素Ⅱ〜Ⅳは発ガン性があるので注意しましょう
診療所のセラピードッグ「ラブ」
忙しくて全然散歩に行けない
犬のようちえんで
お散歩に連れて行ってもらったラブ
嬉しそうです
構ってあげられなくて
ゴメンね
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