溜まりに溜まっている患者さんのアンケートをご紹介。
だいぶ追いついてきましたよ。
今年受診された患者さんのアンケートです。
今日ご紹介する患者さんは50代女性。
なんと10代の時、受診され久々の来院となりました。
この患者さんは2021年の年末に浣腸が逆流するほどの硬い便で出なくなり、12時〜17時の間、トイレの出入りを繰り返し、やっといきんで便が出たとのこと。
その時は尿まで出なくなり大変だったそうです。
人生で一番ひどい硬い便だったと問診票に書かれていました。
その後、気を付けていたのにまた同じような硬い便が詰まりだし、浣腸が逆流し、尿も出なくなりましたが、幸い2時間くらいで便を出すことができました。
排便は5〜6日に1回、週末排便です。
会社が休みの日だけ便が出ます。
平日は便が出てなくても、お腹の張りもなく食欲もいつも通りあります。
相当、オシリも体も便を溜め慣れていますね
週末排便で硬い便が出るときだけ浣腸を使われていたそうです。
コロナ禍前はスイミングに行っておられて、その頃は毎日排便があったということですので、まさしくコロナ便秘ですね
この患者さんに起こっていたことは、まさしく便栓塞。
糞詰まりです。
便は急に詰まりません。
日頃の蓄積の結果です。
毎日便が「出ない」のではなく、出口まで降りてきた便を「出してない」だけ。
便がそこにあることに気づかない鈍感なオシリになってしまった結果です
浣腸は糞詰まりになってから使っても効きません。
詰まった便に注入した浣腸液が跳ね返って戻ってきてしまいます。
この場合、出口の詰まりを取り除いてから浣腸すればちゃんと効きますが、自己摘便は危険なので医療機関を受診して摘便をしてもらいましょう。
この患者さんは浣腸を時々使っておられましたが、安全性も考慮して坐薬をオススメしました。
そして2週間後・・・
仕事のある平日は便意もなく、便も出ないので夜に坐薬を入れてみたそうです。
そうすると便はちゃんと出ました。
要するに腸はちゃんと動いて便を出口まで運んでくれているということ。
その送り届けられた便を感じない、便意もこない、当然、排便もない。
便が出ない原因を腸のせいにしている人が多いですが、実は出口で停滞しているというケースも多いです。
問題は出口で起こっているのであって、腸で起こっているわけではない。
だから下剤も不要。
ただただ降りてきて肛門に溜まっている便を坐薬を使って出してあげるだけでOK
そして仕事がお休みの週末は自然に排便がありました。
やはり排便には時間と心の余裕が必要ですね。
というわけで、この患者さんもめでたく2回目の通院で完治終了となりました。
あとは年に1回のオシリ健診に来年来て下さいとお伝えしてお別れしました。
こうして多くの患者さんが肛門科を卒業していく。
このスタイルは先代も変わらないはず。
いつまでもダラダラ患者さんを通院させるのではなく、痔を治して通院を終わらせ、患者さんとサヨナラする。
うちの診療所は明治45年創立。
今年で110年になります。
だからこの患者さんのように3代、4代にわたって「ご家族で患者さん」というケースも多いです。
うちの診療所の歴史は古いですが、治療方針や術式などは時代の変遷とともに変化してきました。
ただ根底にある理念は変わらないように思います。
オシリの治療を通して患者さんを幸せにする
その思いは変わらない。
そして
必要のない手術はしない
患者さんが望まない手術はしない
その方針も当時と変わらないはず。
主人(現院長)の父が急死したのは、まだ主人が医師になる前、大学5回生の時でした。
その後、当時副院長だった田井陽先生が院長に就任し、大阪肛門病院を守って下さいました。
今から思えば田井先生のご苦労は計り知れないと思います。
一人で懸命に病院を支えて下さった田井先生が病に倒れ、急遽私たちが研修先の東京から戻って来た時には病院は大変な状況でした。
幸いにも一命を取り留めた田井先生が復職されて、数か月間でしたが一緒に仕事をできたことは私たちにとってかけがえのない貴重な経験となりました。
感謝しかありません。
今、私がこうして患者さんのアンケートをブログに掲載しているのは、田井先生がやっておられたことの延長です。
患者さんが書かれた手記をコピーして冊子にし、待合室や病棟に置いておられたのです。
しかもその作業を田井先生自らがなさっていて、当時、何も分からなかった私は不思議に思ったのでした。
田井先生が退職なさった後、その仕事を私が引き継ぎました。
当時はネットなんていう時代じゃなかったので、同じようにコピーしてバインダーに綴じて待合室に置いていました。
今もその作業は続いています。
ホームページの時代になり、自分たちお手製のホームページが時代遅れになって、専門の業者さんにお願いした時に、患者さんの手記を読んだ担当者が「この手記は先生方に対する感謝の気持ちに溢れているだけではなく、痔で悩める人へのメッセージになっている。だからブログという形式で掲載すべきだ」とアドバイスしてくれました。
そこからが始まりです。
業者さんに患者さんのアンケートを手渡し、業者さんが入力して記事をアップするという形態をとっていたのですが、2013年の年末から私がアメブロに参入。
私自身が書いて情報発信することにしました。
書いて下さったアンケートに私のコメントを返すという形式は今も変わりません。
この試みは思いの他、患者さんから喜ばれました。
「私のアンケートを載せてくださってありがとうございます」
と患者さんからお礼を言われるほどに・・・。
いやいや
お礼を言わないといけないのは
こっちのほうでしょ
本当に患者さんには感謝です。
いつしかブログが患者さんとのコミュニケーションツールとなり、ホームページよりも見られているので、お知らせもブログですることが増えてきました。
これからも患者さんのために、痔で悩める人に役立つ情報をお届けしていきたいと思います。
診療所のセラピードッグ「ラブ」
暑すぎて夏はお散歩にも
行けてません
皆さん、熱中症には
気を付けて下さいね
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患者さんのリクエストで復活させた
化粧品と発酵素するりの記事は
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便通・腸を整えて美肌を目指す 元皮膚科・現役肛門科の女医が教えるキレイ術
2020年12月25日に出版し、おかげさまで9刷目となり累計発行部数が3万部を超えるベストセラーになりました
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