溜まりに溜まっている患者さんのアンケートをご紹介。
だいぶ前のアンケートになりますがご紹介したいと思います。
今日ご紹介する患者さんは60代女性。
30年以上前、先代の院長の時に当院で治療された患者さんでした。
うちの診療所は明治45年創立。
今年で110周年となります。
創立以来、全ての患者さんのカルテが保存されています。
カルテは患者さんの大切な記録であり診療所の財産。
だから大切に守り続けてこられたのでしょう。
私たちも次の世代にしっかりと引き継ぎたいと思います。
この患者さんは30年前に当院で入院手術を受けられて問題なく完治していました。
手術が終わって痔が治ったら普通は肛門科に通いませんので、それ以降、一度も通院歴はありません。
アンケートに書かれているように調子が良くて困ることが無かったようです。
昔、当院で手術を受けられた患者さんは「手術の腕がいいから痔の再発がない」と思っておられたようですが、残念ながらどんなに手術の腕が良くても、また出口に便を溜めて生きたら痔になります。
だから手術の腕じゃないんですよね
きっと、ちゃんと排泄できていたのだと思います。
ところがトイレで力んだ際に肛門付近にビー玉サイズの腫れが出現。
近所の外科を受診したところ、病名も言われずその場で手術をされたそうです。
1週間後に抜糸。
だけど腫れはまだある。
完治していないのに、先生は話を聞かないし、説明もないため、通院をやめて私の外来に来られました。
診察すると血栓性外痔核でした。
ブログをずっと読んで下さっている方はご存知でしょう。
切らなくても治る痔、消えて無くなる痔、オシリの血豆、血栓性外痔核です。
詳しい解説はコチラ↓
血栓性外痔核|手術しなくても治る痔、消えて無くなる痔、おしりの血豆
この患者さんは抜糸をしてもらっていたのに、診察すると血栓が残っているだけではなく、なんと、糸も残っていました・・・
これじゃあ痛みはとれません
(せめて手術したなら血栓を全部キレイに取り除いてあげて・・・)
こちらで抜糸をし、傷口が塞がるのを待つことにしました。
またウォシュレットを使いまくっていたので肛門周囲の皮膚が真っ赤っかでエラいことになっていました・・・
当然、肛門の中は便まみれ。
それだけじゃなく、ウォシュレットでオシリをキレイに洗ってきたのに、肛門周囲の皮膚に便が付いていました・・・
こんな便通だから痔になることを説明。
出残り便秘については衝撃を受けておられましたが治療はすんなり受け入れられ、1か月半でやっと傷口が治って完治終了となりました。
血栓性外痔核を手術しなければ、こんなに時間はかからなかったでしょう。
3〜4日で痛みは楽になり、1ヶ月もすれば腫れが消えて無くなったはず。
手術したせいで余計に痛い、治らない、時間がかかる。
そんな患者さんを大勢診てきました。
だから血栓性外痔核は手術せずに保存的に治療するほうがいいです。
血栓性外痔核は一度経験すれば患者さん自身が自己診断できます。
そして対処法を覚えれば自己治療できるため、知っておいて損はない疾患です。
うちの患者さんたちは血栓性外痔核になっても受診されず、自然に治るのを待っておられます。
肛門の正しい知識と対処法を手に入れれば、受診の必要もなくなります。
多くの人に知って欲しい疾患ですね。
血栓性外痔核。
特徴的な症状と経過を辿るので分かりやすいです。
ある日突然できる
こりっとしたしこりのようなできもの
ヒリヒリとした表面的な痛み
触ると痛い
当たると痛い
でも排便はできる
排便の時よりもオシリを拭くときの方が痛い
そんな症状があれば血栓性外痔核を疑って下さい。
分からなければ肛門科を受診しましょう。
くれぐれも専門外の先生に脱肛と間違って手術をされないよう注意してくださいね。
診療所のセラピードッグ「ラブ」
散歩が暑い季節になってきました
首に保冷剤を巻いて
散歩してます
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