溜まりに溜まっている患者さんのアンケートをご紹介。
大量に溜め込んでいたので掲載するのがこんなに遅くなってしまいました。
ごめんなさい
今日ご紹介する患者さんは30代女性。
便失禁で悩み遠方から受診されました。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
<初めて受診された時の感想>
愛知県から行くということもあり、また保険が効かないということで、そちらに伺うのは初めは迷いました。
が、地元の大学病院で大きめの直腸瘤(りゅう)で手術を勧められ、貴院のブログに、私の症状に似た内容が書かれてあった為、意を決して電話してみました。
電話で対応して下さった方の優しく丁寧な説明ですっかり気持ちが固まり、行くことになりました。
電話の担当の方も受付の方も柔らかな雰囲気で緊張が解け、みのり先生の明るくハキハキした診察で精神的に一気に楽になりました。
主人と一緒だったので、男性側の待合席に座ったのですが、男性側にも男性用の雑誌が置いてあったらいいだろうなぁと思いました(私が気付いてなかっただけかもしれませんが)
<治療してみて、どうでしたか?>
治療前は不安だったのですが、処置のおげで便失禁が大幅になくなり、嬉しいです。(腸液が多いのがちょっと悩みです。)
一緒に診察室で説明を受けた主人の質問にも的確に答えて下さったり、あと他の病院とは違って、私の方にも主人の方にも交互に目を向けてお話して下さったのが印象的でした。
また、たっぷりと時間を割いて診察して下さったので、治療費が高すぎる!!とは全く思いませんでした。
(むしろあれだけやって下さってお値打ち!とさえ思ってしまいました。)
「すぐ治るよ!」と太鼓判を押して下さったのですが、まだまだ少し治療は掛かりそうです。
でも受診前よりぐっと生活がしやすくなり、感謝しています。
ありがとうございました。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
この患者さんは残便感と便漏れを主訴に受診されました。
排便後に直腸に便が残っている感じがして、数分後に下着にべっとりと便が付くというのです。
3年前に自然分娩で出産。
会陰切開を受けておられます。
産後1年たってから初めて便漏れを経験。
その翌年に2人目妊娠。
妊娠後期に便秘になり、マグミットを処方してもらって内服したところ、力まなくても勝手に便が出てくるようになりました。
無事に2人目出産。
その4か月後くらいから本格的に便失禁の症状が・・・。
排便はあるけれどコロコロ便しか出ず、直腸に残った便がしばらくすると出てくる状態。
地元のクリニックを受診。
コロネルを処方されました。
それでも改善しないため、県内で有名な肛門専門の病院を受診。
そこで大学病院を紹介されました。
紹介状を持って大学病院を受診。
直腸瘤と診断されました。
そこで色々と調べたところ私のブログにたどり着かれたようです。
過去にも便漏れ(便失禁)についての記事をいくつか書いています。
診察すると、年齢の割に若干、肛門のしまりがゆるいですが、便失禁で治療が必要なレベルではありません。
便通は2日に1回、しかもコロコロ便と便秘気味。
診察するとコロコロの便が大量に溜まっていました。
今日は排便がありません。
昨日は便が出たそうです。
ということは、直腸診で確認したコロコロ便は昨日の残便です
その奥には粘土状の便がありました。
これが今日の便ですね
まさしく「2段積み」の状態
いっぱい便が溜まっているのに便意無し
肛門の感覚が鈍っています。
「2日に1回しか便が出ない」のではなく「2日分の便が溜まらなければ便意が来ない」状態。
そしてスッキリ出し切れないから、残った便で下着が汚れる。
「排便後に便が残っている感じがして、数分後に下着にべっとりと便が付く」という症状は、まさしく出残り便がある証拠。
まずは座薬で便をちゃんと出し切る治療から始めることにしました。
直腸瘤はありますが程度は軽いです。
手術をする前に、まずは排便を完全に行うことからチャレンジしてもらいました。
そして3週間後・・・
すっかり便漏れが無くなっていました
でも残便感だけはあります。
座薬を使ってスッキリ出し切れているけれど、残った感覚があり、また腸液問題でちょっと苦労されていました。
これは肛門のしまりに関係なく、皆さん、ありますからねぇ
そして、なんと肛門のしまりは良くなっていました
便を出し切って肛門の中を空っぽにしたら、肛門のしまりが改善するということは、たくさん経験しています。
便が直腸・肛門にあると、排便反射によって内肛門括約筋は弛緩するため、便を残したり溜めたりしていると、肛門のしまりはゆるくなるのです。
肛門は便の通り道。
便が通過していく所であって便を溜めておく場所ではありません。
いついかなる時も空っぽなんです。
そこに便はないんです。
そんなところに便を溜めた結果が肛門のトラブル。
直腸瘤はなくなりませんが、この直腸瘤だって直腸に便を残したり溜めたりした結果だと私は考えていて、患者さんには「便溜め袋」と言っています
だから、便を出し切って直腸を空っぽに保つようにすると、少しずつこの「便溜め袋」が縮んで小さくなってくることも多いんですよ。
直腸瘤の手術を受けた患者さんが遠方から来られることがあるので、手術をしても症状が改善するとは限らないという現実を嫌というほど見てきました。
だから最初から手術を勧めない。
まずは便をちゃんと出すことから。
出口が常に空っぽであれば、便漏れは起こりません。
漏れる便があるから漏れるのです。
漏れる便を無くしてしまえば、たとえ肛門のしまりがゆるくても、便漏れは起こりません。
結局この患者さんは2回目の通院で治療が終了しました。
診療所のセラピードッグ「ラブ」
すがすがしい気候
大好きな場所
本当に気持ちがいいです
コロナ後遺症、ワクチン後遺症、イベルメクチンに関するお問い合わせはコチラへお願いします↓
お問い合わせの際は「ブログを見た」とお伝え下さい。
クリックお願いします
患者さんのリクエストで復活させた
化粧品と発酵素するりの記事は
コチラ
便通・腸を整えて美肌を目指す 元皮膚科・現役肛門科の女医が教えるキレイ術
2020年12月25日に出版し、おかげさまで9刷目となり累計発行部数が3万部を超えるベストセラーになりました
オシリを洗っている全ての人に届けたい。
お読み頂けると幸いです。