多くの患者さんが飲んでいる胃酸の分泌を抑制する薬。
胃酸が出過ぎてるから胃が痛い
胃酸のせいで胃が荒れている
そんな風に言われて内科で薬を処方されている患者さんが本当に多いです。
で、本当に胃が荒れてるの
内視鏡で診てもらった
と尋ねると、いや、内視鏡は受けてないと。
ただ症状を話して、じゃ、薬出しときますと言われてもらっただけだと。
え〜っ
検査も何もしてないのね
とビックリすることがしばしば・・・。
最近は薬局でも薬を買えますからねぇ。
自己判断で飲んでいる患者さんもチラホラ。
で、症状は良くなったの
と尋ねると
良く分からない
飲んでも飲まなくてもあまり変わらない
と
じゃ、どんな症状で困ってるの
と尋ねると
食べると胃がしんどくなる
以前ほど食べられなくなった
ちょっと食べただけでお腹がもたれてしんどい
ちょっとしか食べられないから痩せてしまった
肉を食べると胃が痛くなる
と。
これって本当に胃酸の分泌過多なの
逆じゃない
胃酸が出てないから食べた物を消化できていないんじゃないの
ということで、飲んでいる薬をやめてもらって2週間後・・・
なーんにも症状は変わらない
要らんかったやん
その薬・・・
という結末に。
胃酸って食べた物を消化するだけでなく、食物と一緒に侵入してくる細菌などを、強力な酸によって殺菌してくれてるんですよね。
だから胃酸が出てないと悪いモノが体内に入ってきてしまう。
そしてそのまま腸のほうへ流れて行ってしまうと、有害な物質が腸から吸収されてしまいます。
また十分に消化しきれない食物が腸に流入すると、腸管粘膜にダメージを与え、腸が荒れてしまい、リーキーガット症候群の発生リスクが高まってしまいます。
このリーキーガット症候群は様々なアレルギー疾患や自己免疫疾患の原因となっていると言われているだけに、胃酸の分泌はできるだけ抑制しないことが肝要と言われています。
ところが・・・
日本人は「胃が痛い、胃もたれする」というと何でもかんでも「胃酸過多」に結びつけがち。
食べ過ぎたり飲み過ぎたりした時にも飲んでいる人も多いですよね。
実はその症状は胃酸過多ではなく、胃酸分泌が足りてないのかもしれません。
そのような患者さんを大勢診ているので、今一度、本当に胃酸過多であるのか、よーく調べてもらって下さい。
胃酸が足りない、消化酵素が出てない人のために診療所では消化酵素を処方しています。
食べ過ぎた時だけ飲んでもOKですし、もちろん毎日毎食後に飲んでもらったら、食後の胃もたれやむかつき等が改善し、少量しか食べられなかった人でも食べられるようになっていきます。
胃腸が弱っていると、サプリを飲むのもしんどくなるので、そのような患者さんには腸をサポートしてくれるマルチビタミン&ミネラルを処方しています。
私も胃酸の分泌が足りないので飲んでいるのですが、食べた後の胃もたれが無くなりました。
これと消化酵素をセットで処方。
私はおかげさまで胃の調子が良くなったので、今は消化酵素は食べ過ぎて胃もたれした時や焼肉を食べたあとだけ飲んでいます。
私もそうだったのですが、
焼肉が苦手、
焼肉を食べると胃が痛くなってしんどくなる、
特に赤身がしんどい・・・
という人は胃酸がちゃんと出てない可能性があります。
現代の日本においては胃酸=悪者のようなイメージが定着しつつあって、胃酸分泌抑制社会となっていますが、実は逆の現象が起こっている人が多いんじゃないかな。
逆流性食道炎や胃炎と言われて胃酸を分泌する薬を飲んでいる人は、今一度立ち止まって考えてみて下さいね。
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