溜まりに溜まっている患者さんが書いて下さったアンケートを今日もご紹介。
忘れないうちに最近来られた患者さんのアンケートを先にご紹介します。
過去に2回も痔の手術を受けられて、7軒も肛門科を回ってから困り果てて遠方から受診されたのでした。
まずはお読み下さい。
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2020年7月に2度目の痔の手術をしてから1年間ずっと手術をした2箇所にヒリヒリするような痛みと灼熱感のような不快な(座るとひどくなる)症状があり、手術をした病院に行くも原因がわからず、とても不安な日々を送っていました。
コロナでずっと行くのを戸惑っていましたが、不安な日々でうつになりそうだったので少し遠いですが、みのり先生の所へ行くことを決心しました。
ひどい後遺症だったらどうしようと思いましたが、診察の結果は変形もしてないし、大丈夫と言ってもらえて安心して泣いてしまいました(笑)
少し皮膚が薄くなっていて、それで灼熱感が出ているのかも?とのこと。
そして少しお尻の穴が狭いとのことで、最初の手術後からずっとみのり先生のブログを見ていたので、治療内容をスッと受け入れることができました。
先生はめちゃめちゃ関西弁でとても早口でしたが、ハッキリと大きい声で薬の使い方も自らこの体勢でこうやるんやでと丁寧に教えて下さり感動しました。
肛門科には7軒くらい行きましたが、こんなに時間をかけて下さる肛門科は初めてでした。
診察後から1週間目
排便で出血が2回あり、マッサージも痛かった。
坐薬も1日に3〜4回使っており、お尻の穴がヒリヒリ。
気になっていた症状もまだ全然ある。
マッサージの後のお尻の穴を拡げる特殊訓練も血が出て痛かった。
これで良くなるの?と不安になる。
でも先生を信じて教えてもらったことを毎日続けてみる。
2週間目
マグネシウム330mgを4〜5錠飲んでいたが、ゆるい便が出るとお尻のヒリヒリが強くなるので様子を見て、1週目の終わり頃から減らしていき、診察してもらってから10日後にはマグネシウムを飲むのをやめてみたら、朝一に太くて程よい硬さの便が出るようになった。
朝の排便後、坐薬をすると必ずたくさんの便が出る。
その後もペーパーに便がつくので朝は2回坐薬をしている。
夕食後もお腹の張りがあるので坐薬をするとコロコロ便と普通便が出る。
今は1日3〜4回坐薬をしている。
マッサージ(5分)も特殊訓練(15分)も朝昼晩 続けている。
お尻の穴が広がった感じがある。
マッサージもあまり痛くない。
かなり症状は良くなったが、もう少しヒリヒリと灼熱感が残っている。
<治療が終わって>
少し症状は残っていますが、かなり良くなってきました。
マッサージをすることで、どこが痛いのか分かってきた気がします。
そしてマグネシウムをやめれた事が何より嬉しいです。
もう一生マグネシウムを飲まないとダメだと思っていましたが、あっさりやめることができて感動です
でも坐薬はまだまだ続けないとダメなようですが、、、(笑)
そしてお尻も少しずつですが、広がってきていると実感しておりますが、症状がなくなることを願って、みのり先生を信じて毎日頑張っていきます
本当にありがとうございます。
みのり先生の所へ行って大正解
これからもよろしくお願い致します。
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最近、新患で来られる患者さんの悩みで多い「オシリのヒリヒリ」。
原因は洗い過ぎが多いのですが、その次に多いのが酸化マグネシウムによる軟便・頻便・下痢便です。
何度もブログで書いていますが、酸化マグネシウムは「やわらかい便を作る」薬です。
決して「便を出す」薬ではありません。
これから作られる便の材料にはなりますが、既に出来上がって出口に下りてきている便には効きません。
必要の無い人が飲むと「ねちょっとした軟らかい便」になるため、かえって便のキレが悪くなり肛門に残りやすくなってしまいます。
腸は問題なく機能しているのに酸化マグネシウムを飲むと、軟便が製造され、それが腸の中を流れ、何度も肛門に押し寄せるため1日に何度も何度も便が出たりする。
何度もトイレに行くからオシリが荒れる。
便のキレが悪いから何度も拭く。
キレイに拭き取れないから洗いたくなる。
そうやって拭きすぎ、洗い過ぎたオシリの皮膚は荒れ放題で悲惨なことに
ヒリヒリする
座るときに痛い
という症状があるわりに、排便の時、肛門は痛くない。
問題は肛門の外側で起こっているという人が最近本当に多いです。
診察したら意外と切れ痔(裂肛)もいぼ痔(痔核・脱肛)も無かったりする。
なんや
ただの拭きすぎ、洗い過ぎやん
という患者さんばかり。
なんでこんなに同じ症状の人が続くの
っていうくらい似たような症状の患者さんが続いています。
この患者さんは痔があって手術を2回も受けられていましたが、痔もない、手術もしたことないという人も多いです。
痔にしろ、オシリの外側のヒリヒリにしろ、便通を治さなければ決して問題は解決しません。
長年、酸化マグネシウムを飲んできた人は「やめるのが怖い」とよく言われます。
飲むのをやめたら便が出なくなるんじゃないかって不安なようですが、勇気を出してそこを乗り越えないと、軟便・下痢便・頻便だと、肛門の皮膚症状は治りません。
やめてみたら「太くて程よい硬さの便」が出て、
な〜んだ
薬いらんかったやん
飲まなくても便出るやん
という結果になることが多いです。
必要のない下剤を飲んだせいでオシリを悪くしている人がいかに多いことか。
軟便・下痢便・頻便になると肛門の皮膚が荒れるだけでなく、それが長期にわたると肛門が狭くなってしまうことがあります。
そんな患者さんをたくさん診ているので、漫然と下剤を飲み続けている人は一度振り返ってみて下さいね。
それにね
酸化マグネシウムを飲んで毎日便が出ていても、スッキリ出ずに肛門に残っていたら便秘ですよ。
私たちはそれを「出残り便秘」と名付けて説明していますが、痔や肛門のトラブルの背景には必ずと言っていいほどこの出残り便秘があります。
だから肛門のヒリヒリは便をスッキリ出し切らないと治らない。
スッキリ排泄できていれば紙に便は付きません。
だから洗う必要なし。
過剰衛生を止めないと皮膚は良くなりません。
痔も同じです。
手術して痔を治しても、痔の原因となった便通を治さなければ何度でも痔になります。
痔になる度に何度も手術を受けている患者さんも来られますが、皆さん、手術だけ受けて便通を治してないんです。
なぜ痔になったのか
なぜヒリヒリするのか
よーく考えてみて下さいね
必ずそれを引き起こしている原因があるはずですから。
この患者さんは2回も痔の手術を受けられていたので、きっと後遺症でヒドいことになっているに違いない・・・と思って緊張して来られたのでしょう。
診察で大して悪くないことを告げると泣き崩れられました。
ずっと悩んで来られたんですね。
とてもつらい日々だったでしょう。
肛門は狭かったけれど手術しなくても治せること、便通を治せば今の症状は改善することをお伝えしたら、本当に2週間で良くなるのかと半信半疑だったようですが、再診で来られた時には見事に肛門も拡がって皮膚もキレイになっていました
排便の管理と肛門マッサージは続けてもらう必要がありますが、歯磨きと同じように出口の手入れと思って続けて下さいね
またお会いできるのを楽しみにしてます
診療所のセラピードッグ「ラブ」
ラブと一緒にお待ちしてますね
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化粧品と発酵素するりの記事は
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便通・腸を整えて美肌を目指す 元皮膚科・現役肛門科の女医が教えるキレイ術
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