今日も溜まりに溜まっている患者さんが書いて下さったアンケートをご紹介♪
立派な脱肛だった30代女性患者さんです。
切れ痔(裂肛)は1回だけでも硬い便が出たらできてしまうけれど、いぼ痔(痔核・脱肛)は1日にしてならず。
相当長い期間かかってできます。
最初は肛門の中に小さくおさまっているので気付きません。
それがすこーしずつ長い年月をかけて大きくなっていき、肛門の外に出てくるようになって初めて存在に気付く。
そうなるまでに10年くらいかかっていることが多い。
ましてや毎日排便があったら本人に便秘の意識ゼロ。
だったらなんでそんな立派な痔になったのよ
その答えが出口の便秘。
毎日便が出ていてもスッキリ出ずに中に便が残っていたら便秘です。
それを私たちは出残り便秘と名付けました。
この患者さんのように「糞詰まり」状態になっているのに気付いていない人も結構いて、診察して「肛門の中にいっぱい便がありますよ」というとビックリ仰天されます
糞詰まりになると坐薬だけでは便が出し切れないことも・・・。
摘便して詰まった便を取り除かなければ、その奥に溜まっている便が出てくれない。
そして坐薬だけでは出し切れない便は浣腸をして出してもらっています。
その浣腸も1回ですまず、何度も繰り返してやって、やっと全部出し切れた〜ということもしばしば。
それだけ便を肛門に隠し持ってたら痔にもなるわな・・・
出した便を見て患者さんも納得。
こんなに肛門の中に入ってたのね
痔は排泄の結果です。
その間違った排便を直さなければ、たとえ手術してイボ痔を取り除いても、また何年かしたら痔になってしまいます。
だからどんなにヒドイ痔があっても私はその場ですぐに手術を勧めない。
なぜならそんな便通で手術してもうまくいかないから。
便通を直してから手術しても手遅れにならない。
まずは痔の原因となった便通を直してもらう。
そうしたら、それだけで痔が改善することも多い。
そうなると手術を覚悟して受診した患者さんも手術をせずに痔と付き合っていく選択をする。
そうやって10年以上、手術と言われた痔を悪化させずに付き合っている患者さんも大勢います。
痔があっても、困っている症状が何もないなら、手術せずに持っていもていいんですよ。
手術はいつでもできるから。
妊娠中も坐薬は使えるので、便秘を悪化せずに無事に出産を終えている患者さんもたくさんいます。
ヒドイ痔だからってあきらめないでくださいね
診療所のセラピードッグ「ラブ」
お散歩大好き
満面の笑みです
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