今日ご紹介する患者さんは70代男性。
28年前に当院で手術を受けて痔を治したあと、久々の来院となりました。
まずは書いて下さったアンケートを。
この患者さんが28年前に手術をされた時は先代の院長の時でした。
昔の患者さんが来られることが時々あるのですが、患者さんのオシリを通して先代の治療を見ることができ、非常に勉強になるだけでなく、何の後遺症もなくきれいな肛門を見ると嬉しくなりますね。
この患者さんのように昔、痔で手術をして治したけれど、数年、数十年たってから、また痔になって来られる方がおられます。
痔の種類も色々ありますから、この患者さんのように前回は痔瘻だったけど、今回はいぼ痔(痔核・脱肛)と、痔が違うことも多々あります。
時々、他院で手術を受けられた患者さんが
「手術すれば二度と痔にならない」
と説明を受けておられることがあるのですが、痔の原因となった便通や習慣を直さなければ、また何度でも痔になりますよ。
それは患者さんで実証済み。
うちの施設は保険が効かないため、保険診療の色々な肛門科(を掲げている施設)を回ってから来られる患者さんが多く、手術を受けて痔を治し済みのケースも結構あります。
手術して治しても何度でも痔になるんだ・・・
と20年以上前から不思議に思っていました。
その原因を突き止めたところ出残り便秘に行き着いたわけです。
この男性患者さんの出血の原因は内痔核でした。
ただし大きさは小さく、脱出症状も痛みも何もありません。
手術は必要なし。
出血に対してジオン注射(ALTA療法)を勧められるケースも多いでしょう。
でも、多量の出血でも、ちゃんと便を排泄して肛門の中を空っぽにすれば、肛門の負担が無くなって、出血がピタッと止まってしまうことをたくさん経験しています。
だからまずは便通を直してみる。
この患者さんにも「治療の第一歩は正しい排泄から」ということで、出残り便秘を直してもらいました。
そうしたら出血は1週間以内に止まり、2週間後に診察に来られた時には「どこにイボ痔があったっけ?」っていうくらい、痔核も小さくなって分からないほどでした。
あとは排便管理を患者さんが生活の中で続けるだけ。
通院も終わりです。
多くの患者さんが2回目の通院で治療が終了し、そのあとは年に1回のオシリ健診で来られています。
この患者さんも「来年元気でお会いしましょうね!」とお別れしました。
排便管理がちゃんと出来ていれば、出血したり痛くなったりしないので、肛門科に通院する必要がなくなります。
高血圧や糖尿病などで通院する内科と違って、肛門科は痔が治ったら通院が必要なくなる科です。
ずっとダラダラ通院せずに、痔を治して通院を終わらせて下さいね
痔を治して通院を終わらせようよ
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