会社辞めたら肛門が拡がった?! | みのり先生の診察室

みのり先生の診察室

5万人以上の「オシリ」を診察してきた
肛門科専門医の女医がつづる
お尻で悩める人へのメッセージ

肛門狭窄症の患者さんに行っているブジー治療。

 

以前は手術をして拡げていたのですが、結局手術して拡げても、数年経つとまた狭くなってくる患者さんもいるし、他の肛門科で手術をして拡げてもらったけれど切れ痔を繰り返すという患者さんも受診されることが増えてきて、何度手術しても結局同じだな・・・という結論に至り、ブジー治療と肛門マッサージを始めました。

 

治療成績は中々良好で、ほぼ100%の患者さんが排便に支障がないくらいまで広がっています。

 

でもね・・・

 

ブジー治療って痛いのですタラー

 

結構ツライ治療でして・・・あせる

 

患者さんの頑張りと覚悟がなければ続きません笑い泣き

 

だからいつも

 

「こんなツライ治療は耐えられない・・・というのであれば手術を選択することになります。手術は麻酔をして行うので、ある意味、ブジー治療より楽かもしれません。」

 

とお話しするのですが、今まで耐えきれなくなって手術に流れた患者さんはゼロです。

 

特に、あちこちの肛門科を受診して色々な治療をしてこられた患者さんほど、最後の砦という意識だからでしょうか・・・頑張られます。

 

通院のペースは多くの方が月に1回。

 

肛門が拡がってきたら2ヶ月に1回、3ヶ月に1回、4ヶ月に1回・・・と、通院の間隔が延びていきます。

 

肛門が狭くて月に1回、ブジー治療に来られていた患者さんがおられたのですが、ある日、診察すると肛門が狭くなくなっていたのですびっくり

 

別人か!?と思うくらい肛門が拡がっているポーン

 

もう治療の必要がないくらい普通の肛門になっていました。

 

よく頑張りましたねと言うと患者さんが、

 

「実はね、会社辞めたんです。そしたら明らかに肛門が拡がって、以前なら指を入れても肛門が硬くて狭かったのに、今はやわらかくてフワッとしてるんですよ。少々硬い便が出ても切れなくなりました。」

 

びっくり

 

そして

 

 

「別にね、仕事辞めたのも結婚して引っ越すことになったからであって、会社がイヤとか、仕事がしんどいとか、人間関係がストレスとか、全く何もそんなこともなくて、全然ストレスとかないと思ってたんですけど、仕事辞めたら肛門が拡がりました。もしかして自分では意識していないだけでストレスっていうか、頑張っていたのかもしれないって思いました。」

 

と話してくれました。

 

患者さんの話を聞いてなるほどと思いました。

 

どんなにやり甲斐のある仕事でも、大好きな職場でも、仕事には責任が付いてくるし、緊張感もあるでしょうから、カラダとココロが張りつめていたのかもしれませんね。

 

オシリとココロはつながっていると感じる経験は、実はたくさんありまして、昔こんな記事を書いています下矢印

 

 

うつ病や不安神経症、パニック障害の患者さんの肛門も筋肉が緊張して硬く狭く感じることが多いです。

 

そして緊張がほぐれてくると肛門もやわらかくなる。

 

筋緊張型の肛門狭窄の患者さんに多いです。

 

だから肛門が狭いからとあきらめずに、日々マッサージをしてケアを続けていると、突然霧が晴れたように事態が好転することもある。

 

そしてあんなに痛くて辛かったブジーが、回を重ねる毎に楽になっていく。

 

その変化に感動する患者さんも多く、ツライ治療中でも希望が持てます。

 

ツライ治療なのに、診察に行くのがユウウツなのに、ちゃんと通院をされている患者さんには本当に頭が下がります。

 

肛門が拡がって、何も支障がなくなれば治療は終わります。

 

この患者さんは完治終了となり、年に1回のオシリ健診となりました。

 

そうなれるところまで頑張りましょうね。

 

診療所のセラピードッグ「ラブ」あしあと

右側がラブですしっぽフリフリ

ガールフレンドのぱーるちゃんとドキドキ

 

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患者さんのリクエストで復活させた

化粧品と発酵素するりの記事は

コチラ下差し

 

便通・腸を整えて美肌を目指す 元皮膚科・現役肛門科の女医が教えるキレイ術

 

2020年12月25日に本を出しました!

 

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