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コロナワクチン、有害事象対策と未知の副反応
 2021年04月07日  メディカルトリビューン
 
 国内では今年(2021年)2月に医療従事者に対する新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)ワクチンの接種が開始された。

 

ファイザー製のメッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンであるトジナメラン(商品名コミナティ)が用いられているが、将来的にはウイルスベクターワクチンなど異なるタイプのワクチンも登場する見通しだ。

 

mRNAワクチンのヒトへの実用化は世界的にも初めてであり、新しい技術を用いて開発されたため長期の安全性や未知の副反応なども含めて不明な点が多い。

 

日本感染症学会ワクチン委員会委員長を務める鹿児島大学大学院微生物学分野教授の西順一郎氏に、現在までの国内外の知見を踏まえ、SARS-CoV-2ワクチンに対する評価や期待について聞いた。

mRNAワクチンとウイルスベクターワクチンの違いは?

 国内初のSARS-CoV-2ワクチンとして承認されたトジナメランは、SARS-CoV-2の表面にあるスパイク(S)蛋白質をつくり出す設計図となるmRNAをキャリア分子である脂質ナノ粒子で包んでカプセル化したものだ。

 

SARS-CoV-2はヒトの細胞に侵入する際にS蛋白質を利用して感染するが、mRNAワクチンを接種すると体内でS蛋白質に対する抗体を産生して、ウイルスの侵入を防ぐ。

 

ウイルスの遺伝子の構造を分析できれば、早期に開発に着手できるという特徴がある。

 国内では、トジナメランの他にモデルナ製のmRNAワクチンの供給を受ける契約を結んでいる。

 

従来の感染症のワクチンのように活性を弱めたウイルス(病原体)を使っていないので、ウイルスに感染するリスクはないという利点がある一方で、RNAは構造が不安定なため、超低温(ファイザー製は-60~90℃、モデルナ製はー20±5℃)での輸送・保管が必要になる。

 一方、別のタイプのウイルスベクターワクチン(アストラゼネカ製など)の国内導入、供給も見込まれている。

 

ウイルスベクターワクチンは海外でエボラ出血熱のワクチンとして実用化されており、mRNAワクチンとは仕組みが異なる。

 

アストラゼネカ製では、増殖できないように遺伝子を改変したチンパンジーのアデノウイルスにS蛋白質の遺伝子を組み込んだ組み換えウイルスを使用している。

 

ウイルスを運搬役として使っているのが特徴で、S蛋白質をつくり出す遺伝子を標的とする細胞内まで効率的に到達させる仕組みだ。2~8℃と通常の冷蔵庫で保管が可能だ(表1)。

表1.SARS-CoV-2ワクチン(3種類)の特徴と違い


(厚生労働省の公表資料および西順一郎氏への取材を基に編集部作成)

 西氏はウイルスベクターワクチンの副反応の特徴について「アナフィラキシーは多く報告されておらず、mRNAワクチンに比べて発熱などの副反応も少ないといえるのではないか」と説明する。

 だが、弱点もある。増殖はできなくてもアデノウイルスには細胞内に侵入して感染する力がある。

 

同氏は「現時点では体内でウイルスは増えないと言われているが、感染力のあるウイルスを体内に入れるため、接種例を長期的にフォローする必要がある。最も懸念されるのは、体内に入ったベクターのウイルスに対して抗体ができ、数カ月から数年後の再接種で効かなくなる可能性がある」と説明。

 

mRNAワクチンにはこうした懸念はないが、ウイルスベクターワクチンは繰り返し接種することで効果が失われないか今後検証が必要だ」と指摘した。

アナフィラキシー発現率は米国の18倍、十分注意が必要

 臨床試験で示されたワクチンの有効率は、モデルナ製ワクチンはファイザー製のトジナメランと同様、臨床試験では95%程度。

 

一方、アストラゼネカ製や国内で治験中のジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)製のウイルスベクターワクチンは約70%とmRNAワクチンよりやや劣る。

 西氏は、従来の感染症のワクチンとSARS-CoV-2ワクチンの有効性の違いについて、こう説明する。

 

インフルエンザワクチン(不活化ワクチン)は流行する株にもよるが、近年有効率は30~70%、平均50%程度(発症リスクを2分の1に抑える)で推移している。それに対し、トジナメランは新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の発症リスクを約20分の1に抑える有効率を示し、予想をはるかに上回る効果を示した。これは驚くべきこと」と高く評価する。

 気になるのは安全性だ。

 

国内外のトジナメランの臨床試験では、一過性の副反応がインフルエンザワクチンなど従来のワクチンより強く発現することが示され、国内の接種例でも特に2回目接種時に発熱、倦怠感などの頻度が高いことが報告されている(表2)。

 

ただ、発熱や接種部位の腫れ、疼痛などの副反応は免疫を活性化させる反応が起きていることの裏返しであり、免疫機能が上昇し、効果が現れていることが示唆されるという。

 

よって、副反応が強く現れた人では、強い免疫が獲得されている可能性が高いとみられる。

表2. 国内でトジナメランの接種後に見られた副反応


(「新型コロナワクチンの投与開始初期の重点的調査」の中間報告を基に編集部作成)

 同氏は「副反応の症状の大半は1~2日で改善しており、アナフィラキシー以外は重篤な副反応の報告がない」ことを挙げた上で、「人類史上初となるmRNAワクチンであるため、われわれ感染症の専門家の間でも安全面について心配していたが、比較的安全に接種が進んでいるのではないか」との見方を示す。

 特に注意が必要なのは、接種後短時間で現れることがあるアレルギー反応のアナフィラキシーだ。

 

蕁麻疹などの皮膚症状、腹痛や嘔吐などの消化器症状、息苦しさなどの呼吸器症状などが生じる。

 

国内の接種者におけるアナフィラキシーは、3月21日までに接種を受けた約58万人のうち疑い例が181件報告され、そのうち47件が国際的基準でアナフィラキシーと判定された。

 

発現率はおよそ1万2,000回接種に1件、100万回接種当たり81.2件になる。

 

同氏は「米国のトジナメラン接種者におけるアナフィラキシーの発現率100万回接種当たり4.5件と比べ、日本は約18倍になる(表3)。十分注意する必要がある」と話す。

表3.アナフィラキシーの発現率


(厚生労働省の関連部会が3月26日に発表した資料を基に編集部作成)

 

 

アナフィラキシーは若年・中年を中心に発現

 アナフィラキシーの原因として有力視されているのが、mRNAの脂質ナノ粒子の安定化のために使われるポリエチレングリコール(PEG)である。

 

PEGは、腸内検査時に用いる腸管洗浄剤の主成分であり、経口薬や外用薬、点眼薬など医薬品の添加物としても用いられている。

 

保湿など目的に化粧品にも含まれていることから、医薬品や化粧品に対するアレルギーの既往がある人、アレルギー疾患、喘息患者で多く発症していると推測されるため、西氏は「予診でそれらの人を事前に把握し、接種後は十分観察する必要がある」との考えを示した。

 医療現場では、アナフィラキシーに備えて、アドレナリンなどの治療薬および救急病院への搬送体制などの十分な整備、ワクチン接種後に血管迷走神経反射が生じて低血圧を介した失神を来した際の対応として、接種後横になれるベッドやソファーを用意、付き添い者が医療機関や接種会場に同行するなどの対策が求められるとした。

 一方、接種後の観察期間については「アナフィラキシー発現例の9割以上が接種後30分以内に生じているが、一部はそれ以後にも見られることがある。接種会場から出た後に倒れる懸念もあるため、家族など複数人で接種会場に行く、接種後に誰にも気付かれない場所には行かないなど、慎重な行動が求められるとした。

 

アナフィラキシーが生じているのは若年や中年が中心で、高齢者では生じにくいとして「高齢者は過剰に心配する必要はない」とも付け加えた。

抗体依存性感染増強現象が生じる可能性は低い?

 mRNAは強い免疫を誘導するため、西氏は「脳炎や急性散在性脳脊髄炎(ADEM)、ギラン・バレー症候群といった遅発性の神経障害が一定の割合で出現する可能性がある」と指摘した。

 

これらの副反応は接種後2~4週後に起こるとされるが、全世界でSARS-CoV-2ワクチンの接種が進む中、「現時点でADEMやギラン・バレー症候群が接種者において増えているという報告はない」とした。

 また、副反応ではないが、ワクチン接種後にSARS-CoV-2に感染して症状が増悪し重症化しやすくなるワクチン関連疾患増悪(VAED)や、ワクチンによって誘導された抗体によって感染が増強する抗体依存性感染増強現象(ADE)が発生する可能性もあるため、注意が必要だという。

 2002年の重症急性呼吸器症候群(SARS)のワクチン開発時には、サルを用いた実験において、接種群で肺炎が悪化する現象が見られた他、2017年にフィリピンで行われた世界初のデング熱ワクチン接種でADEが生じたことが知られている。

 

「国内でSARS-CoV-2ワクチンの接種が始まる前は非常に心配していた」と言う同氏だが、「ワクチン接種者を長期に観察しないと分からないが、トジナメランのアカゲザルを用いた動物実験ではそうした徴候は見られておらず、国内外のワクチン接種者でも報告はない。現時点でADEが生じる可能性は低いといえるのではないか」との見方を示した。

高齢者や基礎疾患がある患者も「心配せずに接種を」

 4月以降は、SARS-CoV-2に感染した場合に重症化リスクが高い、高齢者や基礎疾患を持つ人への優先接種が進められる予定だが、「副反応を懸念して、接種を控える人もいるのではないか」と西氏はみる。

 

ただし、トジナメランの臨床試験結果を見る限り、高齢または基礎疾患のある人で副反応が重篤化したとの報告はなく、「ワクチンを打たないより、打った方がはるかに利益は大きい。ぜひ接種してほしい」と強調する。

 また、がんや自己免疫疾患の患者で副腎皮質ホルモン(ステロイド)や免疫抑制薬などの治療を受けている人から「SARS-CoV-2ワクチンの接種を受けても大丈夫か」といった問い合わせが医療機関に寄せられているとして、同氏は「トジナメランは生ワクチンではないため、生きたウイルスは含まれていない。よって他疾患の治療の影響で免疫が多少低下していても安全に接種できる。医療者は患者にこうした情報を周知すべき」と訴えた。

 免疫力が低下している人でワクチンの効果が十分得られるかについては十分な情報がないものの、「重度の免疫不全状態であればワクチン接種後に十分な免疫ができない可能性もあるが、日常生活ができている人では効果がある可能性が高い。心配せずに接種を受けてほしい」とした。

 

妊婦についても安定期に入っていれば、「主治医と相談の上、接種してほしい」と述べた。

mRNAワクチンは変異株にも迅速に対応

 国内では、感染力が強いとされる変異株の感染拡大が続いており、N501Yの変異がある変異株は、従来株よりも感染力が増していることが懸念されている。

 

英国で確認された変異株(VOC-202012/01)、南アフリカで確認された変異株 (501Y.V2)、ブラジルで確認された変異株(501Y.V3)がこの変異を有している。

 

さらには、E484Kの変異がある変異株は、従来株よりも免疫やワクチンの効果を低下させる可能性が指摘されており、南アフリカやブラジルで発見された変異株がこの変異を有しているとされる。

 これらの変異株に対するワクチンの有効性について、西氏は「トジナメラン、モデルナ製ともに、変異株の種類にもよるが有効率が落ちる可能性はある。英国由来の変異株に対する免疫はそれほど低下しないが、南アフリカやブラジル由来の変異株が持つE484Kの変異に対し、両ワクチンの効果がどの程度低下するかは不明だ。南アフリカ由来の変異ウイルスについては、実験で抗体がウイルスを中和する効果が約3分の1に低下するというデータがある。実際の有効性にどの程度影響するかは今後検証が必要だが、一定の有効率の低下が予想される」と懸念を示した。

 ただ、変異株に対し、mRNAワクチンは塩基配列を変えるだけで迅速な対応ができるのが大きな利点である。ワクチン開発企業は変異株に有効性が期待できるワクチンの開発に着手しており、同氏は「2~3カ月で実用化が可能」とみる。

 

ファイザーは変異株へのトジナメランの効果検証のため、3回目の接種を行う臨床試験を始めると発表するなど、既に対応に乗り出した。

 

「来年はワクチンの追加接種や現在開発中のワクチンとは別のワクチンも含め、変異株に対して有効なワクチンの実用化が進み、接種を受けられるのではないか」と同氏は話す。

感染予防を目的とした抗体医薬の使用は限定的か

 一方で、ワクチンのように発症前に投与して発症を予防、または感染初期に投与して重症化を予防するSARS-CoV-2を中和するモノクローナル抗体(中和抗体)に対し、有力な予防または治療手段としても注目が集まっている。

 

多くの製薬企業が開発に参戦し、急ピッチで進められているが、西氏は「薬価が非常に高いため、全ての人の感染予防に使えるものではない。重症化リスクが極めて高い先天性の免疫不全症候群、あるいはがんの治療などで免疫を抑える薬剤を使用して抗体がつくれない人などに対して、限定的に使われるのではないか」との考えを示した。

 国内ではSARS-CoV-2に対する組み換え蛋白質ワクチンや不活化ワクチンの開発も進んでいる。「海外で開発・製造されたワクチンは供給が突然途絶えるリスクがあり、国内で開発し、生産する体制を整備することが重要だ。日本人に適したワクチンをつくる必要もある。日本のワクチン基礎研究のレベルは世界に比べ決して劣ってはいない」と指摘。

 

新興感染症の流行に備えて、「国内外で大規模な臨床試験を行える企業の育成、ワクチンを安定的に製造・供給できる体制の構築に国を挙げて力を入れるべき」と訴えた。

(小沼紀子)

 

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ちょっと専門的で難しかったでしょうか。

 

ワクチンにも色々な種類があるということはお分かりいただけたと思います。

 

そして新型コロナワクチンの人への接種は人類史上初だということ。

 

副反応はじめ、誰にどのような影響があるのかは実験途上とも言える。

 

なんせ人類に打つのは初めてだから長期の安全性や未知の副反応など、分からないことだらけ。

 

今なんともなくても10年後は何があるかわからない。

 

ワクチン接種後にSARS-CoV-2に感染して症状が増悪し重症化しやすくなるワクチン関連疾患増悪(VAED)や、ワクチンによって誘導された抗体によって感染が増強する抗体依存性感染増強現象(ADE)が発生する可能性もあるのです。

 

そういうことを全部知って理解した上で、リスクよりもベネフィットの方が上回ると判断したら受けたらいいでしょう。

 

手術や注射療法と同じで、安易に受けた治療で後悔している患者さんをたくさん診ているので、事前に情報収集をし、自分の頭で考え、納得した上で受けて下さいね。

 

あとで「そんなこと知らんかったー!」ってならないように。

 

 

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