患者さんが受診にあたり書いてこられた質問にお答えするシリーズ。
診察室で患者さんにお答えしたのですが、他の患者さんや読者の方も知りたいかなと思い、記事にすることにしました。
今までの話はコチラ
患者さんが書いてこられた質問用紙はコチラ
今日は1枚目の下の方にある「皮膚のカビと便秘の関係」について。
質問内容が漠然としていて分かりにくいかもしれませんが、患者さんに確認したところ「肛門周囲にカビがあると便秘しやすいのか」という内容だったと記憶しています。
結論から申し上げると、肛門周囲にカビがあるから便秘になりやすいということはありません。
しかしその逆はあり得るかもしれません。
つまり「便秘をすると肛門周囲の皮膚にカビがはえやすい状況になり得る」ということはあるかもしれません。
肛門周囲のカビというと、皮膚カンジダ症がありますが、女性なら膣カンジダ症は聞いたことがあるでしょうか。
膣カンジダ症はよく見られる真菌症ですが、肛門周囲のカンジダ症は非常に少ないです。
私は元皮膚科医という経歴を持つので、皮膚カンジダ症は見慣れていましたが、膣と場所が近いのに肛門周囲の皮膚カンジダ症は遭遇することが少なかったです。
どういう人に皮膚カンジダ症が見られたかというと、ズバリ、オシリを洗いすぎている人とステロイド外用剤を長期使用している人でした。
洗い過ぎたオシリがどんな状態になるのかは是非、私の本を読んで欲しいのですが
洗い過ぎによって皮脂膜という皮膚バリアーが無くなった皮膚は、細菌やウイルスが簡単に侵入できる状態になります。
かえって細菌や真菌が繁殖しやすい状態を作ってしまうのです。
そもそもオシリを洗っている人は便がスッキリ出ていない「出残り便秘」があるため、
出残り便秘→オシリを洗う→皮脂膜がはがれる→カビが生えやすくなる
ということで、間接的な原因とはなるでしょう。
実際、ウォシュレットで洗いまくっている患者さんに洗うのをやめてもらっただけで2週間でカンジダ症が治ったケースもありました。
「便秘をしたからカビが生える」というように直結しないですが、出残り便秘は様々な病状をもたらす諸悪の根源だと考えています。
患者さんにも何度も言っているのですが
そもそもスッキリ排便できていれば洗う必要はありません。
便が残ってるからキレイに拭けないんです。
そこで洗っても出残り便は肛門に挟んだまんま・・・。
ちっともキレイになってませんからね
洗わないといけないような排便を直さないといけないのに、そこを治さずにひたすらオシリを洗うから、悲惨なことになってしまうのです。
洗えば洗うほどオシリはきたなくなります。
洗っている人ほどお尻がキタナイという悲しい現実をお伝えしたいです。
と言うわけで、出残り便秘でオシリを洗いすぎるとカビが生えやすくなりますのでご注意を。
それはビデも同じこと。
前も後ろも洗わない方がいいです。
クリックお願いします
患者さんのリクエストで復活させた
化粧品と発酵素するりの記事は
コチラ
便通・腸を整えて美肌を目指す 元皮膚科・現役肛門科の女医が教えるキレイ術
2020年12月25日に本を出しました
書店で本を購入された方限定で
アスタキサンチンジェルとレチノールクリーム半額キャンペーン実施中
詳しくはコチラ
是非、本屋さんで買ってください