うちの診療所では痔が治った人が年に1回のオシリ健診に来られているのですが、自分では「絶好調」「異常なし
」と思っていても、実は全然逆のことがたまにあります。
先日来られた患者さん。
出残り便秘が順調に治ってきていたようで、坐剤を入れても残便が出なくなってきたから、毎日入れていたのを週に1回くらいにしたそうです。
だんだん使わなくなって、週に1回も入れないことも増えてきて、月に2〜3回というペースになっていました。
もちろん便は毎日出ているので、ご本人に便秘の意識はゼロです。
ところが・・・
診察するとコロコロ・カチカチの便がパンパンに詰まっています
もう完全に糞詰まり状態
「今日、便出ました」
と尋ねると
「はい。出ました。スッキリしてます」
と
「便がパンパンに詰まってますけど・・・」
と言うとビックリ
こんなにパンパンに便が詰まってるのに便意がないことも問題ですが、この状態を「スッキリ」と感じているのは出口の感覚が麻痺している証拠
坐剤を入れて出して来てもらって再度診察。
「コロコロした便が結構出ました。スッキリです」
と患者さん。
ところが・・・
診察するとまだ便がある
さっきの便はコロコロ・カチカチだったけど、今触っている便は硬い粘土状。
出口の詰まりが取れたら、その奥に溜まっている便がピストン方式で下りてきたワケです
次は浣腸をしました。
そして排便後、また診察
「硬い便と、最後の方はやわらかい便が出ました」
と患者さん。
診察すると全部出て空っぽになっていました。
良かった・・・。
出し切れてない場合は摘便をしたり、浣腸を何度もやって「便出し」に1時間以上かかるケースもあるのですよ
最後の方に出た便が今日の作りたてホヤホヤの便です。
いつも出口に大量の便をため込んで、先っちょの古い便だけ少しずつ出していただけだったのです。
だから毎日コロコロ便しか出ていなかったのです。
毎日排便があるけれど、コロコロ便しか出ない、硬い便だけ出るという場合は、出口に大量に便が溜まっているかもしれません。
それに気付かずスッキリしているという感覚は危険
肛門が便に慣れて便が分からなくなってしまいます。
「これが空っぽの状態です。この状態をよく覚えておいて下さいね。今は肛門の感覚が鈍っているので、便があるのか無いのかも自分じゃ分からないし、あなたのスッキリ感はあてにならないので、しばらくまた毎日坐剤を入れてチェックして下さい。」
と説明して終了しました。
年に1回のオシリ健診に来られている患者さんの多くは、排便管理を自分で完璧に出来ているのですが、この患者さんのようにまた悪しき排便習慣に戻ってしまっている人もおられます。
オシリの調子が悪くなる前に来られたので良かったですが、これがずっと続くと痔になったり、痔が悪化したりしますので注意してくださいね
要するに
あなたがスッキリしていると感じているかどうかではなく、本当にスッキリ出ているかどうかが大切なんです。
そのスッキリ感、本当に大丈夫
ということを常に意識して、分からないときは坐剤を入れてチェックしてくださいね
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