今日のブログは閉鎖した診療所のオフィシャルブログに掲載していた記事をリライトしてお届け致します。
大切な記録としてアメブロに残したいと思います。
私たちが提唱している出残り便秘。
肛門科ではなかなか広がりませんが、内科の先生方や高齢者の排便管理で悩む現場の人々からは評価を得ており、講演などを通して少しずつ広がっていっております。
出残り便秘治療に取り組まれた内科の先生からお手紙を頂くこともあります。
今までの概念にはない新しい考え方ですが、とてもシンプルで分かりやすく、現場で使ってみて患者さんからも大変喜ばれていると評判です。
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最近久々に車の運転を始めた佐々木みのりです。
昨年秋に日本臨床内科医学会という大きな学会で教育講演をさせて頂きました。
早朝の教育講演にもかかわらず満席となり、内科の先生方に大反響でした。
その講演を聴きに来られていた徳島県の臨床内科医会の会長先生が、是非、徳島の内科医会でも講演をお願いしたいと直々に心温まるメッセージを添えてお手紙を下さったんです。
そして今年の5月に徳島県まで行って講演してきました!
やはり便秘治療に困っている先生が多いからでしょうか・・・。
今回も80名を超える先生方が聴きに来て下さいました。
徳島県と言えど広いんです。
遠方から車で数時間かけて来られた先生もおられ頭が下がる思いでした。
講演後、90代のベテランの先生が私にご挨拶に来て下さって
「すごく面白そうな内容だったから是非とも聴きたいと思って来ました。こうして医師会の講演に来たのは初めてです。本当に良かった。ありがとう。」
と言われ本当に嬉しかったです😊
出残り便秘の治療で患者さんの症状が改善!
講演終了後、懇親会でも先生方とお話しをしたのですが、やはり患者さんの便秘や痔の相談で難渋されているケースが多く、直接、アドバイスをさせて頂きました。
そして先日、私の講演を聴かれた内科の先生から、こんな嬉しいハガキ
が届きました↓↓
今回の講演は会長さんのリクエストもあり、出残り便秘の治療方法を具体的に、患者さんにどう指導したら良いのかまで含め講演の中でお話ししました。
それをすぐに実行して頂けたようです。
飲む下剤ではなく坐剤を使えるように病棟でも手配し、職員の方々にも講習までされ、肛門を洗わないよう指導されたそうです。
私は直接かかわっていませんし、私の患者さんではないのですが、こうして出会うことの無い患者さんたちが、私たちが提唱する出残り便秘の治療で救われるのであれば本当に嬉しいですね。
そして坐剤を使用された結果、私が講演でお話ししたとおりになったようで、嬉しい驚きを伝えようと、わざわざハガキでお便りを下さったんです。
肛門科の学会では重鎮の先生から全否定された出残り便秘の治療法が、内科の先生に受け入れられ、その結果、患者さんが喜んで下さる・・・
その一件で医者をやめようと思っていた私にとっては感慨深いものがありますね。
非常にお恥ずかしい話ですが当時のことを記事にしてます↓↓
痔は肛門科にかかるもの・・・ですが、肛門科は敷居が高く羞恥心もあって受診出来ないから、かかりつけの内科の先生に痔の薬をもらっている患者さんも多いようです。
内科の先生も「肛門科に患者さんを紹介したらスグに切られるから紹介出来ない」と言われているため、保存治療を望む患者さんには内科で便通の管理をしてもらえば、患者さんにとっても内科の先生にとっても福音となるでしょう。
ただし重大な注意点が一つ。
癌ではないことを診断してもらうこと
血便など何も症状がなくても40歳を過ぎたら2〜3年に1回は大腸内視鏡検査を受けること
これが大前提です。
痔であればいいんです。
放置しても悪化することはありますが死にません。
痔の原因となった便通や排泄を正すことによって痔と上手く付き合えることも多いです。
痔を放置すると癌になると脅しめいた説明をして患者さんに手術をすすめる先生もいますが、痔は良性疾患です。
痔瘻は長期間放置すると稀に痔瘻癌を発生することがありますが、いぼ痔(痔核・脱肛)や切れ痔(裂肛)は癌に変化しません。
くれぐれも騙されないようにしてくださいね。
以前、注意喚起を促すために記事を書きました↓
検査機器などを使わずに診断出来る出残り便秘
以前は患者さんに説明するときにもブログでも直腸性便秘と表現していましたが、学術的な定義とずれており、直腸肛門機能を専門にするドクターから指摘を頂いたのをきっかけに、自分たちの定義を明確にし、患者さんに分かりやすい言葉を、脳みそに汗をかいて考えました💦
それが出残り便秘です。
直腸性便秘と診断され、その治療を受けているけど困っている症状が改善しないということで、遠方からも患者さんが来られているのですが、逆に必要な検査をすべて受けてこられているので私たちも安心して治療が出来ます。
セカンドオピニオン大歓迎ですね😊
排便造影、肛門内圧検査、シッツマーク検査など受けて直腸性便秘や直腸瘤と診断され、手術を受けておられたり、バイオフィードバック療法や風船療法などの治療も既に受けておられるため、私たちは何も検査する必要がありませんし、逆に出残り便秘はそのような検査は不要です。
ただ排便後に診察して肛門や直腸に残便(出残り便)があるかどうか確かめるだけです。
レントゲンなどの検査機器は必要ないんです。
だから内科の開業医の先生でも指診さえ出来れば、あるいは坐剤を使って便が出るかどうか確かめるだけで診断可能です。
この出残り便秘の治療によって痔が劇的に改善することを目の辺りにされた先生からの嬉しいお便り。
今までの便秘の概念を覆す教科書にも載っていない、権威も実績もない一開業医である私たちが提唱する「出残り便秘」について受け入れて下さった内科の先生方に感謝申し上げます。
日本の医療において今までに無かった新しいものが受け入れられるとすれば、その殆どが欧米から入ってきたものです。
日本人の悪い癖なのかもしれませんが、欧米人がやっていることなら受け入れる素地があるように思いますね。。。
なかなか新しいことを言い出すと否定されたり批判されることが多いため、学会でもすごく発表しにくいです💦
でも今年、院長が「これで最後にする」と覚悟を決め発表することになりました。
おそらく否定されると思いますが、一人でも誰かに伝わればいいなと願っています。
受診された患者さんが必ず言う言葉
「どうしてこんな単純で簡単なことを、今までの先生は誰も教えてくれなかったのか?」
「この出残り便秘の治療が広まることを願います」
この言葉に押されて情報を発信してきました。
正直、私たちにとったら自分たちの診療所だけで出残り便秘の治療をしている方が利益になります。
わざわざ自分たちの手の内を公開しないほうがいいに決まっています。
本当に出残り便秘が周知され、広く治療が行われるようになったら大阪肛門科診療所は潰れるかもしれません。
だって、うちに来なくても他の施設で治療が受けられますからね。
そうなったら私たちの存在意義は無くなり、自由診療で高額ということもあり、存続は難しくなるでしょう。
だからすごく迷いました。。。
発表することも講演することも。。。
でも、こんなに良い方法を知っているのに黙っていることは出来なかったんです。
自分たちの利益を犠牲にしてでも相手の役に立つことをしよう
そう思いました。
私たちの施設は潰れても世のため人のためになる。
それなら喜んで淘汰されよう。
本気でそう考えています。
今年で創立108年。
日本の肛門科の歴史が刻まれていると言っても過言では無い大阪肛門科診療所。
暖簾を守り次の世代に引き継いでいくことが正論なのかもしれませんが、どんな仕事も相手に喜んでもらってなんぼ。
自分たちの既得権を主張したり、それで金儲けをすることは私たちの信条に反するため、覚悟を決めて情報発信をすることにしました。
私たちの代で幕を下ろしたら先祖に叱られるかもしれませんが、あの世で謝りたいと思います(笑)
長く続いていることがスゴイんじゃなくて、良いことをし続けること、その結果続いていることが大切なので。
私たちにしか出来ない仕事がまだ残っているのであれば続くと思います。
それは私たちが決めることじゃなくて世の患者さんたちによって決まること。
何を思い、どんな生き方を描くのかは後継者次第。
次があるのかどうか分かりませんが、私たちは自分たちに与えられた使
命を全うしたいと思います。
診療所のセラピードッグ「ラブ」🐾
犬のようちえんで
フードの誘惑に負けないトレーニング🐶
口角が上がって笑顔なんですよ😊
分かります?
犬って笑ったり泣いたり
本当に表情が豊かなんですよ💕