痔なのに皮膚科を受診して誤った診断を受けた患者さんの話 | みのり先生の診察室

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5万人以上の「オシリ」を診察してきた
肛門科専門医の女医がつづる
お尻で悩める人へのメッセージ

今日の患者さんは40代女性。

 

肛門が腫れてズキズキ痛かったので皮膚科を受診した患者さんの話です。

今までの経過

半年前に肛門が腫れてズキズキ痛かったので皮膚科に行ったそうです。

 

バイ菌か何かだと思ったそうです。

 

内痔核と診断されステロイドの軟膏(痔の薬ではないもの)をもらい「便通を改善しなさい」と言われ、その日から緑黄色野菜を多く摂り、苦手なバナナを食べ、水分を摂るように心がけ、運動をするように生活習慣を変えていったそう。

 

毎日の排便がスムーズになり、痛みも腫れもなくなったので改善していると思い込んでいたところ・・・

 

時々便が出にくく、血がトイレットペーパーに付くことがあり、何故だろう?良くなっているはずなのに・・・と不安に。

 

「皮膚科ではなく、ちゃんと肛門科を受診しよう」と思いネットで調べてみたら、他の多くの肛門科では痛みの無い治療、手術については述べているけれど、痔になった原因に踏み込んで、そこを治していこう!という方針を掲げているのは当院だけだけだったので受診を決意。

 

 

予約の電話をかけた際には緊張されていたようですが、「ゆっくりと丁寧に説明して頂いたので電話を切ったあとは『もう大丈夫。』と理由もなくホッとしました。」とおっしゃっていました(笑)。

 

 

現在の排便と習慣

腸活を一生懸命頑張っておられるので便通は毎日あります。

 

残便感もありません。

 

ウォシュレットは使っていませんが、拭くと紙に便が付くため付かなくなるまで2回くらい拭いています。

 

入浴時には石鹸などの泡を付けて肛門を洗っています。

 

皮膚科から痔にデルモゾールG軟膏を処方されましたが今は使っていません。

 

 

診察の結果

ウォシュレットを使っておられなかったので皮膚はキレイです。

 

ただ入浴時に洗っておられるのでシミホクロがありました。

 

見張りイボが2カ所あります。

 

診察すると見張りイボの奥に切れ痔(裂肛)がありました。

 

皮膚科で指摘された内痔核はありませんでした。

 

患者さんにお聞きしたら受診された皮膚科では、肛門鏡による肛門の中を診る診察もしてないし、指診もしてないとのこと。

 

(当然ですね😓皮膚科では肛門の診察はしないでしょうし、出来ないと思います💧)

 

 

内痔核は読んで字のごとく、肛門の内側、肛門の中にあるため、脱出しない限り、おしりの穴を外から観察しても見えません。

 

おそらく皮膚科の先生が「内痔核」とか「痔」と言ったものは、切れ痔による皮膚のたるみ「見張りイボ」だったのでしょう。

 

 

このようなケース多いです↓

 

「いぼ痔」だと思ってたら「切れ痔」だったという勘違い、すごく多いです
 

 

そして困ったことに、いぼ痔(痔核・脱肛)と間違えられて手術を勧められるケースも多いです。

 

専門外の先生が脱肛と間違えて手術してしまっている3つの痔

 

 

肛門の外に何か物体があると痔だと思ってしまうのは何も患者さんに限ったことではありません。

 

医師でも同じです。

 

肛門科ではない専門外の医師だと痔かどうか診断出来ないでしょう。

 

だから肛門科だけは専門にかかってくださいね↓

 

肛門科の専門医の探し方・選び方〜期待外れにならないために〜

 

 

肛門のトレーニングができる肛門専門施設は全国でも10余り。

 

それらの施設での研修または勤務経験のある医師、もしくは肛門専門の施設の医師にかかることをお勧めします。

 

実名で記載していますので参考にしてください↓

 

日本の肛門科の歴史と現状〜専門の医師を見分ける〜

 

特に肛門を専門にしている女医さんは全国でも20名ちょっと。

 

女医にこだわらず専門性で医師を選ぶことをオススメします。

 

 

 

指診で便は確認出来ませんでしたが、坐剤を入れる練習をしてもらうため坐剤を入れました。

 

今日はまだ便意もなく排便もなかったそうです。

 

トイレに行ってもらったら、なんと便が出たそうです💩

 

私の指が届くところには便が無かったけれど、もう少し奥に下りてきていたようです。

 

 

治療はシンプルです。

  1. 坐剤を入れて完全に排泄する
     
  2. Sザルベを肛門の中と外に塗る
     
  3. 入浴時に石鹸でお尻を洗わない
     

次回の診察は2週間後としました。

 

 

診察後の衝撃と治療経過

肛門科の受診が初めてだったので緊張されていたようですが、不安はあまりなかったそうです。

 

診察室に入ってからは「先生に診てもらえる、今の私のおしりの状態をはっきり教えて頂ける。」という安心感があったそうです。

 

「上手に状態を伝えることができたか心配でしたが、痛さや違和感を話すことが出来てホッとしました。なかなか話題にしづらい内容ですし、理解してもらえないことも多かったので。」 と言われました。

 

そりゃそうですよね。。。

 

皮膚科の先生に肛門のことを話しても理解してもらえないと思います。

 

専門外なのである意味仕方ないかと・・・。

 

診察には多少痛みがあるのかな?と思っておられたようですが、「痛い思いをすることは全くなく、異物感を感じただけ」と喜んでもらえました。

 

「診察後に自分の痔は何か?原因は何か?どう治療していくのかを、とても解りやすく丁寧に説明して頂き、不安になったりすることなく、自分の状態を受け止め、理解することが出来ました。」 としっかり説明も理解して下さいました。

 

そして 「特に原因については思い当たることが多く、このまま治療せずにいたらどうなるか(どうなっていたか)を聞いて、受診して本当に良かったと思いました。」 と遠方だったけどわざわざ来て良かったと大喜びして帰って行かれました。

 

当院のホームページで治療方針をしっかり読んで、痔そのものの治療よりも、その原因である便秘、排泄習慣を治していくことが重要なんだなと新たに認識することが出来た」と言われていました。

 

「病院に行って治してもらっても、また痔になったらどうしよう?」と不安だったそうですが、当院の方針は、まさにこの患者さんが求めていたものであり、診察を受けることが出来て、心から良かったと感謝されました。

 

肛門科なのに診療所が綺麗で、スタッフが穏やかで丁寧に接したことも高く評価して下さり、わざわざお礼を言われました。

 

これからの治療法を知って、診療所から帰る時には、ずっとつきまとっていた不安が消え、「先生の指導に従って頑張ろう!」と前向きな気持ちになることが出来て明るい気持ちで帰途につかれたようです😊

 

受診してから1週間で「おしりの便秘」改善のため、坐剤を使い続け、今までよく感じていた「おしりの違和感」「便がたまっているズンとした重さ」がなくなってきていると報告を受けました。

 

排便の時に、いきみ過ぎることも、痛みを覚えることも今のところないと。

 

毎日、排便後に坐剤を入れ、毎日必ず残った便が出て来ているようです。

 

尚も便が残っている感じがするときには、もう一度坐剤を入れて出しておられました。

 

何だか肛門を使いすぎて違和感(使いすぎた感?)があることも度々ですが、Sザルベを塗ると落ち着くと言われました。

 

多くの患者さんから同じ事を言われています。

 

薬ではないのにSザルベの効果は絶大です✨  

 

今までは排便後に残っている感じがあっても自力で出すことができず、「明日には出るだろう」くらいに考えて放置し、この状態が続いて肛門が切れるということに気付かずにいたことに気付いたと。

 

約6か月前に皮膚科に行って、便通を改善するよう言われ頑張って来たことは「腸の便秘」向け。

 

「肛門の便秘」には効き目がない・・・と知ったときの衝撃は忘れることが出来ないとおっしゃっていました。

 

そして「もしこのまま自分のやり方を思い込みで続けていたら・・・」と考えると怖くなったそうです。  

 

「私の痔は切れ痔であり、突起物は見張りイボだった。」と知った時は痔の診断を受けたにもかかわらず少しホッとされたそうです。

 

なぜなら今までずっと「内痔核の酷い症状」だと思っていたからです。

 

切るのかな?と不安もあり受診をためらったそう。  

 

でも当院なら怖くない!と受診して、まさかの結果・・・。

 

もっと早くに診てもらえば良かったという気持ちで一杯になったそうです。  

 

5〜6年間、時折、肛門が痛く、腫れて、怖い思いをしてこられ、痔と分かってからも排便は恐怖の瞬間だったと

 

生活習慣を変えても良くならないことで、ますます怖くなっていったそうです。

 

1日中、頭のどこかで「今日は大丈夫かな〜?」と考え、不安なまま過ごされていた日々。  

 

受診後は原因が判り、はっきりとした改善への道が示されたので痔がまだ治ってなくても安心出来たと言われました。

 

便秘であった期間を考えると完全に良くなるのは、まだ先のことでしょう。

 

でもあきらめずに続けていきましょう。

 

治療中に不安なことや疑問に思うことがあったら、頼ってもらえば嬉しいです。

 

 

2週間後の受診

切れ痔は完璧に治っていました。

 

でも切れ痔のせいで出来た見張りイボは無くなりません。

 

でもただの皮膚のたるみなので切除の必要もないですチョキ

 

切れ痔は治りましたが便秘は治っていません滝汗

 

だから坐剤は便秘が治るまで継続です。

 

もちろんお尻の手入れとしてSザルベも続けてもらうことにしました。

 

これ、うちの患者さん達の愛用品になってますドキドキ

 

お尻だけじゃなくハンドクリームとして使ったり、かかとのカサカサや靴擦れに塗るとキレイに治ります✨

 

リップクリームに使っている患者さんもいます😅

 

どこにでもどうぞ😘

 

今日で治療終了です。

 

通院も終わりです。

 

何か調子が悪い時や、心配なことがある時、不安なことがあったらいつでも来て下さいと皆さんに伝えます。

 

 

1年後に・・・って言うと、 「えっ?1年間、来ちゃダメですか?」 とすまなさそうに聞いてこられる患者さんがおられます。

 

いえいえ。 そんなことないです!

 

ご自身の判断でいつでも来て下さって結構です😊👌

 

調子が良くても1年に1回、お尻健診に来て下さいね!っていう意味です。

 

1年以上あくと初診扱いになって初診料がかかるので、それまでに受診して頂いた方が患者さんにとっても安くつくかな・・・という配慮のつもりです😓

 

「もう別に必要ないよ」という人は、いいんです。

 

だけど便通の管理をやめると、また痔を繰り返しますから、年に1回くらい、ちゃんと管理できているかどうかのチェックくらい来て頂いてもいいのかな・・・と思ってオススメしています。

 

受診されるかどうかの判断も患者さんにお任せします。

 

痔は排泄の結果なので、間違った排泄を改めなければ何度でも痔を繰り返します。

 

薬を使い続けても、手術を受けて痔を取り去っても同じです。

 

だから私たちは、痔の根本治療は痔の原因となった便通や排泄を直すことだと思って治療をしています。

 

 

他の肛門科ではちょっとやってない変わった治療をしているかもしれません😅

 

 

このブログがお尻のことで悩める人のヒントになれば幸いです。

 

 

この患者さんが実際に書いて下さったアンケートはコチラ下矢印

 

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肛門科の受診が初めてだったので緊張はしていましたが、不安はありませんでした。

 

診察室に入ってからは「先生に診てもらえる。今の私の状態をはっきり教えて頂ける。」という安心感がありました。

 

上手に状態を伝えることができたか、心配でしたが、痛さや違和感を話すことができてホッとしました。

 

なかなか話題にしづらい内容ですし、理解してもらえないことも多かったので。

 

診察には多少痛みがあるのかな?

 

と思っていましたが、痛い思いをすることは全くなく、異物感を感じただけでした。

 

診察後に、私の痔は何か?原因は何か?どう治療していくのか?を、とても判りやすく丁寧に説明して頂き、不安になったりすることなく、自分の状態を受け止め、理解することができました。

 

特に原因については思い当たることが多く、診療所のホームページで治療方針を拝見していましたが、痔そのものの治療よりも、その原因である便秘、排泄習慣を治していくことが重要なんだなって新たに認識することができました。

 

多くの肛門科では痛みのない治療、手術に付いては述べていますが、原因に踏み込んでそこを治していこう!という方針を掲げているのは、大阪肛門科診療所さんだけではないでしょうか?

 

「病院に行って治してもらっても、また痔になったらどうしよう?」と不安だった私にとって、先生の方針は、まさに求めていたものであり、診察を受けることができて、心から良かったと感謝の気持ちで一杯です。

 

診療所は綺麗でスタッフの方々は皆さん穏やかで丁寧に接して下さいました。

 

予約の電話をかけた際には緊張していましたが、ゆっくりと丁寧に説明して頂き、電話を切った後は、”もう大丈夫”と理由もなくホッとしたことを覚えています。

 

これからの治療法を知って、診療所から帰るときには、ずっと付きまとっていた不安が消え、先生の指導に従って頑張ろう!前向きな気持ちになることができました。

 

 

受診してから一週間、「おしりの便秘」改善のため、坐薬を使い続け、今までよく感じていた「おしりの違和感」「便が溜まっているズンとした重さ」がなくなってきているようです。

 

排便の時に、いきみ過ぎることも痛みを覚えることも、今のところありません。

 

毎日、排便後に坐薬を入れ、毎日必ず残った便が出ているようです。

 

尚も便が残っている感じがするときには、もう一度坐薬を入れて出します。

 

なんだか肛門を使い過ぎて違和感(使い過ぎた感?)があることもたびたびですが、ザルベ軟膏を塗ると落ち着いてきます。

 

今までは排便後に残っている感じがあっても、自力で出すことができず「明日には出るだろう」くらいに考えて放っていました。

 

この状態が続いて肛門が切れるということに気付かず。

 

 

約6ヶ月前に肛門が腫れてズキズキと痛かったので皮膚科に行きました。

 

バイ菌か何かだと思ったのです。

 

内痔核と診断され、軟膏をもらい、「便通を改善しなさい」と言われました。

 

その日から緑黄色野菜を多く取り入れ、苦手なバナナを食べ、水分を摂るよう心がけ、運動をするように生活習慣を変えてきました。

 

毎日の排便がスムーズになり、改善していると思い込んでいました。

 

でも時々便が出づらく、血がトイレットペーパーに付くことがあり、何故だろう?良くなっているはずなのに、と不安に思うこともありました。

 

実際には、改善などしていなかったのです!

 

私の改善法は「腸の便秘」向け、「肛門の便秘」には効き目がない、と知ったときの衝撃は忘れることができません。

 

と同時に「もしこのまま自分のやり方を思い込みで続けていたら・・・」と怖くなりました。

 

「私の痔は切れ痔であり、突起物は見張りイボだった。」と知ったときは少しホッとしました。

 

内痔核の酷い症状だと思っていたからです。

 

切るのかな?と不安でもありました。

 

でも先生の病院なら怖くない!と受診して、まさかの結果・・・。

 

もっと早くに診てもらえば良かったという気持ちで一杯です。

 

5〜6年間、時折、肛門が痛く、腫れて怖い思いをしてきました。

 

痔とわかってからも排便は恐怖の瞬間でした。

 

生活習慣を変えても良くならないことで、ますます怖くなっていきました。

 

1日中、頭のどこかで「今日は大丈夫かな?」と考え不安なまま過ごしていました。

 

受診後の今は違います!

 

原因が判り、はっきりとした改善への道が示されたのです!

 

便秘であった期間を考えると完全に良くなるのはまだ先のことでしょう。

 

でもあきらめずに続けていきます。

 

治療中に不安なことや疑問に思うことがあったら、頼ることのできる先生がいるのです。

 

これほど安心できることはありません!!

 

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診療所のセラピードッグ「ラブ」🐾

今日はハロウィンですね

(この記事は2018年10月31日に

診療所のオフィシャルブログに

掲載していたものです)

 

 

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