日本エアロゾル学会が2020年2月21日付でマスクに関する見解を発表しましたが、その中で、私も大いに誤解していた内容が掲載されていたのでブログで記事にしたいと思います。
その誤った情報とは
「ウイルスや花粉のアレルゲンは小さいのでマスク線維の隙間を通り抜けるため、ウイルス専用のマスクを使わなければ意味がない」
というもの。
スギ花粉の直径は30μm。
ウイルスはその約300分の1の0.1μm。
確かにウイルスは小さいです。
N95マスクの編み目が小さいと言っても、0.1μmのウイルスは通過できます。
もしも通過できないマスクがあるとすれば呼吸出来ないでしょう。
それではどうやってウイルスが通過できないようにしているのでしょうか
それは次の3つの仕組みによって空気中の粒子がフィルターに捕集されるようにしているのです。
1.慣性衝突
2.さえぎり
3.ブラウン拡散
細長い線維の表面に粒子を付着させて捕集しているのです。
そしてブラウン拡散は粒子のサイズが小さくなるにつれて優勢に働くようになる、つまり、粒子が小さくなるほどフィルターに捕集されやすくなります。
またマスクによってはフィルターの静電気力により粒子を線維に引きつけ付着させやすくする工夫がなされており、小さな粒子の捕集能力を高めています。
通常のマスクのフィルターであれば、小さい粒子を高い効率で捕集しますから「ウイルスやアレルゲンは小さいので、マスク線維の隙間を通り抜ける」という説明は根本的に間違っているそうです。
それよりもマスクの縁と顔表面との隙間から侵入する空気や粒子が問題。
どのようなマスクであっても隙間からの空気の漏れを極力防ぐように装着することで、一定の効果が見込めるので、マスクの性能を最大限生かすためにも隙間を作らないようにすることが大切ですね。
フィルターの網目の細かさでウイルスの侵入を防いでいたわけではなく、上記の3つの仕組みによってウイルスを捕集しているので、マスクを洗ったり、アイロンをかけたり、アルコールや次亜塩素酸ナトリウムを噴霧したりすると、マスクの性能が低下して防護機能を果たさなくなることが良く分かりました。
ちなみに医療機関で使用するサージカルマスクもドラッグストアで販売されている一般的なマスクでも、性能はほぼ同じだそうですよ。(不良品やニセモノに注意してくださいね)
以上のことよりサージカルマスクや使い捨てマスクは洗ったり消毒したり、加熱滅菌処理したりしない
出来るだけ使い捨てる
再利用するなら60〜65度で30分処理する
再利用方法についてはコチラに詳しく書きました
診療所のセラピードッグ「ラブ」
犬のサングラスはあるけど
マスクはさすがに無いですね
クリックお願いします
患者さんのリクエストで復活させた
化粧品と発酵素するりの記事は
コチラ