手術をするかどうか決めるのは あなた | みのり先生の診察室

みのり先生の診察室

5万人以上の「オシリ」を診察してきた
肛門科専門医の女医がつづる
お尻で悩める人へのメッセージ

当院は自由診療

 

保険が効きません。

 

保険診療に比べると診察代も手術代も高いです。

 

だから、まずは保険の効く肛門科を受診して、困ったら受診を検討しよう・・・ということで、色々な肛門科(を掲げる施設)を回ってから最後に受診される患者さんが多いです。

 

そこで最も多い相談が

 

「手術って言われたんですけど、受けないとダメですか?

 

というもの。

 

 

手術適応と診断されている疾患で多いのは

 

1.脱肛(イボ痔、痔核、内痔核、外痔核)

 

2.肛門狭窄

 

の2つ。

 

 

1の脱肛については、診断が違っていることもしばしば・・・汗

 

特に専門外の先生にありがちなのですが、脱肛と間違って手術を勧めているのが見張りイボ皮垂血栓性外痔核の3つです。

 

いずれも手術は必要ありませんが、見た目が気になる、肛門をキレイにしたいという希望があれば手術もアリだと思いますが、便通を治さなければ切除してもまた出来るので根本的な解決になりません。

 

特に血栓性外痔核は切らなくても治ります。

 

「消えて無くなるニセモノいぼ痔」なので、痛くても3日も経てば随分楽になりますから、慌ててその場で手術を受けないことです。

 

手術の傷が治るほうが時間がかかったり、かえって痛みが持続することもあります。

 

過去に記事を書いているので是非参考にお読み下さい下矢印

 

「見張りイボ」は「イボ痔」じゃないですよ

 

「いぼ痔」だと思ってたら「切れ痔」だったという勘違い、すごく多いです

 

 

血栓性外痔核についてはコチラに詳しく解説しました下矢印

 

血栓性外痔核 〜手術しなくても治る痔、消えて無くなる痔、おしりの血豆〜

 

 

皮垂スキンタグとも言い、皮膚のたるみです。

 

病気ではありませんから、医学的に手術の必要はありません。

 

美容的に気にして手術を希望される女性はいますが、切除しても便通が悪ければ何度でもまた出来てしまうので、私は排便管理をまずやってみることをオススメしております。

 

コチラに詳しく解説記事を書いています下矢印

 

肛門皮垂(スキンタグ)〜たるみが出来た原因を治さずに手術してもまた出来る〜

 

 

そして2の肛門狭窄に関しては、全然狭くないのに手術を勧められているケースが多くて驚いています。

 

私の指が細いから診察しやすいということもあるでしょうが、肛門鏡も普通に入るので客観的に狭いとは言えないです。

 

診察が乱暴だったり、患者さんが緊張していると、肛門がきゅーっと絞まって狭く感じてしまったのかもしれません。

 

どこからを肛門狭窄症と診断するのかは医師によって異なることが多く、1軒の肛門科で狭いと診断され手術をすすめられても、もう1軒、場合によっては数軒、別の肛門科を受診することをオススメしたいですね。

 

こちらも参考にお読み下さい下矢印

 

肛門狭窄症の診断 〜本当に肛門が狭いのか?〜

 

 

また肛門科を受診される際には、できるだけ肛門を専門にしている先生を選んで下さい。

 

専門医の有無よりも経験が大切です。

 

以下のサイトに探し方のヒントを書いていますので是非お読み下さい下矢印

 

日本の肛門科の歴史と現状〜専門の医師を見分ける〜

 

 

患者さんと診察室で色々とお話しをしていて感じるのですが、「あなた自身はどうしたいのか?」が大切です。

 

手術をするかどうか決めるのは患者さん自身だから。

 

痔は良性疾患です。

 

命に関わることもなければ放置しても死にません。

 

だから手術を焦る必要も急ぐ必要もないのです。

 

今すぐ決めなくても、先延ばしにしても手遅れになりません。

 

 

迷っているなら迷っていていいのです。

 

いやなら手術しなくてもいいのです。

 

 

そもそも何に困ってるの?

 

っていう患者さんも多いですね滝汗

 

 

排便時の痛みがつらいとか、出血がひどいとか、でっぱりが邪魔とか、何か症状があるのであれば分かるのですが、何も症状が無い、普通に排便も出来る、何も困ってない・・・という患者さんも結構おられます。

 

つまり

 

「肛門科で手術って言われたことで困っている」

 

わけです。

 

 

以前にも似たように記事を書いてました下矢印

 

「何に困ってるの?」の一言が衝撃でした

 

 

痔という診断と手術宣告は患者さんにとっては衝撃で、そのせいで夜も眠れないほど悩む人も多いです。

 

命に関わる病気ではないのに、人生に暗い影を落とすこともしばしば・・・。

 

 

だから一人で悶々と悩んでいないで、肛門を専門にしている先生に是非相談してみて下さい。

 

あなたの近くにもきっと居るはずです。

 

まじめに地道に肛門診療をやっている先生が。

 

出来るだけ切らずに治す方針の先生が。

 

 

でもね

 

どんなにひどい痔があっても

本当に手術が必要な状態であっても

 

手術をするかどうか決めるのは

 

あなたです。

 

 

大切なおしりのこと。

人任せにしないで

自分で考えて決心して下さいね。

 

 

それにね

 

いくら手術で痔を治しても

 

痔の原因となった

排便を治さなければ

 

 

何度でも痔を繰り返します。

 

 

だから

 

痔の根本治療は

 

痔の原因となった

排便を治すこと。

 

 

なぜ痔になったのか

振り返ってよく考えてみてくださいね。

 

 

診療所のセラピードッグ「ラブ」あしあと

寝落ちしているラブ

診察室ではほぼ寝ています滝汗

 

 

クリックお願いしますお願い

にほんブログ村 病気ブログ 痔(ぢ)へ
にほんブログ村

 

患者さんのリクエストで復活させた

化粧品と発酵素するりの記事は

コチラ下差し

 

便通・腸を整えて美肌を目指す 元皮膚科・現役肛門科の女医が教えるキレイ術