先日、下剤で痔瘻になってしまった患者さんの話を書きました。
この記事です↓
下剤のせいでお尻を悪くしている人、本当に多いです(;。;)
この記事をTwitterでシェアしたところ、
「たった一回の下痢で痔瘻になるんですね
驚きです


食あたり等で、もし下痢をしてしまった時に痔瘻にならないよう気を付ける排便法や排便後の過ごし方などありますか?」
と質問を頂きましたので、ブログで記事にしたいと思います。
下痢をして痔瘻になるかどうかは人によります。
下痢をしたからって痔瘻になるわけではありません。
下痢体質で毎日下痢だけど痔瘻になっていない人もいますし、普段は便秘で、たった一回だけ初めてコーラックを飲んで下痢をしただけで痔瘻になってしまったという人もいます。
だから
下痢→痔瘻
という考えは捨てて下さい

痔瘻になるかどうかは痔瘻の成り立ちを知る必要があります。
イラスト付きで詳しく解説していますので、是非こちらの記事をご覧下さい↓
痔ろう(痔瘻)について
要するに肛門の奥にある肛門小窩(陰窩)という「くぼみ」に便が入り込んだとしても、化膿して痔瘻になるかどうかは分からない。
くぼみに便が入り込むことなんて誰でも毎日のように起こってるだろうし、
入り込んだから化膿するかどうかは、その人の持っている免疫力にもよるのだけれど、
その時たまたま疲れていたりして免疫が低下していたら感染を起こしてしまうことだってある。
それに
公式ブログの方にも書いてあるけれど、女性の痔瘻は下痢ではなく便秘の人も結構いる。
要するに肛門の中に便が長時間あるっていう状態も引き金になり得るってこと。
だから
痔瘻の原因は下痢だけじゃない。
下痢したからって痔瘻になるわけじゃない。
免疫力と
排泄後に便が残っているかどうかも大きく関わってくる。
そう私たちは考えています。
だとすれば
食あたりのあとに痔瘻にならないために出来ることは・・・
免疫力を上げること

ちゃんとしっかり休んで体を労りましょう

そして出口に便が残らない、溜まらないようなスッキリ排泄を心がけることが大切

うちの診療所では出口の排泄を見直す治療をしていますが、ちゃんと排泄すると、痔瘻は無くならないけど、膿が出なくなって、腫れや痛みが無くなる患者さんが多いです。
痔瘻という病気は手術しないと完治しませんが、症状を改善することは出来るかもしれません。
今すぐ直ちに手術しなければならないという緊急性はありませんが、長期間放置すると痔瘻癌が発生することが稀にあるため、放置せず、必ず年に一回は専門医にかかってくださいね。
私の外来には痔瘻の症状が全く無くなってしまったので、年に一回お尻健診に来られている患者さんもおられます。
「いつか手術した方がいいよ」
とアドバイスはしていますが、手術するかどうかは患者さんの自由。
私は強制しません。
また費用面でうちの診療所で受けられない場合は紹介もしています。
気軽に相談して下さいね。
診療所のセラピードッグ「ラブ」

犬は躾ければ人間の指示に従います

治療においては
患者だから医師の指示に従うべき
という意見もあるでしょうが、
どうするかは患者さんが決めること
と思って診療しています
選んでいいんですよ

痔は良性疾患だから

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